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『103 feat. motoki ohmori』(KERENMI)の音域

 こんにちは。今回は音楽プロデューサー蔦谷好位置さんのプロジェクトKERENMIの『103 feat. motoki ohmori』(2020)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。当ブログでKERENMIの作品について取り上げるのは、『ROOFTOPS feat.藤原聡 (Official髭男dism)』(過去記事)以来2回目になります。


『103 feat. motoki ohmori』(KERENMI)
『103 feat. motoki ohmori』(KERENMI)の音域







【地声最低音】mid1A#(A#3) ※全体でみると、mid1D#が多い

m1D#[い]ろの無い空が包む今日が 僕は[や]けに[好]きだっ[た]りする【Aメロ】
★わかってくm1D#[れ]ているm1A#[気]さえもD#[す]
★よく出来た人の道ね」m1D#[と] 「よく出来た皮肉な[はなし]ね」[と]【Bメロ】

★2人の詰められぬ距離 臆病な僕m1D#[ら]全て越えよう【サビ冒頭】

m1D#[傷]つけあっm2F[た]り許しあえたり   世界も僕らもm1D#[い]っしょ[だろ]【2番Aメロ】


【地声最高音】mid2G#(G#4)  ※サビを中心に登場

★見m2F[た]m2G#m2G[こ]と][な]い聴[い]G#G[た]こ][と]もない【サビ】
★あなm2F[た]m2Gm2G#[と[い][み]合][え]てる【アウトロ】

※上記と同じメロが曲全体で6回程度登場します。

【裏声最高音】hiC#(C#5) ※アウトロで多い

★その世界は 素晴らしm2G#[く]hiA#hiC#[か[が]や][い]【アウトロ】


【補足】mid2F辺りを含むフレーズ一覧

m1D#[手を]m2F[ば]そうか迷うぼくを置き去りにしようとする[ぅぅ]【Aメロ】
★一人で彷徨ったつもりがあm2F裏[な]たと居る【Bメロ】

※添付動画の4:03辺りに登場するフェイクはhiGです。

 まず、『103 feat. motoki ohmori』(イチマルサンフィーチャリングモトキオオモリ)についてです。この楽曲は、2020年に音楽プロデューサー蔦谷好位置さんのソロプロジェクトKERENMI(ケレンミ)によりリリースされたアルバム『1』に収められております。
 同アルバムでは、藤原聡さん (Official髭男dism)、Charaさん、奇妙礼太郎さん、大比良瑞希さんといった面々が参加しております。オルタナティブR&B、ヒップホップなども包含した作品ととなっております。蔦谷さん自身が、アーティストに対して、「“こういう曲が合うんじゃないか?」、「こういう曲もやってみたら」という提案の意味も込めているそうです。

 蔦谷好位置(つたやこういち)さんは、ロックバンドCANNABISのキーボードとして活躍したのち、作曲家、音楽プロデューサーとして活躍するようになります。2005年に、YUKIさんの『JOY』への提供をきっかけに広く知られるようになり、Superfly、ゆず、JUJU、米津玄師さん、back numberなどの作曲編曲に携わりました。日本を代表する音楽プロデューサーの1人です。私自身は、最近では、当ブログでも取り上げたOmoinotakeの『EVERBLUE』(過去記事)が 印象深かったです。


 さて、『103 feat. motoki ohmori』はタイトルにもあるように、Mrs. GREEN APPLEのフロントマンとして活躍されている大森元貴さんをゲストに迎えて制作されました。作曲編曲は蔦谷好位置さんによりなされておりますが、2番Bメロやアウトロのコーラスパートなどは大森元貴さんが提案したそうです(引用元)。
 歌メロについてはAメロBメロサビという形を踏襲しております。ただ、2番以降は同じような形の中にも変化が加えられており、2番サビとラストサビが重複したような形でラストに向かいます。ラストサビの後にアウトロでメロが加えられているため、1回分サビが少なくても厚みがあり、密度が濃い楽曲なっているのではないかと思います。私自身は、サビのメロディーなどはどことなく、米津玄師さんが歌唱しても合いそうな気がしました(蔦谷さんは『LOSER』、『アイネクライネ』などで米津さんの作品の共同編曲を担当しております)。
 ちなみに、タイトルの『103』(イチマルサン)というのは、ミセスの大森元貴さんが考えたそうであります。大森さんが放映時間が103分の映画を見て、壮大な気持ちになり、タイトルにしたいと思ったそうです(引用元)。同曲も『ROOFTOPS feat.藤原聡 (Official髭男dism)』(過去記事)同様に、AbemaTVで放送されている『月とオオカミちゃんには騙されない』の挿入歌に起用されました。


