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『Stand By You』(Official髭男dism)の音域と感想

こんにちは。今回はOfficial髭男dismの『Stand By You』(2018)を取り上げたいと思います。

 今回の投稿は本来、昨日(2019/07/11)にアップロードする予定でしたが、不覚にも風邪をこじらせてしまい、一日遅れることになりました。楽しみにしていた方には申し訳なく感じております。このブログを読まれている方も、風邪や熱中症などにはくれぐれもお気を付けください。では、よろしくお願いします。


『Stand By You』(Official髭男dism)、Official Hige Dandyism


【地声最低音】mid1F(F3) ※1番Bメロ

★色あせmid2F[な]いふめ[つ]mid2F#[の][日]々を重ねてmid1F[あ]るきたい


【地声最高音】hiE(E5)  ※Cメロで1回

★たとm2F[え][く]m2G#[ら 遠くは]hiE[な]hiD#[れ]hiC#[た場所]hiA#[へ][行][こう][とも]



【裏声最高音】hiD(D5) ※転調後(+1)のサビで1回

hiA[Oh] mid2G[Oh]m2F#[Oh] 眠ら[ない街の喧]hiD裏[騒][を抜][け][出し][て] hiB[Ye-][-ah]


【補足】mid2FhiBの注意箇所

★完成形mid2F[を]口に[出す]とシラけてしまい[そう]だか[ら](Aメロ)
★音でかき消そう 無駄なもんを 気にしないでふざけ合いmid2G#[た]mid2F[い]
★どんなにすmid2F[ご]い本や映画[よ]り(Bメロ)
☆S-[-tand]m2F# m2F[B-]-y You いつもS-[-tand]F# m2F#[B-]-y You(通常サビ)
★変わるはずmid2F[が]mid2G#[ない][よ][な? yeah] hiA[oh](Cメロ)

hiB[Stand] hiA[B-]-y You いつもS-[-tand]mid2G mid2F#[B-]-y You(転調後サビ)
★涙のhiA[ター]mid2G[ミ]mid2F#[ナル] [Uh] [Uh] 並[ん][で]hiB[立っ]A[て][い]
★光あmid2F#[ふ]れた夢の続[き]hiA[は]君と[と]もに

※アウトロのフェイクでhiDの裏声が登場します。
『Stand By You』(Official髭男dism)









 まず、『Stand By You』についてです。この楽曲は2018年にOfficial髭男dismによりリリースされた作品です。EP盤のリード曲としてリリースされました。同EP盤に収録されている2曲目の『FIRE GROUND』には原作が週刊少年ジャンプで連載されているアニメ「火ノ丸相撲」のオープニングテーマとしてのタイアップが付いています。しかし、リード曲の『Stand By You』についてはノンタイアップのようです。
 『Stand By You』はヒゲダンのYouTube公式チャンネルでもMVが公開されており、2019年7月現在、1000万回以上の再生回数を記録しています。ヒゲダンの作品の中でも人気の高い楽曲の一つだと思います。

 『Stand By You』のサウンドについてです。ヒゲダンらしいピアノを交えたポップなバンド曲です。ダンサブルなアレンジ・歌メロディーであり、歌詞の多くが韻を踏んでおります。口ずさむと非常に心地よいです。個人的に面白いと思った場面は、2番サビの「息を切らしていく」のフレーズの直後に、ボーカルが「ハッ、ハッ」と息を切らしたようなブレスを入れている点です。小技が効いています。
 歌メロディーについては【Aメロ、Bメロ、サビ】で1コーラス、2番の後にCメロが入り大サビで転調するというJ-POPらしい構成であります。ただ、そうしたJ-POPらしさの中にもヒゲダンらしいオシャレさや軽快さを感じます。こうしたメロディーの構成だと演奏時間が5分を超えることも頻繁ですが、4分ちょっとでまとまっていることに驚きます。密度の濃さを感じます。

 ちなみに歌メロディーについてはCメロでhiE(E5)といった音階が地声で登場します。地声でのこうした音階は男性ボーカルの場合は、一般的にハードロックやメタルなどで特に多い印象です(私自身がダンスミュージックなどに造詣が深くないということもあると思います)。ヒゲダンのボーカルの藤原聡さんがメタル好きであるということも関係しているのかもしれません。





 さて、最後に『Stand By You』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3) ~【地声最高音】hiE(E5)、【裏声最高音】hiD(D5)でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりもかなり高めです。

 まず、気になるのが以下の地声最高音のhiEの場面です。

mid2G#[遠くは]hiE[な]hiD#[れ]hiC#[た場所]hiA#[へ][行][こう][とも]

私はまず、ここが地声か裏声かで迷いましたが、公式のアコースティックバージョンの動画も参考にした結果、明確に地声だと考えました。ただ、この音階hiEを一般的な男性が地声で歌うのは非常に困難を伴います。また、ボーカルの藤原さんもファルセットのニュアンスで歌唱されている場面もあります。よって、このhiEの場面はファルセットで歌ってもニュアンスはあまり壊れないと思います。

 ただ、hiEをファルセットで対応するにしても、その他のhiC#等の場面は地声で歌えた方が良いです。そうした意味ではやはり難易度はかなり高いです。ニュアンスが少し崩れますが、このフレーズは全てファルセットまとめるというのもアリだとは思います。楽曲全体で1箇所ですので、後者で無難にまとめるのも選択肢としてあり得るのではないでしょうか。まとめると以下の2点になります。

