J-POPの音域を調べ、カラオケ等に役立てる

J-POPを中心にボーカルの音域を調べていきます。楽曲の感想なども述べています。

J-POPを中心に歌メロディーの音域を調べ、楽曲の感想なども述べていきます。カラオケや歌ってみたなどに役立てて頂ければ幸いです。

ヨルシカ

『準透明少年』(ヨルシカ)の音域と感想

(2019/11/04)タイトルが間違っておりましたので修正しました。

 こんにちは。今回はヨルシカの『準透明少年』(2018)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『準透明少年』(ヨルシカ)、Juntoumeishounen(Yorushika)


【地声最低音】mid2A(A3)  

★凛として花は咲いた後でさm2A[えも揺]るがなくて


【地声最高音】hiD(D5)  ※1番とラストのサビ

★からhiD[だ]hiC#裏[の]hiB{何]hiA[処]A[で]誰かが叫んでるんだ(サビ)
★君のうhiA[ただ]hiC#[け]hiD裏[で]C#[ぇ]D地[ぇ](ラストサビ)


【裏声最高音】hiD(D5) ※サビで頻出

★長hiD裏[い]hiC#[よ]hiB[る]hiA[の]hiA[こうが]hiC#裏[わ]hiD[で]
★僕をhiA[全]部、全部、hiD[全]hiC#{部]D[透]C#[過し]hiD[て]



【補足】hiAhiB辺り

★今日が来る不hiA[安]感も奪い取って行く(Aメロ)
★誰のhiB裏[こ]hiA[え]だと騒めきだした(Bメロ)
★あの日hiA[き]みが歌った歌を歌う
★このこhiA[こ]ろごと渡したいhiA[か]ら(サビ) 

★くhiB裏[るい]そうだ 愛の歌も(2番Aメロ)
★そんなものはhiA[ない]のと同じだ
★駅前の喧hiA[騒]の中を叫んだ  (2番Bメロ)
★歌だけがきっhiA[と]hiB[ま]A[だ]僕を映す手段だ
hiB裏[目]hiA[が]見えないんだ 想像だったんだ(Cメロ)


『準透明少年』(ヨルシカ)










 まず、『準透明少年』についてです。この楽曲は2018年に音楽ユニット・ヨルシカによりリリースされたアルバム『負け犬にアンコールはいらない』に収録されている楽曲です。アルバムのリリースに先立ち、MVがヨルシカのYouTube公式チャンネルで公開されており、2019年9月現在、約950万回もの再生回数を記録しています。



 
 『準透明少年』のサウンド等についてです。編曲はギターを担当しているn-buna(ナブナ)さんによりなされています。ヨルシカはギターが印象的な作品が多いですが、00年代以降のギターロック彷彿とさせるアレンジだと私は感じました。具体的にはASIAN KUNG-FU GENERATIONやナンバーガールに近いものを感じました。ざっくりとした分類で大変申し訳ないですが、「00年代以降の邦楽ロックが好きだ」という人に紹介したい作品だと感じます。楽曲全体を通して、バンドの音色が非常に活きている楽曲だと思います。個人的には、2番サビ終了後の、リフが非常に耳に残りましたが、楽器の演奏だけを聴いていても心地よく感じます。
  
 歌メロディーについてはAメロBメロサビとった形で馴染みやすいと思います。一方で、2番のAメロBメロは1番と少し異なるメロディーになっており、カラオケなどで歌う際には注意が必要です。
 個人的に特徴的だと考えた点は、サビメロのラストです。hiD[全]hiC#{部]D[透]C#[過し]hiD[て]」となるのですが、歌メロディーの最高音が多く使われて、サビが占められます。
 広く調査したわけではないですが、サビのラストのフレーズに最高音域が集中する歌メロはあまり見られなかったように思えます。この『準透明少年』の音域を調べる過程で、「他にもこうしたメロディーが無いだろうか」と考えるようになりました。サビのラストに高音域が連発されるので、カラオケなどでは大変だろうなと想像できます。
  