 『103』の声域的な特徴についてです。同曲は、一般的な男性の声域の範囲内、もしくはやや高いレンジで歌メロが作られております。よって、人によってはキーを少し下げてもよいと思います。また、アウトロなどでは裏声が多く用いられており、この辺りは、ミセスっぽさを感じさせられます。ミセスの人気曲などと比べるとそこまでキーが高くないですので、個人的にはお奨めしやすい作品だと感じました(レンジとしてはミセスの『春愁』(過去記事)辺りと近いです)。



 最後に『103 feat. motoki ohmori』の音域についてですが、【地声最低音】mid1A#(A#3)~【地声最高音】mid2G#(G#4)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内、もしくは若干高いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1A#についてはAメロで登場します。このmid1A#については、かなりはっきりと聞き取れますが、低音が得意でない方などはあまりこだわらなくてもよいのではないか私は考えました。低音域の1つの基準として、mid1D#辺りを置いてもよいと思います。
 このmid1D#辺りは男性だと比較的歌唱可能なレンジになります。ただ、登場回数が多いため、低音が苦手な男性などは少し歌いにくく感じられるかもしれません。また、女性だと相当低いレンジになります。女性や高音域が得意な男性や、キーを上げることを選択肢に入れてもよいと思います。

 一方、地声最高音mid2G#についてはサビを中心に登場します。登場する場面は6回程度(1場面で2回登場しますので、回数としては12回とも数えられます)です。このmid2G#辺りは歌い慣れた男性であってもスムーズな発声が損なわれることがあります。登場回数も多いため、場合によってはキーを下げてください。目安として、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください(♭1~2)。

 『103』は低音部分に若干余裕があり、キー下げなどは可能です。歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに合わせることができると思います。ただ、同曲はmid1D#辺りの登場回数が多いため、高音域が苦手なビギナーの方などは、キー調整を行っても歌いにくい部分が出てくるかもしれません。その辺りは留意しておいてください。また、「低音域は曖昧でもいいから、高音部分は頑張って歌う」というように、場面ごとに練習の強弱をつけてもよいと思います。

 『103』を原曲キーで歌唱する場合mid2F~mid2G#辺りの中高音域がしっかり歌いこなせる力が求められます。この辺りが安定してくると、カラオケなどで歌える曲が増えてきます。一つの目安ですが、米津玄師さん、RADWIMPS、BUMP OF CHICKEN辺りが原曲キーで歌える人は、候補に入りやすいと思います。
 逆に、「ミセスの人気曲が非常に得意で、普段から原曲キーでよく歌っている」という方は若干低く感じられるかもしれません。先にも述べたように、女性や高音域が非常に得意な男性はキーを上げた方が歌いやすいと思います。 

 『103』はMrs. GREEN APPLEの曲と比べるとR&Bなどのニュアンスが強いですが、カラオケなどでも歌いやすいと思います。私自身、サウンドワークや歌詞なども含めて、ミセスの作品とも遜色のないよい曲だと感じました。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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コメント

  1. 一途な人 より:

    King Gnuの最新曲「一途」を調査して欲しいです。よろしければEve &ヨルシカの「宇宙の季節」もお願いします。

    • もりっしー より:

      リストアップしておきます。
      この曲、コーラスの部分の調査が大変かもしれませんが
      一視聴者として聴く分には凄くカッコいいですよね。

      ヨルシカ&Eveの方は既に調査を終えております。
      男女のデュエット曲ですので作成に時間がかかっているのですが
      近々アップできると思います。

  2. やま より:

    リクエストに答えていただきありがとうございました!!この曲めっちゃ好きなんです!ホントに感謝です、、もう言葉にならないくらいこの曲の雰囲気が大好きです。

    • もりっしー より:

      コメントありがとうございます。

      この曲、良いですよね。ミセスの曲と遜色がないと思います。
      以前よりリクエスト頂いていたのですが、
      大森さんのソロ曲やミセスの方のリクエストも多くて
      なかなか記事に出来ずに、ようやく出せたという感じです。
      喜んでいただけて光栄です。
      カラオケなどでもお奨めしたいです。