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『ライラック』(美波)の音域と感想

こんにちは。今回は美波さんの『ライラック』(2018)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『ライラック』(美波),Lilac(Minami)


【地声最低音】mid1G(G3) 

★いつかの声がm1G[い]ま僕の心を窮[屈]にしていく(Aメロ)
★幸せはピンぼけする不良品アイシャッタ[ー](Bメロ)

【最高音】hiG(G5)  ※転調後サビ

★人hiC[生]hiG[聡][に]変わhiD[り]hiD#[たい][の][は]山々だが(転調後サビ)


【補足】hiB以上の注意点


★苦しいことは繊細に映るこhiB裏[う]hiC[が][しつ]レンズで(Bメロ)
★性に合わないことして生きhiC[れる]hiB[ほど]余裕ない
★決められたつまらhiC[ない]hiB[固]定概念なんてhiC[捨]てろ
★もう実hiE[際]どうにでもな[れ] 
★押し殺したhiE[こ]えでやりhiC[た]hiB[く]ないことに
★憂憂憂憂憂hiC[憂]hiD[憂][~~~~]hiE    [Ah~][Ah~]
hiD[現]hiD#[状][世]hiC[くらい]がお似[合]いだ(転調後サビ)
★実際そうhiC[ゲー][み]D#[たい]hiD[に]単純明快生きたくって


『ライラック』(美波)









 まず、『ライラック』についてです。この楽曲は2018年に美波さんのYouTube公式チャンネルで公開された楽曲です。フィジカルリリースとしては2019年にリリースされたメジャーデビューシングル『カワキヲアメク』の2曲目に収録されています。表題の『カワキヲアメク』はテレビアニメ『ドメスティックな彼女』のオープニングテーマになっています。今回紹介する『ライラック』の方にはタイアップは付いていませんが、美波さんの代表的な楽曲の一つとなっています。
 『ライラック』は美波さんのYouTube公式チャンネルでMvが公開されており、2019年7月現在、およそ2000万回再生されています。メジャーデビュー間もないミュージシャンがこれだけの再生数を記録するのは異例だと思います。

 『ライラック』のサウンドについてです。非常にロック色の強いアレンジになっています。歪んだリードギターが非常に印象的です。また、ドラムも非常に耳に残ります。ボーカルについては、シンガーソングライターYUIさんの優しさや憂い、阿部真央さんのパワフルさを合わせたような特徴を感じます。特にサビへと盛り上がるにつれて力強さを増していく声色が非常に耳に残ります。

 メロディーの構成についてです。1番はAメロもBメロもかなり尺を取って歌われ、サビに繋がっていきます。一方で、2番になるとあっさりAメロ⇒Bメロ⇒サビへと展開されます。こうした展開は非常に特徴的です。2番があっさりと過ぎていく分、メインディッシュのCメロ⇒転調サビへと導かれます。J-POPらしい展開を基調としていますが、2番を短くする工夫により、冗長にならずに楽曲全体がタイトにまとまっていると思います。
 
 歌詞についてです。『ライラック』とは落葉樹で4月から5月ごろに花を咲かせます。タイトルの意味は正直解釈が分かれることです。『ライラック』の花言葉として「思い出」、「友情」、「謙虚」とあります。個人的には、歌詞の中では花言葉として登場する「思い出」や「友情」などがネガティブな意味合いで表現されているように感じます。『ライラック』は「自分を縛っている人間関係、周りの声から解放されたい」という歌詞内容であります。
 歌詞の中で「ゲームみたいに単純明快に」とありますが、「思い出」、「友情(周りの声)」、「謙虚さ(周りから求められる姿勢)」は「自分の思いに従う単純明快さ」から遠いものです。タイトルの『ライラック』はそうした意味合いが込められているのかもしれません。





 さて、最後に『ライラック』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G(G3) ~【最高音】hiG(G5)でメロディーが構成されております。地声裏声などの区別は今回は行っておりませんが、それでも一般的な女性の音域よりは高いです。

 まず、hiGという音階が気になります。hiGは転調が行われたラストのサビ(通常のサビ+3)で登場します。『ライラック』についてはこのhiG(通常サビではhiE)については裏声で発声しても原曲のニュアンスが大きく崩れることは無いと思います。

 ただ、このhiGを除いたとしても、通常サビではhiC,転調後のサビではhiD#くらいは地声で歌いこなせる必要があると思います。また、Cメロで登場する「憂憂憂憂」の部分ではhiEのロングトーンが登場しますので、『ライラック』を原曲キーで歌う場合は、大体hiE程度まで地声で歌いなせることが目安になると私は考えております。そう考えると、一般的な女性の音域よりは高めであると言えます。

 歌い慣れた声が高い女性の場合、『ライラック』を原曲キーで楽しむことが出来ると思います。一方で、一般的な女性の場合は、原曲キーより3つ程度下げると、歌いやすいのではないかと思います。hiGの箇所はhiE(裏声気味に歌ってよい)、その他の転調後のサビの重要なキーhiD#がhiC程度に設定されます。この「3つ下げる」というのは目安ですので、個人で各々調整してください。

 また、AメロやBメロの途中までは優しく憂いを帯びるように、サビは力強く歌うことを心がけた方が良いと思います。美波さんは力強いボーカルが特徴的ですが、一方で声色のメリハリも凄く効いています。原曲キーで歌うにしてもキー調整するにしても、音の強弱を意識するように気を付けてください。

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