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『セントレイ』(サカナクション)の音域と感想

 こんにちは。今回はサカナクションの『セントレイ』(2008)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。

『セントレイ』(サカナクション)、Sentorei(Sakanaction)



【地声最低音】mid1C#(C#3)  

★何かが変わるm1C#[か]


【地声最高音】hiA(A4)  

mid2G#[さび]mid2F#[し][く]hiA[な][る] [夜][を]抜けて(サビ)



【補足】mid2Emid2G#の注意箇所

★夜間飛行疲れの僕mid2E[は]宇宙(Bメロ)
★今煙の中をあるmid2F#[き][づ]mid2G#[て](サビ冒頭)

『セントレイ』(サカナクション)










 まず、『セントレイ』についてです。この楽曲は2008年にサカナクションがリリースしたシングル楽曲です。サカナクション初のCDシングル作品です。アップテンポの楽曲でデビューシングルらしい作品だと思います。『セントレイ』はアルバム『シンシロ』にも収録され、ベストアルバム『魚図鑑』にも収録されました。

  『セントレイ』のサウンド的な特徴としては、ややギターロックとしての側面が強い点にあると思います。サカナクションはエレクトロニカとロックサウンドが融合した作風がパブリックイメージとして強いですが、この『セントレイ』はかなりギターロックよりの作品だと思います。私個人としては、フジファブリックなどを想起させました。ギターロックが好きな人にお勧めしたいサカナクションの楽曲の一つかもしれません。

 
 『セントレイ』の歌詞についてです。まず、タイトルの『セントレイ』は「1000と0(零)」「宇宙と自分」「狭間」といった意味があるそうです。個人的には「夢(目的地)と現在地」といったニュアンスもあるのではないかと考えています。よく考えられたタイトルであると思います。

 個人的に好きなフレーズは「1000と0と線と点の裏 重なる世界 僕と君が繋がる世界」という箇所です。直接は言及されておらず、様々な解釈が出来ると思うのですが、「点を重ねていくことにより、やがて線(1000)になる」といったニュアンスなのではないのかと思います。ここで「僕」と「君」を繋げることでどこかラブソングのような意味も感じ取れるようになっています。

 サカナクションの楽曲では「夜」が象徴的に描かれる作品が多いように思えます。夜がどのような役割を果たし、「僕」はどのような考えや行動をとっているのかは楽曲により様々です。『セントレイ』についてはモラトリアムな時期の終盤のようなイメージで、全体として前向きでです。乗り越えていく「夜」としての側面が強いのではないかと思います。





 さて、『セントレイ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C#(C#3) ~【地声最高音】hiA(A4)でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりは少し高いです。

 『セントレイ』はBメロ辺りまではそこまで高いキーではないのですが、サビで一気に高くなります。まず、歌い慣れていない人は、一つの目標として、Bメロまでをある程度上手く歌えるようにするというのを設定してみると良いと思います。
 
 サビについてですが、hiA辺りになると地声で歌うのが難しくなります。人によっては、ある程度歌う努力をしても届かない可能性があるということを留意しておいてください。
 
 『セントレイ』は一般的な男性は原曲キーから1~2程度下げる(♭1~2)歌いやすくなります。当然、キーを下げても歌い慣れている人と、そうでない人では明確に差が出ます。高い声が出なくても歌が上手く魅力的な人は多くいますし、プロとして活躍する人も居ます。例えば、BUMP OF CHICKENはmid2F#、mid2Gなどを最高音にしてメロディーが作られることも多いです。そうした意味で、高い声に届かなくても、努力は形になるのではないかと思います。

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コメント

  1. 834.194 より:

    アルバム名はシンクロじゃなくてシンシロじゃないですか?

    • もりっしー より:

      コメントありがとうございます。
      完全に、私のミスです。
      ご指摘感謝いたします。助かりました。

      「834.194」というアカウント名が素敵です。いいアルバムです。