J-POPの音域を調べ、カラオケ等に役立てる

J-POPを中心にボーカルの音域を調べていきます。楽曲の感想なども述べています。

J-POPを中心に歌メロディーの音域を調べ、楽曲の感想なども述べていきます。カラオケや歌ってみたなどに役立てて頂ければ幸いです。

King Gnu

『白日』(King Gnu)の音域と感想【加筆】

(2019/04/06)初投稿
(2019/04/07)解説記事に一部追記を行いました
(2019/04/27)解説記事に一部追記を行いました
(2019/10/18)【地声】と【裏声】の最高音をそれぞれ記載しました。また、解説部分を修正加筆しております。


 こんにちは。今回はKing Gnuの『白日』(2019)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『白日』(King Gnu),Hakujitsu


【地声最低音】mid1A#(A#2)  ※常田大希(低音)パート

★誰かのために[生き]るなら


【地声最高音】hiB(B4)  ※転調後サビ

hiB[真っ]新に生まれ変わって 人生一から始めようが(転調後大サビ)
★へばりhiB裏[つ][て]はなhiB[れ]ない
★地続きhiB[のい]B[をあ]C#裏[るい]hiD[て行]hiC#[くん]


【裏声最高音】hiF#(F#5) ※井口理(高音域)パート  

★全てを忘れさせhiF[て]hiD#[く]hiF#[れ][よ](2番サビ)
hiF#[うんざ][り][す]hiF#[る][よ](大サビ)
★すべhiB[て]hiB[か]hiC#[く]hiD[し]hiE[て]hiF#[くれ]



【補足】mid2D#、hiA#hiFの象徴的な箇所

★その頃にはきっと 春風が吹くだmid2D#[ろう](Bメロ常田パート)
★きずつhiC裏[け]hiA#[てし]まったり(Aメロ)
★犯した罪hiC裏[を]hiA#[知]hiC#[る]   hiC#裏[も]hiC[ど]hiA#[れ]ないよ(Aメロ)

★どっhiA#[か]の誰かに hiA#[なって]やしないかな(Cメロ)
hiC[そん]C#[なん]hiD#[もん]C#[だ]hiF[ろう](Cメロ)

『白日』(King Gnu)











 まず、バンドのKing Gnu(キングヌー)について説明です。King Gnuは2017年に結成された比較的新しい4人組のバンドです。それ以前に中心メンバーの常田さんはSrv.Vinci((サーヴァ・ヴィンチ)というバンドを結成し活動されていたそうですが、メンバーチェンジなどを経て、現在のKing Gnuに至ります。
 さて、『白日』についてです。2019年にKing Gnuにより、配信限定シングルとしてリリースされた
作品です。日本テレビ系 土曜ドラマ「イノセンス 冤罪弁護士」の主題歌に起用され、バンド初のドラマタイアップとなりました。

 サウンドとしては、バンドミュージックなのですが、いわゆる00年代以降に多く見られた疾走感のあるギターサウンドといったものではありません。ギターも演奏に参加しているのですが、全体として演奏の核を担っているというわけではありません。電子音楽的なアレンジもあり、ピアノもありという感じです。ファンクな要素などもあり、非常に多ジャンルです。
 「音域」というテーマを掲げている当ブログとしてはやはり、ツインボーカルという点に注目したいと思います。毛の色の違うボーカルが2人いるという点が、この『白日』においても一つの強みになっていると思います。常田さんのボーカルはブラックミュージックらしさを感じます。また、東京藝術大学で声楽を専攻していた井口さんの高音ボーカルは印象的です。

 歌詞としては、「罪や後悔」といったものを抱えつつ、それでも前を向いて生きていくという内省的な歌詞になっております。「白日」とは身の潔白などの意味があります。歌詞内容的には「潔白」であるわけではありませんが、降りしきる雪に対し、これまでの自分を隠してくれと願っている点が、まさに『白日』というタイトルを象徴しているのではないかと思います。

 「真っ新に生まれ変わる」という前向きなフレーズが使われつつも、「へばりついて離れない地続きの今を歩いている」という必ずしも救いがあるとは言えない歌詞が非常に面白いと思います。歌詞内容としてはどこか泥臭さを感じさせますが、楽曲全体として非常にスタイリッシュに仕上がっています。「曖昧なサインを見落として 途方のない間違い探し」というフレーズも非常に共感できました。