 『準透明少年』の歌詞についてです。歌詞の中では主人公が目が見えないだけでなく、誰にも相手にされず孤独であり、間接的な意味で人の目に見えてないような状況が描かれています。そうした中で「君」に気付いてほしいと思い、歌を歌っているという姿が切なさを誘います。「あの日 君が歌った歌を歌う」という1番のフレーズに、君との繋がりを切望する姿を強く感じした。



 最後に、『準透明少年』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3) ~【地声最高音】hiD(D5)、【裏声最高音】hiD(D5)でメロディーが構成されております。一般的な女性の音域よりやや高いといったところです。

 まず、最高音hiDについてですが、私自身が未熟なためもあってか、ボーカルのsuis(スイ)さんの高音域が地声か裏声か判別するのに非常に苦労しました。恐らく地声で間違いないものを「地声」に判別しております。
 『準透明少年』で使われているhiDの箇所では裏声の部分も多くあります。ただ、裏声の中でも「息漏れが少ない」発声がされているように私は分析しています。裏声を練習する過程で、「どの程度息漏れをさせるか」、「息漏れを少なくできるか」といった視点で練習してみると良いと思います。

 『準透明少年』は地声がhiDであるため、人によっては高音域が辛いということもあると思います。この楽曲自体は低音域に下げる余地がありますので、歌い慣れても高音域が辛い人、歌い慣れていない人などはキーを下げることを考えても良いと思います。
 普段歌い慣れていない人は、hiA,hiBといった音階をよどみなく発声できることをまず目標にすると良いのではないかと思います。『準透明少年』のhiA,hiB部分も上に記載してありますので、参考にしてください。

『靴の花火』(ヨルシカ)の音域と感想

 こんにちは。今回はヨルシカの『靴の花火』(2017)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『靴の花火』(ヨルシカ)、Kutsu no Hanabi(Yorushika)


【地声最低音】mid1G(G3)  ※A、Bメロで頻出

★ねぇ ねぇ 何m1G[か]言おうに[も]言葉足らずだ(Aメロ)
m1G[わ]すれていくこと[は 虫が]食べ始め[た]結果だ(Bメロ)


【地声最高音】hiB(B4)  ※サビで頻出

★夕暮hiB[れ]hiA[た][そ]らを[飛ん]hiB[で] (サビ)


【裏声最高音】hiE(E5) ※各サビで1回ずつ

★きhiA[み]の居hiD裏[たま]hiE[ち][だ]



【補足】サビでの注意箇所

hiB[次]hiA[第][小][く]hiD裏[なっ]hiB[てくの][は](サビ)
hiB裏[だ]hiC[なん]hiB[て]hiA[も]う 
★そhiA[ん]hiB[な]hiC[な][つ][が][え]

『靴の花火』(ヨルシカ)









 まず、『靴の花火』についてです。この楽曲は2017年に、音楽ユニットのヨルシカによりリリースされた楽曲です。アルバム『夏草が邪魔をする』に収録されました。そのアルバムの発売に先立ち、この『靴と花火』がヨルシカのYouTube公式チャンネルで動画が公開されました。公開されたMVは2019年8月現在、1100万回もの再生回数を記録しています。

 『靴の花火』のサウンドについてです。クリーンなギターの音色が基調となったミディアムテンポのバンドサウンドです。ギターの音色も非常に美しいのですが、Bメロのベースのフレーズも個人的には好きです。また、サビ、2番のBメロで使われるアコースティックギターの音色も耳に残ります。スピッツやあいみょん辺りが好きな人は、こうした構成は非常に耳馴染みするのではないかと思います。
 
 歌メロディーについてですが、 AメロBメロサビの構成で、AメロBメロが静、サビの動という感じでジャンプアップしていきます。一般的なJ-POPなどで見られる馴染みやすい構成であると思います。AメロBメロは低音部分が続きます。細かい部分は後述しますが、地声最高音があまり高くないので、普段歌い慣れてない人であっても、手を付けやすい部分があると思います。

