こんにちは。今回は小沢健二さんの『ぼくらが旅に出る理由 (Single Edit)』(1996)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『ぼくらが旅に出る理由 (Single Edit)』(小沢健二),Bokura ga Tabi ni Deru Riyuu(Kenji Ozawa)


【地声最低音】mid1B(B2)  

[こ]ころがわりは何かのせい?(Aメロ)


【地声最高音】mid2E(E4)  

★遠mid2E[く]mid2D#[ま][で][び][す][る]恋人に(サビ)
★喜びと悲しみが時にmid2D#[た]m2E[ず][ね][る]



【補足】

★ぼくらの住むこの世界ではm2D#[た]いようがいつものぼり


『ぼくらが旅に出る理由 (Single Edit)』(小沢健二)










 まず、シンガーソングライターの小沢健二さんについて少し説明します。1989年、小沢健二さんは小山田圭吾さんらと結成していたフリッパーズ・ギターというバンドでプロデビューします。フリッパーズは「渋谷系」、「インディーポップ」などに分類されるような音楽に分類され、後のバンドやミュージシャンに大きな影響を与えました。1991年のバンド解散後、小沢さんはソロデビューし、「今夜はブギー・バック」などのヒットを飛ばしました。紅白歌合戦にも2度出場しています。

 さて、『ぼくらが旅に出る理由』についてです。この楽曲は1994年に小沢健二さんによりリリースされたアルバム『LIFE』の収録曲です。その後、ドラマ『将太の寿司』のタイアップが付き、シングル曲としてリカットされました。小沢健二さんの作品の中でも人気の高い楽曲の一つだと思います。アルバムでは7分を超える楽曲でしたが、シングルでは前奏や大サビがカットされ、5分程度の演奏時間に収まっています。音域的にはどちらも違いがありませんが、YouTube公式チャンネルではシングルバージョンが公開されていますので、そちらを中心に取り上げます。

 『ぼくらが旅に出る理由』のサウンドについてですが、ストリングやホーンアレンジなどが用いられたポップなアレンジになっております。イントロ、間奏はポール・サイモンの『You Can Call Me Al』、『Late in the Evening』から引用されています。小沢健二さんはフリッパーズ・ギター時代を含めて、洋楽のフレーズをサンプリングしたアレンジがしばしば行われています。私自身は未熟ゆえにすべてを理解しているわけではないですが、そうした他の楽曲にも造詣の深い方は一層楽しめる楽曲・および作品群であると思います。


Paul Simon - You Can Call Me Al (Official Video)



Paul Simon - Late in the Evening(01:48~)



 歌詞についてです。タイトル『ぼくらが旅に出る理由』とあるように「旅」がテーマとなっております。ただ、歌詞の中には「旅に出る理由」について具体的に書かれていません。そうした点がむしろ聴き手の想像を与えていると思います。
 具体的な目的を持って出かける人も居れば、何となく旅に出る人も居ると思います。自分を知る目的で旅に出る人も居るかもしれませんし、現実を離れるために旅に出る人も居るでしょう。そうした、様々な理由で旅に出ることを、この楽曲では非常に歓迎しています。楽曲に「旅に出かけた恋人」は登場しますが、決してラブソングではありません。J-POPで用いられるありふれた歌詞のテーマではないですが、非常に普遍性のある作品でもあると思います。そうした点が、この楽曲が今も時折カバーされる理由の一つでもあると思います。 
 



 さて、『ぼくらが旅に出る理由』の音域についてですが、【地声最低音】mid1B(B2) ~【地声最高音】mid2E(E4)でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内です。

 音域的には最高音がmid2Eと高くありません。普段あまり歌い慣れていない人であっても、カラオケなどである程度歌いこなすことが可能であるかもしれません。そうした意味で、難易度自体は高くない楽曲です(歌詞は確実に覚えておいてください)。高い音階が苦手な人でもお奨めしたい作品の一つです。ただ、努力しないよりはした方が絶対にいいです。キー自体は高くないですが、歌の練習はしておいた方が確実に成果に繋がります。

 一方で、高音域が得意な人にとっては、少し歌いにくい作品であるかもしれません。Mr.Childrenの櫻井和寿さんがBank Bandというチャリティーバンドでこの『ぼくらが旅に出る理由』をカバーしています。櫻井和寿さんは原曲キーより2つ高いキーで歌っております。地声最高音で言えば、mid2F#が最高音になります。高音域が得意な男性はこちらの方が合うと思います。