 さて、『白日』の音域についてですが、【地声最低音】mid1A#(A#2) ~【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hiF#(F#5)でメロディーが構成されております。非常に広い音域ですが、これはツインボーカルという強みでもあると思います。

 Bメロ、サビ等はユニゾンですので、低音パートの常田大希さんはmid1A#~mid2F#で一般的な男性の音域に当たると思います。当然、「一般的」であっても、ある程度歌い慣れていることが前提です。
 一方で、井口理さんはおおよそmid2A~hiF#辺りの音域になります(低音部は途中で気付いて、取り急ぎ調べたのでミスがあるかもしれません)。女性の音域に近いです。

 ツインボーカルを踏まえておいた方がいいです。一人で歌うのはかなりしんどいです。上述してありますが、音程も非常に目まぐるしく変化するため、難易度は非常に高いです。

 高音域を担当するボーカルの井口理さんは、『白日』では大体hiC以上の高音域は裏声で発声しています。これは息漏れの少ない裏声であり、非常に難易度が高いです。井口さんはhiB辺りの地声を交えながら、巧みに裏声を歌いこなしております。普段裏声で歌う際、また練習する際に、「息漏れが多いか少ないか」といったことを意識してみると良いと思います。
 
 地声最高音はhiBであり、この辺りの音階を力強く歌えると非常にアドバンテージになります。ただ高音部を力一辺倒で歌えばよいわけではありません。先にも申し上げたように、裏声なども交えており、上手く強弱を付ける必要があります。音域も広いためキー下げが難しく歌う人を選ぶ作品です。元々高音域が得意な人が、努力をして到達しうる高い難易度です。

 簡単な楽曲ではありませんが、歌いこなせるならば、非常にかっこいいと思います。


【追記1】ちなみに、井口さんの高音パートを女性が担当するというのも選択肢としてあり得ると思います。ニュアンスとしては、可愛らしい歌声や澄んだ歌声よりも、かっこいい歌声やよどみや癖を感じさせる歌声の方が、井口さんのテイストに近づくのではないかと思います(前者のような歌声でも表現としてはあり得ると思います)。
 
【追記2】男性の場合、現実的な対策の一つとして、すべてを低音パートで歌うということもあり得ると思います。常田大希さんのパートはmid1A#~mid2F#です。井口理さんがソロで歌っているパートも1オクターブ下で歌えば、この範囲内に収まります。原曲とニュアンスが変わってきますが、一つの対策として考えてみても良いかもしれません。低音域に魅力がある声質であれば凄くハマると思います。




 

『飛行艇』(King Gnu)の音域と感想

 こんにちは。今回はKing Gnuの『飛行艇』(2019)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『飛行艇』(King Gnu)、Hikoutei


【地声最低音】mid1E(E3)  

★正しさばかりに恐れおm1E[の]のかないで


【最高音】hF(F5)  ※転調後のサビで頻出

hiC[い]hiF[の]hiD[ち]hiA#[揺]hiC[ら]hiD[せ] hiD#[イ][ェイ] 



【補足】mid2FhiD等の箇所

★どんなゆmid2F[め]を見に行こうか(Aメロ)
★大地震mid2G[わ]mid2F#[せ] 2F#[過]hiA[去]F#[を]祝F#[え] (ラストサビ前)
mid2G[この時代に飛び]hiD[乗っ]hiC[て] mid2F[こ]G[ん]hiA#[や](転調後サビ)


『飛行艇』(King Gnu)









 まず、『飛行艇』についてです。この楽曲は2019年に4人組バンドKing Gnuによりリリースされた作品です。配信限定シングルとしてリリースされました。航空会社ANAのキャンペーンCMのタイアップが付き、私自身も時折耳にしました。
 『飛行艇』はKing GnuのYouTube公式チャンネルでMVが公開されております。公開からおよそ1週間になりますが、2019年8月現在、300万回ほどの再生回数を記録しています。非常に注目度が高い楽曲であると言えます。