 
 『靴の花火』歌詞についてです。ヨルシカの作品群は「死」を漂わせる歌詞が魅力の一つですが、本作ではタイトルでその傾向が見られます。作中では「靴の先に花が咲いた 大きな火の花が咲いた」とあります。「僕」は空を飛んでいますので、花火を見下ろしていることを間接的に示しています(私はそう解釈しています)。全体として暗めの内容であると言えますが、そうした世界こそが魅力の一つでもあると言えます。

 印象的だと思ったフレーズは1番Aメロで登場する「忘れていくことは虫が食べ始めた結果だ 想い出の中じゃいつも笑ってる顔なだけ」というフレーズです。個人的な解釈ですが、「時間の経過とともに記憶が薄れていく」ことを「虫が食う」という表現と繋げた点は秀逸だと思いました。
 また、自分自身を「ヨダカになれない」と歌っているいう点も、自身の中途半端さやちっぽけさを上手く表現していると思います。
 ちなみに「ヨダカ」は宮崎賢治の短編小説『よだかの星』からの引用です。MVでもその一節が登場します。ざっくりあらすじを言うと、「虫を食料として生きている自分に嫌気が差したヨダカ(夜鷹)が、命を振り絞って夜空を飛び、ついには星になった」というものです。こうした物語と対比して、『靴の花火』で登場する「僕」は「ヨダカにさえなれない」と歌っています。



 さて、最後に『靴の花火』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G(G3)~【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hiE(E5)でメロディーが構成されております。裏声の部分を除けば、一般的な女性の音域の範囲内であると言えます。

 まず、地声最低音についてですが、AメロBメロに登場します。『靴の花火』はAメロBメロが静で、サビが動といった歌メロディーです。 AメロBメロは声が低めで、高音域が得意な人は少し苦労するかもしれません。

 次にサビ部分についてです。ここで地声最高音のhiBや裏声のhiEなどが登場します。hiBは一般的な女性にとっては必ずしも高い音階ではありません。多くの人が歌いこなせる可能性が高い音階であります。ただ、普段歌い慣れていない人は、スムーズな発声が損なわれうる音階でもあります。歌う習慣があまりない人は、練習を重ねることが重要です。
 その点で、この『靴の花火』は報われやすい楽曲でもあると思います。ただ、この楽曲はただhiBがサビで登場するだけでなく、時々裏声交じりで高音部を歌唱する必要もあるので、その点で少しだけ難易度が上がります。音域的に考えると、練習曲としても扱いやすい楽曲なのではないかと思います。
 
 逆に、高音域が得意な人は、全体として少しキーが低く感じるかもしれません。その場合、キー調整しても良いと思います。
 
 


『藍二乗』(ヨルシカ)の音域と感想

 こんにちは。今回はヨルシカの『藍二乗』(2018)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『藍二乗』(ヨルシカ),Ainijou(Yorushika)


【地声最低音】mid1F(F3)  

★高架下、藍二乗、m1F[寝]転ぶま[ま]ぁ(Aメロ)


【最高音】hiD#(D#5)  

hiC#裏[た]だ、hiD#[た][だ]雲をhiA#[見][上][て]も(サビ)
★視界はhiD#[今日]hiC#[も]流れるまC#[ま]
★エルマ、君hiA#[なん]だよ きhiC#裏[みだけが僕の]hiD#[おん][が][くなん]だ(Cメロ)



【補足】その他、hiC#,hiB,hiA##辺りの箇所

★おとhiA#裏[な]hiB[に]hiA#地[な]るほど時[効になっ]てい[く](Bメロ)
★春と見紛[う]ほどに 君をただ見失うように(サビ)
hiC#[人]hiA#[生]は妥協の連続[なん]だ そんなこと疾うにわ[かって]たんだ(Cメロ)
★この詩はあと八[十]字 人生の価値は、終わりかhiA#[た]だろうから


