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『夢追いベンガル』(あいみょん)の音域と感想

こんにちは。今回はあいみょんさんの『夢追いベンガル』(2019)を取り上げたいと思います。この楽曲は、2019年の2月に発売されたアルバム『瞬間的シックスセンス』に収録されています。よろしくお願いします。
 
 あいみょんさんは過去に
『マリーゴールド』『今夜はこのまま』『愛を伝えたいだとか』『君はロックを聴かない』『満月の夜なら』『ふたりの世界』『○○ちゃん』、『ナウなヤングにバカウケするのは当たり前だのクラッ歌』『恋をしたから』『プレゼント』を取り上げています。興味を持たれた方はどうぞ。

『夢追いベンガル』(あいみょん)Yumeoi Bengal(Aimyon)




【地声最低音】mid1G(G3)

★裏(ら)切ったはずのあいつが笑ってて 裏(ら)切られた自分がこんなに不幸だ
★あ んて 無様で皮肉なんだ
りったけの水をちょうだい


【地声最高音】hiC(C5)

★エ今(らない hiB(B4)
★平成うまれのカリスマが 溢れる世の中についてあい 


【フェイク】hiD(D5) 

★デジタルも流行りもいらないよ エロも今はいらない イェイ イェイ


『夢追いベンガル』(あいみょん)
















 さて、この『夢追いベンガル』ですが、あいみょんさんも言及されているとおり、andymoriの影響を受けております。楽曲ももちろんですが、『夢追いベンガル』というタイトルは、andymoriの代表曲の一つである『ベンガルトラとウイスキー』という楽曲から拝借したものであると考えられます。


 
 他のミュージシャンから影響を受けることは「パクリ」だとか「オリジナリティが無い」だとか言われることがあります。しかし、芸術というものは基本的に、先人の模倣から始まります。映画が大ヒットした伝説のロックバンドQueenも初期の頃は「レッド・ツェッペリンのパクリだ」と言われました。逆に「私は誰の影響もうけない」と拒んで自分らしさを追求しても、自然と過去の影響を受けてしまうことがほとんどなのです。
 ミュージシャンの坂本龍一さんも作曲の95%は、過去の遺産を糧にしています。作曲家自身の“発明”は、せいぜい1、2%程度で、最大でも5%といったところ。作曲の大部分は過去の作品の引用ですhttp://openers.jp/article/4368」と仰っています。ミュージシャンはそうした過去からの積み重ねを経て、少しずつ自分のオリジナリティを付加していきます。

 当然、あいみょんさんもandymoriも過去の多くのミュージシャンから多くの影響を受けています。『夢追いベンガル』では「ベンガルを味方にいざ行こう」というフレーズがあります。このベンガルとは様々な意味が含まれていると思います。①「ベンガル猫」の軽やかさもそうですし、②「ベンガルトラ」のような勇ましさもそうでしょう。そして、③「あいみょん自身が影響を受けた音楽」という意味もあるのではないでしょうか。「好きだった音楽を味方に付けて、自分も夢を叶えたい」という想いが伝わってきます。

 
 『夢追いベンガル』についてですが、「人生に上手く行かない、貯金もすぐに残高が減ってしまう。周りにも馬鹿にされるけど、それでも自分は夢を追っていく」という決意表明があいみょんらしさを交えて表現されていると思います。個人的に面白いと思った歌詞は

「平成うまれのカリスマが 溢れる世の中についてけない」
 
というフレーズです。

 あいみょんさん自身は音楽的ルーツもそうですが、映画やその他の芸術の面でもどちらかというと90年代以前に活躍した芸術家の影響を受けています(ちなみに、andymoriのメンバーは昭和生まれで、バンドが活躍したのは2000年代末以降です)。ただ、この歌詞はそれだけではないと思います。
 近年のITの高度な発達により、情報交流も盛んになり、表現活動も容易になりました。結果、若くして多く支持を集めるカリスマが生まれやすくなりました。そして、そうした情報が、興味がある無しに関わらず、次から次へとスマホ画面に流れてきます。あいみょんさん位の年齢だと、まさにそういうデジタル社会による変化が直撃した世代だと思います。そうした「情報過多」「デジタル疲れ」といった側面も表現していると思います。
 ちなみに昔は自分の興味のある情報を集めること自体が大変な時代でした。一方で、自分が全く興味のない情報に触れることもあまりなかったと言えるかもしれません。ただ、個人的にはやはり、様々な情報に溢れた今の時代はいい時代であるように思えます。
 
 
 さて、『夢追いベンガル』の音域についてですが、地声最低音mid1G(G3)~地声最高音hiC(C5)~フェイクhiD#(D#5)となっています。高音が辛い方はフェイクの「イェイイェイ」は無理に出さなくてもいいと思います。
 それを考慮すればよりも半音キーが低いです。難所は「エロも今はいらない」のところですが、あいみょんさんの楽曲では歌いやすい部類だと思います(音域的に)。

 ただ、この楽曲は「節回しが速く、リズムも取りにくい」と思いますので、歌詞とリズムをある程度を覚えておく必要があります。

 この楽曲は詞の内容やリズム感などを考えると、男性でも合いやすい楽曲だと思います。キーを3つか4つ下げて(♭3~♭4)と良いです。

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コメント

  1. Kaz Sakamoto より:

    かなり前の記事ですが、hiB#はhiCと同じではないですか?

  2. もりっしー(ブログ管理人) より:

    >>1
    すみません。これ表記ミスです。hiB#⇒hiBですね。
    修正しておきました。
    初期の記事は加筆する予定で、再調査なども終わっているのですが
    なかなか更新できずにいます。少しずつ頑張ります。