①hiEは裏声で良いが、hiC#は地声で歌えた方が原曲のニュアンスが残る
②ニュアンスが少し崩れるが、無難に裏声でまとめても良い




 さて、その他の場面についてです。その他の場面では地声でhiBが一番高い音階です。転調後のサビで登場します。hiBは一般的には男性でかなり高い音階です。ただ、hiEを地声で出すよりは圧倒的に楽だと思います。たとえば、サカナクション、スピッツ、ミスチル、ゆずなどでhiB以上がサビに登場する楽曲があります。そうした楽曲が歌いこなせる場合、この『Stand By You』を原曲キーで歌うことが視野に入ってくると思います。


 とはいえ、hiB辺りを地声で歌うのもかなり大変なことです。一番無難な選択肢は原曲キーを下げることです。Cメロのエグイ場面は裏声でまとめることを前提として、原曲よりも3つ程度キーを下げると転調後のサビはmid2G#に設定されます。CメロのhiEはhiC#に下がります。一般的な男性の場合は、まずはこちらの方を選択した方が良いと思います。時間をかけて行く中で、少しずつ高いキーも出るようになるかもしれません。

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コメント

  1. 匿名 より:

    最高音ってHiEなのですか?コード的にだとミではなくファのHiFが正しい気がするのですが

  2. もりっしー(管理人) より:

    >>1
    hiEですね。
    コード理論については私自身勉強中の身なのですが
    ヒゲダンの楽曲の特徴としては、コードやキーから半音階ずれたようなメロディーを入れることが多いです。
    シンガーソングライターのaikoさんもそうした傾向があります。

  3. 匿名 より:

    >>2
    そうなのですね!ご丁寧に教えていただきありがとうございます。でしゃばってすみません

  4. もりっしー(管理人) より:

    >>3
    いえ。疑問に思ったことなど聞いていただけると
    こちらも勉強になります。
    私自身もヒゲダンの別の曲で「この曲、半音低くないか?」と
    感じたことがあったのです。
    同じように考えていた人がいたことが分かって嬉しいです。
    また、何かありましたらコメントください。
    リクエストも可能な限り、受付いたします。
    コメントありがとうございます。

  5. 匿名 より:

    Bメロの「Uh Uh」のところが間違っている気がします

  6. もりっしー(管理人) より:

    >>5
    「涙のターミナル Uh Uh 並んで立っている」の部分ですか?

  7. ひげだん より:

    転調前のstand by youの「タ」の音程は何かわかりますか??
    転調後がhiBということはhiA#になるのでしょうか?

  8. もりっしー(管理人) より:

    >>7
    ターミナルの「タ」でしょうか?転調後はhiBではなく、hiAですので
    転調前だと、mid2G#(hiA♭)です。

  9. ひげだん より:

    >>8
    すいませんえっと、「スタンドバイユー」の「タ」の部分です
    hiA#もあるように聞こえないので
    わかりづらくてすいませんでした

  10. もりっしー(管理人) より:

    >>9
    把握しました。
    こちらこそ、的を射なくてすみませんでした。
    まず、ラストの転調サビの冒頭【hiB[Stand] hiA[B-]-y You】は
    このラストサビ場面だけに用いられている特別なメロディーなのです。
    キーが上がってるだけじゃなく、通常のサビには出てこないメロディーです。
    一方、通常のサビと同じメロディーのところは、そのあとに続く
    【いつもS-[-tand]mid2G mid2F#[B-]-y You】の場面ですね。
    ラストサビということでキーが1つ上がってます。
    よって、通常サビは1つキーの低い【S-[-tand]mid2F# mid2F[B-]-y You】
    となります。「タ」の部分はmid2F#になります。
    分かりにくい場合はまたお伝えください。

  11. ひげだん より:

    >>10
    わかりやすい説明ありがとうございます
    これからもよろしくお願いします

  12. もりっしー(管理人) より:

    >>11
    こちらこそ、説明不足な部分がありました。
    通常サビの【Stand by you】の音程も
    記事に記載しました。コメント頂き感謝です。
    こちらこそ、宜しくお願い致します。

  13. より:

    >>4
    だいぶ前のコメントに失礼します。ご存知かと思いますが楽曲では非和声音(コードに属さない音)を使う場面もあり、その部分ではおそらく経過音というものが使われてると思います。

  14. もりっしー(ブログ管理人) より:

    >>13
    古い投稿でもちゃんと届きますので、大丈夫です。
    詳しいコメントありがとうございます。
    経過音ですか。私自身は用語などに疎いので、非常にためになります。
    このコードから外れた音が時々入るアレンジは私もすごく好きです。

  15. きなこ より:

    ライブ版でE5の所でF5出てるってネットでよく見るんですけど実際出てるんですかね?

    • もりっしー より:

      きなこさん、コメントありがとうございます。
      YouTubeで動画を確認しましたが、確かにライブ版では
      F5になることもあるようです。

      ちなみに、CDでもリリースされてるヒゲダンのLive版では
      E5になってました(こっちが原曲と同じです)。
      この辺りは女性でも結構きついので、藤原さんでも曲全体で1回程度ですね。

      • きなこ より:

        ありがとうございます!F5出てるんですね、男性でここまで出せるさとっちゃんとんでもないですね…