 『飛行艇』のサウンドについてです。私自身King Gnuのすべての楽曲を把握しているわけではないですが、『飛行艇』これまでにないほどロックバンドとしての側面が強い作品であると思います。イントロのギターリフが非常に心地よいです。荒野や砂漠などを想起させるオリエンタルな音作りです。1番終了後に入るギターソロも耳に残ります。
 また、個人的に面白いと思った音色はイントロやサビで登場するシンセサイザーの音(だと思います)です。基本的に楽曲全体を通して同じフレーズが繰り返されているのですが、ベースギターとともに地を這い、地面から突き上げるような推進力を担っていると思います。どこか不気味な雰囲気も感じます。
 歌メロディーについてですが、ラストのサビで転調が行われ、キーが1つ(半音)上がります。King Gnuはサビを半音上げるなど移調を伴ったアレンジがよく見られる印象です。ただ、『飛行艇』では歌メロディーの構成がAメロサビといったシンプルな構成ですので、ラストの転調が入ってもあまり仰々しさを感じません。こうしたバランスの取り方も美しく感じます。ただ、カラオケなどで歌う際は、サビの転調は非常にしんどくなる場面だと想像できます。





 さて、最後に『飛行艇』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3) ~【最高音】hF(F5) でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高いです。

 まず、以前より申しておりますが、King Gnuはツインボーカルです。中低音部(mid2G辺りまで)をフロントマンの常田さんが、高音部(hiA辺り~)を井口さんが担当しています。一般的にJ-POPででよく見る同性デュオはそれぞれ音域が被っており、ハーモニーを上手く利用して個性を出します。そうした点から考えると、King Gnuはやや特殊といえます。元々難易度の高い楽曲が散見される彼らですが、①ツインボーカルかつ②音域が被ってないという側面も楽曲の難易度を上げている一つの側面だと言えます。
 ちなみに当ブログで添付してある音域の図ですが、King Gnuについては常田さん+井口さんのパートが一緒に記載されています。1人1人が担当する音域はもっと狭いですが、例えば『飛行艇』を一人で歌唱する際はそれだけの音域が必要になります。


 こうしたことを踏まえた上で『飛行艇』の音域を見ていきます。まず、最低音はmid1Eです。大ヒット作の『白日』(最低音mid1A#)と比較すると、『飛行艇』の低音部分は少し余裕があります。例えば、一人でこの『飛行艇』を歌唱する際は、『白日』よりは余裕のある発声がしやすいと言えると思います。

 次に最高音hiFについてです。このhiFは裏声で発声されています。ただ、息漏れするファルセットではなく、息漏れのしない強さを伴った裏声です。井口さんはこうした発声を上手く利用し、高音域を歌いこなしています。こうした裏声はすぐに使いこなすのは時間がかかると思います。まずは、一般的な裏声に慣れ、少しずつ息漏れを減らし声の強さを上げていくような練習をしていくと良いと思います。


 King Gnuの高音パートを担当する井口さんは、他の曲などを分析していくと、大体hiB辺りまでは地声で歌唱し、それ以上を裏声で対応している印象です。この『飛行艇』についても大体hiA#辺りまでが地声です。『飛行艇』を歌唱する際は、理想を言えば、hiA#~hiB辺りまで地声で歌いこなせると、上手く歌いこなせる可能性が高くなると思います。

 ちなみに、King Gnuはツインボーカルですので、ボーカルを二人に分けて練習するというのも有効な選択肢だと思います。中低音域を担う常田さんが大体mid2G辺りまでを歌いこなしていますので、常田さんのパートを男性が担当し、井口さんの高音パートを女性(もしくは高音域が得意な男性)が担当するというのも良いです。



『The hole』(King Gnu)の音域と感想

こんにちは。今回はKing Gnuの『The hole』(2019)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『The hole』(King Gnu)


【地声最低音】mid1D#(D#3)  ※楽曲全体で1回

★僕らはそのくらいもm1D#[ろ]く不確かで(Cメロ)


【地声最高音】hiB(B4)  ※転調後サビ等の楽曲後半

★かすかなひかmid2F[り]mid2F#[を~~] hiA[oh~] hiB[oh][oh~] (Cメロ)
hiB[す]hiA[べ]mid2F#[て]mid2G#[し][ぶきを]hiB[あ]hiA[げ][て] (ラストサビ)



【裏声最高音】hiD(D5) ※転調後中心

mid2F#[掻]hiC#[き]hiD[あ][つ]hiD{め][て](Cメロ)
mid2F#[あなた]mid2G#[に降]hiA[り注]hiB裏[ぐ]hiC#[の]hiD[な][ら](ラストサビ)
[ぼ][く]hiA[がきず]hiB[ぐ]hiC#[ち]hiD[に][な]hiD[る][よ]