『藍二乗』(ヨルシカ)










 まず、『藍二乗』についてです。この楽曲は2018年にヨルシカのYouTube公式チャンネルで公開されました。その後、2019年にリリースされたアルバム『だから僕は音楽を辞めた』に収録されています。公開されたMVは2019年7月現在、約1200万回もの再生回数を記録しております。人気の高い楽曲の一つだと思います。

 『藍二乗』のサウンドについてです。アルバムの2曲目ということもあり、疾走感溢れるギターサウンドになっております。個人的にはRADWIMPSあたりの影響を感じさせるような爽やかさを感じます。バンドの華ということもありますが、編曲をギターのn-bunaさんが行っているということもあり、ギターで印象的な仕事が目立ちます。
 メロディーについてです。この『藍二乗』のサビの部分ですが、いわゆるヨナ抜きの音階で歌メロが作られています。ヨナ抜きは民謡や童謡などのメロディーで多く見られます。楽曲自体には「和」を感じさせるものは多くないと思いますが、どこか懐かしさや切なさ、やるせなさを醸し出しているのは、このサビのメロディーラインに理由の一つがあると思います。

 『藍二乗』の歌詞についてです。藍二乗とは数学の得意な人ならピンと来るかもしれませんが、虚数のiを二乗すると-1になります。これは主人公にとって、「君」が欠けているという意図があるのだと思います。
 また、英語でのタイトルは「Blur」となってています(MVの説明欄に書かれています。)。「Blur」には「ぼやけた」という意味があります。これは「僕」にとっての「音楽の意味がぼやけ始めている」ことを表しています。歌詞の中でも、「君のために書いていた音楽」と「商業としての音楽」の間で生じる葛藤のようなモノが描かれています。こうした物語は、アルバムのラストを飾る『だから僕は音楽を辞めた』の歌詞ともつながっていると思います。
 余談ですが、90年代に活躍した英国のミュージシャンにBlurというロックバンドがいます。Oasisとともに90年代の英国ロック(ブリット・ポップ)を支えた有名なバンドです。興味を持たれた方は、彼らの楽曲を視聴してみても面白いと思います。ただ、歌メロディーはJ-POPに近い形ではないです。邦楽を聴くことが多い人の場合は、ライバルとされていたOasis(オアシス)の方が聴きやすいかもしれません。




 さて、最後に『藍二乗』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3) ~【最高音】hiD#(D#5)でメロディーが構成されています。今回は、最高音に関しては地声か裏声かの区別をしていません。私自身の実力不足もありますが、hiC#辺りが地声か裏声か判別しづらかったです。そうした点を考慮したうえで、おおよそ一般的な女性の音域の範囲内であると考えられます。

 最高音であるhiD#、それに準ずるhiC#は裏声で歌唱されているように私には聞こえます。よって、地声に関してはhiBあたりまで確実に歌いこなせていれば、ある程度の完成度での歌唱が出来るのではないかと思います。もちろん、それ以上の音階が歌いこなせるに越したことはないです。

 声が低い人の場合、原曲キーよりも1~2程度下げて歌唱すると良いと思います。ただ、『藍二乗』は低音部についてはあまり余裕がないとですので、歌い慣れていない人がキーを下げて練習曲として使うのはあまり向かないかもしれません。その点については留意しておいてください。

『雲と幽霊』(ヨルシカ)の音域と感想

 こんにちは。今回はヨルシカの『雲と幽霊』(2017)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『雲と幽霊』(ヨルシカ)、Kumo to Yuurei(Yorushika)


【地声最低音】mid1E(E3)  

★幽霊にmid2F#[なった]僕は、[明日]遠くの君を見に行くんだ  
[きっと]君には言えない


【地声最高音】hiB(B4)  ※ラストのサビのみ(通常サビはhiA)

★雲が遠いhiA[ね] hiB[ね][ぇ] 



