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『逢瀬川』(音速ライン)の音域と感想

 こんにちは。今回は音速ラインの『逢瀬川』(2005)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。
 なお、この楽曲はYouTubeなどでMVが公開されておりません。よって、当ブログでも動画や音源の添付はありませんので、ご了承ください。

『逢瀬川』(音速ライン)、Ousegawa,(Onsoku Line)


【地声最低音】mid1B(B2) 

★ 岸辺に咲いた 君の音(ね)を探す[ー]


【地声最高音】mid2G(G4)  

m2F#[ぼ]くは今でも 追いhiB裏[か]hiA#裏[け]mid2G[た][ま]


【裏声最高音】hiB(B4) 

★追いhiB裏[か]hiA#裏[け]mid2G[た][ま]


【補足】mid2F#の注意箇所

★いつか僕mid2F#[ら]は 離れ離れ 君とはぐ[れ]て 離れ離れ


『逢瀬川』(音速ライン)










 まず、音速ラインというバンドについて説明します。音速ラインは2002年に結成されたバンドです。当初は3人組のバンドでしたが、2005年末に病気を理由にドラムが脱退し、現在は二人にサポートを付けて活動を行っています。ジャンルとしてはハードコアにルーツを持つエモなどに分類されると思います。ハードコアな演奏と、ギターボーカル兼作詞作曲を担当する藤井敬之さんの紡ぎ出す美しいメロディーが特徴的です。知名度の高い楽曲としてはアニメの主題歌にもなりました『ポラリスの涙』が挙げられると思います。

 『逢瀬川』は2005年に音速ラインによりリリースされたシングル作品です。アルバム『風景描写』にも収録されております。ファンにも人気の高い楽曲の一つであると思います。私自身も音速ラインを知るきっかけになった楽曲で非常に思い入れがあります。
 ちなみに『逢瀬川』とはメンバーの藤井さんが在住する福島県郡山市に実在する一級河川でもあります。和歌で題材として読まれることもある地名です。『逢瀬』とは「男女がひそかに逢う」ことを意味します。

 さて、『逢瀬川』のサウンドについてですが、音速ラインらしいハードコアなバンドサウンドに美しいメロディーが印象的です。音速ラインらしいアレンジだと思います。ハードコアゆえにギターサウンドに耳が奪われがちですが、ベースラインなども非常に心地よいです。
 メロディー構成についてですが、一般的なJ-POPとは異なり、「Aメロ2回⇒サビ⇒間奏⇒サビ⇒Cメロ⇒Aメロ」という構成になっております。ただ、とっつきにくいわけではありません。サビからCメロにかけては非常にドラマティックであると思います。
 
 『逢瀬川』の歌詞についてですが、歌詞自体がやや抽象的であるため、様々な解釈が出来る楽曲であると思います。私の解釈としては、「君」と「僕」の出会いから別れを歌った楽曲だと考えます。二人の関係を川の流れに喩え、思いを馳せているいるのだと思います。別れの原因は具体的には語られませんが、「僕らが描く 未来の果てに 川の流れは 答えを映し」という歌詞は非常に胸が締め付けられます。別れることが運命づけられているように私は考えてしまいます。

 例えば、地方などでは就職や進学などで上京してしまう人も多いと思います。お互い愛を誓いあっても、その地を離れることが半ば運命づけられているような状況にあります。『逢瀬川』でもそうした状況が歌われているのではないでしょうか。多くの楽曲で、別れが宿命づけられた状況で「心は繋がっている」と綴られることが多いですが、『逢瀬川』では「心のつながり」が非常に儚げに描かれていると思います。それが非常に美しいです。




 さて、『逢瀬川』の音域についてですが、【地声最低音】mid1B(B2)~【地声最高音】mid2G(G4)、【裏声最高音】hiB(B4)でメロディーが構成されております。
 
 かなり広い音域ですが、地声最高音はmid2Gです。故に一般的な男性が歌い慣れれば到達しうると思います。歌い慣れていない人は、まずmid2F,mid2Gといった音階を確実に歌いこなせるようにしましょう。

 力強いバンドサウンドに目が行きがちですが、メロディーも非常に美しいです。バンドとしてのノリの良さとメロディーの美しさのバランスに気を付けながら歌唱したいです。知名度としてはあまり高くない楽曲ですが、多くの人の耳に届いてほしいナンバーです。

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