【補足】Cメロ途中から、転調でキーが1つ上がります

★このせmid2G#[かい]hiA[の] 希望も絶[望][も] (ラストサビ)


『The hole』(King Gnu)










 まず、『The hole』についてです。この楽曲は、2019年に4人組バンドKing Gnuによりリリースされたアルバム『Sympa』(シンパ)に収録されているナンバーです。アルバムのフィナーレを飾るバラード作品で、13曲中12曲目に収録されています。
 『The hole』はKing GnuのYouTube公式チャンネルでMVが公開されており、2019年8月現在、約680万回もの再生回数を記録しています。動画の公開が2019年5月ですので、短い期間で再生回数が伸びている人気の高い作品だと言えます。

 『The hole』のサウンドについてです。ピアノやストリングスを交えたバラード作品です。J-POPのバラードを意識して制作された作品だそうですが、ストリングスや歌メロディーの構成などはまさにJ-POPらしさが意識されていると思います。メロディー構成はAメロBメロサビ、Cメロを経て最後に転調のサビが展開されます(正確にはCメロの途中で転調がなされます)。

 一方で、メロディーそのものの特徴はやはりKing Gnuらしいドロドロ感や不安定さが演出されています。以前レビューした『Prayer X』でも取り上げましたが、この『The hole』でも楽曲の要所で半音の旋律が多く見られます。
 私自身はブログで「King Gnuを取り上げにくいなぁ」と感じる瞬間があるのですが、一つの理由がメロディーが半音移動する場面が多い点にあります。高音域部分の詳細が上述されています(mid2F#[あなた]mid2G#[に降]hiA[り注]hiB裏[ぐ]hiC#[の]hiD[な][ら]等)。その音階を色分けする際に、半音の移動が多いミュージシャンは必要となる着色も多いため、記述が少しゴチャゴチャしてしまします。
 やや愚痴のようになりましたが、こうした点こそが、King Gnuのメロディーの特徴の一つであります。J-POPらしさを考えて作った作品でありながら、全体として不安定さに満ち溢れたメロディーラインです。

 『The hole』はMr.Children、サザンオールスターズ、宇多田ヒカル、椎名林檎、RADWIMPSなどの楽曲を参考に作った作品だと言われていますが、参考にした点の一つは「転調な」のではないかと思います。ミスチルは特にイメージが強いですが、この『The hole』でも転調が行われています。ただ、ちゃんと聞いていないと、音楽の知識が少ない方は気付かないのではないかと思います。そうした点も含めて、非常に計算されて作られています。




 最後に『The hole』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3) ~【地声最高音】hiB(B4) 、【裏声最高音】hiD(D5)でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高いです。

 まず、地声最高音hiBについてです。『The hole』はCメロの後半で転調し、キーが1つ上がります。大体この辺りからhiBが登場します。hiBはある程度歌い慣れた男性であっても声が出ないことがあります。そうしたことから、原曲キーの場合は、歌う人を選ぶ楽曲です。

 このhiB部分を裏声で発声する方法も考えられますが、他にhiDの場面などで裏声が使われているので、サビのメリハリを付けるためにも、出来れば地声で歌いたいところです。

 一般的な音域の男性の場合は、キーを下げるのが無難だと思います。原曲キーから3程度下げると、かなり歌いやすくなると思います。その場合は、hiBの音階がmid2G#に設定されます。

 また、低音部を男性が歌い、高音部を女性が歌うというスタイルもありかもしれません。『The hole』では井口理さんがソロで歌われていますが、King Gnuの他の曲のように、高音部と低音部でボーカルを分けるのです。そうした試みも面白い選択肢なのではないかと思います。

『Flash!!!』(King Gnu)の音域と感想

 こんにちは。今回はKing Gnuの『Flash!!!』(2018)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『Flash!!!』(King Gnu)


【地声最低音】mid2A(A3)  

mid2A[ただ下り坂を猛スピー]ドで 駆け抜けるんmid2G[だ](Aメロ【verse】)



【地声最高音】hiA#(A#4)  

★まちmid2G[がい]mid2F[だ][らけ]mid2G#[の]hiA#[人][生][が](サビ【chorus】)



【補足】mid2F~mid2G#等(歌詞に無い部分も含む)