【補足】通常サビ等、その他の注意点

★君と座っhiA[て]mid2G#[ー][ー] (通常サビ)
★バス停見mid2F#”[上げ]た空が

『雲と幽霊』(ヨルシカ)









  まず、『雲と幽霊』についてです。この楽曲は、2017年にヨルシカによりリリースされたミニアルバム『夏草が邪魔をする』に収録されている楽曲です。『雲と幽霊』はこのアルバムのフィナーレを飾る重要なナンバーとなっております。ちなみに、ユニット名の「ヨルシカ」はこの楽曲で登場する「夜しかもう眠れずに」というフレーズが由来となっております。
 『雲と幽霊』はヨルシカのYoutube公式チャンネルでMVが公開されており、2019年6月現在、およそ950万回の再生回数を記録しております。

 『雲と幽霊』のサウンドについてです。アンニュイさを想起させるギターの音色が心地よいです。間奏、およびサビで流れる音が印象的です。また、所々、目覚まし時計のベルの音、水の落ちる音などがサンプリングされております。リスナーをどこか不思議な世界観にいざなうようです。
 メロディーについてもどこかアンニュイさを想起させます。一般的な女性の音域よりやや低いゾーンでメロディーラインが展開されます。サビも気だるさや浮遊感が想起されます。

 歌詞についてですが、タイトルにあるように「死んでしまった僕」から見た世界が描かれていると思います。この楽曲単体で見ると、「「幽霊」というのは比喩で、僕自身は死んでない」という見方もできると思います。しかし、同じアルバムに収録されている楽曲『言って。』でも「僕の死」が描写されているので、やはり僕は「この世にはいない」のだと思います。

 歌詞の中では、「君」に対する未練が描かれていますが、「だからさ、君もさ、もういいんだよ」というラストのサビのフレーズにあるように諦観(ていかん)の念が見て取れます。そうした中で、やはり思いを完全には捨てきれずにいるのだと思います。楽曲のラストで「遠くの君を見に行くんだ(中略)きっと君には見えない」が切なさを誘います。



 さて、 『雲と幽霊』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】hiB(B4) でメロディーが構成されています。一般的な女性の音域の範囲内ですが、やや低い音階も登場します。

 まず、【補足】の部分でも示しましたが、mid2F#やmid2G#などが色分けされています。高い音階はほとんど登場しません。場合によっては男性が歌うことも可能なキーだといえます。

 サビのフレーズについてですが、通常のサビの最高音はhiAで、ラストサビでのみhiBが登場します。そうしたことから、『雲と幽霊』は普段あまり歌い慣れてない女性であってもチャレンジしやすい楽曲であると思います。
 ボーカルの特徴として、どこか物悲しげで、気だるさを持っています。あまり声を張らずに、少し抑え気味に歌った方が雰囲気が出ると思います。

 先にも述べましたが、地声の最高音がラスサビのhiBで1音のみですので、あまり歌い慣れていない人であってもチャレンジしやすいと思います。努力が報われやすい楽曲です。
 当ブログがこれまで取り上げたヨルシカの作品でも特に手を付けやすい作品の一つではないでしょうか。

 

『ヒッチコック』(ヨルシカ)の音域と感想

 こんにちは。今回はヨルシカの『ヒッチコック』(2018)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『ヒッチコック』(ヨルシカ)、Hitchcock(Yorushika)


『ヒッチコック』(ヨルシカ)










【地声最低音】mid1G#(G#3)  

[大]人になると忘れちゃうものなんですか。(Cメロ)


【地声最高音】hiA#(A#5)  ※曲全体で頻出します

★さよならって言[葉]でこんなに胸を裂いて(Bメロ)
★先生、hiA#[人生相]談です。この先どうなら楽ですか。(サビ)
★そんなの誰もわかりはしないよなんて言われますか。[ほ]


【裏声最高音】hiC#(C#5) 

★何もしないで生きhiC裏[てい]hiC#裏[たい]。(サビ)
★花の散り際にすら値が付くのもい[や]になりhiA#[まし]た。(Cメロ)




 まず、『ヒッチコック』についてです。この楽曲は2018年にヨルシカによってリリースされたミニアルバム『負け犬にアンコールはいらない』に収録されているナンバーです。このアルバムには、『ただ君に晴れ』なども収録されています。『ヒッチコック』はアルバムの発売に先立ち、ヨルシカのYouTube公式チャンネルでもMVが公開され、2019年5月現在、2200万回もの再生回数を記録しています。人気の高い楽曲の一つです。

 『ヒッチコック』のサウンドについてですが、バンドサウンドが基調となったミディアムテンポのポップナンバーです。中心メンバーの一人でもあるn-bunaさんのエレキギターが非常に印象的です。近年「ロックバンドのロック離れ」という矛盾したような現象をよく耳にし、洋楽などを中心にギターのサウンドが目立たない楽曲も非常に増えてきました。その中で、ヨルシカの楽曲で流れるギターサウンドは非常に心地よく感じます。
 メロディーについては、良い意味で淡々としたニュアンスで歌われていると思います。あとで言及しますが、地声の音域自体はあまり広くありません。これは歌詞の性質なども反映していると思います。よく出来た聴きやすいメロディーですが、歌詞に重きが置かれていると思いました。

 さて、歌詞についてです。まず、1番のBメロで「さよならって言葉でこんなに胸を裂いて 今もたった数瞬の夕焼けに足が止まっていた」とあります。大切な人との別れにより、主人公の時間が止まったような状況が描かれています。その中で楽曲全体を通して、「生きていくことの息苦しさ」が描かれています。

 タイトルの『ヒッチコック』ですが、サスペンス映画の神様であるアルフレッド・ヒッチコックからの引用です。ヒッチコックが残した功績は様々ですが、歌詞と関連する部分だと、「マクガフィン」という概念が関係すると思います。「マクガフィン」とは「登場人物への動機付けや話を進めるために用いられる小道具など」を意味します。「怪盗が狙う宝石」などが例です。宮崎駿アニメで言えば、『天空の城ラピュタ』の「飛行石」などもそうです。
 歌詞中では「青春って値札が背中に貼られていて ヒッチコックみたいなサスペンスをどこか期待していた」とあるように、「青春という値札」あるいは歌詞に暗喩的に登場する「君」がそうした動機付け(マクガフィン)となるものだと言えます。「大切な人との別れ」は「マクガフィン(「私」が人生を進める動機付け)の喪失」を意味しているのだと思います。主人公が歌の中で淡々と語る虚無感は、「別れ」による喪失感を象徴していると思います。

 



 さて、『ヒッチコック』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G#(G#3) ~【地声最高音】hiA#(A#5)、【裏声最高音】hiC#(C#5)でメロディーが構成されております。地声だけで見ると、一般的な女性の音域の範囲内であると思います。

 『ヒッチコック』はあまり歌い慣れない女性であっても形になりえる歌いやすい楽曲だと思います。当然、「歌い慣れていない人でもバッチリ歌いこなせる」ということを意味するわけではありませんので、練習しておくに越したことは無いです。歌い慣れた人とそうでない人とでは当然差が出ます。努力が報われやすい楽曲であるとも思います。歌い慣れない人は、キーを下げるのもアリだと思います。逆に声が高い女性は、キーを上げることもあり得るかもしれません。


 ちなみに『ヒッチコック』は声が高い男性であれば歌いこなすことも可能だと思います。少年性を帯びたような声質の方が原曲のニュアンスを崩さないと思います。



管理人プロフィール

もりっしー

北九州市近郊に在住するギター初心者。

「気になる歌の音域データ、感想」を述べていくブログです。

【好きなもの】音楽(特に80年代~のポストパンク、邦楽ロック)/漫画/地理/炭酸飲料

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