裏hiG[It's] 裏声hiC[Flash!!!](井口パートのキー)
★全てmid2F[は]冗談だって(Aメロ冒頭)
★思いのままに hiC[oh no] ブレーキは折れちまってんだ(井口パート】)
★no no mid2F[no] mid2G[no](Aメロの最後、歌詞表記に無い部分)
mid2G#[ひ]mid2G[か][り][を][み][うし]mid2F[なわ]せる tonight(サビ)
★さmid2F[か]mid2G[らっ]

『Flash!!!』(King Gnu)









 まず、『Flash!!!』についてです。この楽曲は2018年にKing Gnuにより発表された作品です。配信でリリースされ、またMVも公開されました。その後、2019年にリリースされたアルバム『Sympa』に収録されました。YouTube公式チャンネルで公開されたMVは2019年7月現在、約600万回もの再生回数を記録しています。

 『Flash!!!』のアレンジについてです。アッパーなバンドサウンドで、アルバムの中でも非常に攻撃的で元気のよい作品です。個人的には間奏のギターソロが耳に残りました。私自身、最近はギターソロが目立つ楽曲をあまり聴いていなかったということもあると思います。また、全体が疾走感のある演奏でありながら、どこか不気味さを感じさせる低音部のフレーズも面白いです。
 歌メロディーについてですが、洋楽のポップソングでよく見られるようなメロディーの構成になっています。日本で言うところのAメロ、サビという構成とも言えるのですが、構造的には洋楽などでよく見られるverse(ヴァース)、chorus(コーラス)に近いと思います。洋楽を聴き慣れている人はしっくりくるかもしれませんが、J-POPらしいメロディーが好きな方は「サビが1か所しかない」と感じられるかもしれません。ただ、演奏時間も3分弱で密度が濃く、私としては好きな楽曲です。




 さて、いつもであれば『Flash!!!』の音域についてですが、まず音域の表記について補足します。
 
 King Gnuはボーカルの常田さん(低音~中高音パート)と井口さん(中高音~超高音パート)が入り乱れるように歌唱されています。こうしたスタイルだと当ブログのような音域を図で表記するのが非常に難しくなります。今回の『Flash!!!』では上記の図の音域がかなり狭く表記されています。これは、「大体この音域(mid2A~hiA#)が歌えればカラオケなどで満足いく表現が出来る」という意味で記述しています。
 原曲では井口さんが象徴的なフレーズである【裏hiG[It's] 裏声hiC[Flash!!!]】をhiG等の音階で歌唱されています。この場面についてですが、1オクターブ下のmid2G等で歌唱しても問題ないと思います。もちろん原曲のニュアンスは減退しますが、一人で歌う際、またエレキギターを弾きながら歌う際などは1オクターブ下を歌っても良いのではないかと思います。『白日』など井口さんの高音が重要な役割を占める楽曲でこれを行うと違和感が大きいですが、『Flash!!!』では違和感が少ないと思います。もちろん、裏声が、得意な方は井口さんと同じ音階で歌うのはアリです。



 さて、それらを踏まえた上で『Flash!!!』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3) ~【地声最高音】hiA#(A#4) でメロディーが構成されております。これに、「It's Flash!!!」を井口さんと同じく裏声を再現すると【裏声最高音】hiGも加わります。裏声の部分を除けば、一般的な男性の音階よりやや高いです。ちなみに低音の常田さんはmid2A~mid2Gを歌唱しています(主旋律のみ分析)。

 原曲キーで歌う際は、サビでhiA#という音階が登場します。サビでは高音パートの井口さんが主旋律を歌唱されていますが、この音階は一般的な音域の男性の場合は少し辛いです。当ブログで取り上げるミュージシャンであれば、back numberやサカナクション、Mr.Children、スピッツなどの楽曲(難曲は除く)が歌いこなせる人はメドが付きやすいと思います。高音部分が得意な友人にサビを歌ってもらうという作戦もアリだと思いますが、それでもmid2G等までは確実に歌いこなしたいです。

 『Flash!!!』は地声部分の音域は約1オクターブであまり広くなく、また低音部分について余裕があります。サビの高音部分が辛い方は、キーを2~3程度下げても良いです。そうしたキー調整を行う場合においてもmid2F,mid2Gといった音階を確実に歌いこなせるように練習を重ねてください。

 メロディーも軽快でKing Gnuの作品の中では手を付けやすい楽曲なのではないかと思います。一方で、常田さんの男らしい声色を再現するのは、努力が必要になるかもしれません。カラオケなどで歌うと盛り上がりやすい楽曲ですし、歌いこなせるとかっこいいと思います。

 

『Prayer X』(King Gnu)の音域と感想

こんにちは。今回はKing Gnuの『Prayer X』(2018)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。

『Prayer X』(King Gnu)

【地声最低音】mid1C#(C#3)  

★生まれ落ちた その時には[泣]き喚いていた(Aメロ)
★抜いたその瞬間 し1C#[ぶ]きを[上]げて [な]みだが噴き出すでしょう?


【最高音】hiD#(D#5)  

mid2G#[一]mid2F[体]hiB[全]hiA#[体] [何を]hiC#[信][じ][れ][ば]hiD#[いい?]



【補足】

★溢hiB[れ]hiA#[出し][た]mid2F#[なみ]だのように
★ひとと2F#[き]mid2G#[き]mid2F[ら]hiB[め]hiA#[く][命][な]らば


『Prayer X』(King Gnu)










 まず、『Prayer X』についてです。この楽曲は2018年にKing Gnuがリリースしたシングル作品です。このシングル曲はTVアニメ『BANANA FISH』のエンディング・テーマとして書き下ろされた作品です。『Prayer X』はその後、2019年にリリースされたアルバム『Sympa』に収録されています。

 さて、『Prayer X』のサウンドについてです。全体として非常におどろおどろしさを感じる楽曲です。サビからメロディーが始まり、イントロ、Aメロ、サビで構成される楽曲です。イントロの旋律が非常に印象的です。
 楽曲のおどろおどろしさ・奇妙さの要因の一つとして、メロディーの半音があるように感じます。具体的には書きませんが、人は半音(ピアノなど鍵盤の隣同士の音階)による旋律が続くと、不安に感じたり不気味に感じたりする習性があります。例えば、映画音楽やゲーム音楽などでも、そうした表現が用いられることが多いのです。例として、映画『ジョーズ』の動画を添付しておきます(0:50~)。

映画『ジョーズ』では半音が繰り返されるメロディーが続く。


 『Prayer X』の歌詞についてです。今日を生きることに精いっぱいで、信じられるものがない主人公の姿が描かれます。痛みを抱え、他者に対する不信、重ねられる嘘など、殺伐とした雰囲気が描き出されています。タイトルの『Prayer』とは「祈る人」を意味します。スポーツなどで使われる『Player』とは違います。
 MVではピアニストを信仰している信者の姿が映し出されます。ピアニストは金のために楽曲を制作させられ、制作した音楽は信者に絶賛されていますが、どこか空虚さを感じているようです。こうしたMVの姿も歌詞の世界とリンクしているようにも思えます。





 さて、『Prayer X』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C#(C#3) ~【最高音】hiD#(D#5)でメロディーが構成されております。

 主旋律のボーカルを担当する井口理さんの声質もあり、どこまでが地声か判別しづらいので、地声裏声の区別は今回はしていません。ただ、最高音hiD#,hiC#あたりは裏声で発声されております。個人的にはhiB辺りの判別が少し難しく感じました。

 『Prayer X』を歌唱する際は、裏声に慣れておく必要があります。裏声は一般の人であっても慣れるとかなり高音まで出せると思います。地声についてですが、私としては、hiB辺りは地声での発声だと考えております(裏声で歌われている部分もある)。故に、高音域が得意な人の方がやはり有利だと思います。
 ただ、『Prayer X』に関しては、上手く発声できるのであれば、やや裏声気味であっても格好がつくように思えます。mid2G#辺りまでを地声で歌い、hiA#以上を裏声で歌うというやり方でも原曲のニュアンスに近い再現が出来るのではないでしょうか。その辺は各々試してみると良いと思います。

 先にも述べましたが、『Prayer X』は不気味さ、おどろおどろしさを感じさせる楽曲であり、必ずしもカラオケなどで歌いやすい作品ではないと思います。ただ、歌いこなせるのであれば、非常にカッコイイ作品です。
管理人プロフィール

もりっしー

北九州市近郊に在住するギター初心者。

「気になる歌の音域データ、感想」を述べていくブログです。

【好きなもの】音楽(特に80年代~のポストパンク、邦楽ロック)/漫画/地理/炭酸飲料

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