『燦燦』(三浦大知)、Sansan(Daichi Miura)
【地声最低音】mid1A#(A#3)
★白い花 揺れる波 m1D[と]お[く]m1C–m1A#[伸[び]て][い]く影に【1番Aメロ】
【地声最高音】hiA(A4) ※全体で4回
★m2F#–m2G#–hiA[ど[ん[な]日]々]も どんな意味も【2番・ラストサビ】
★降りm2F#[そ]そhiA–m2G#[ぐ]じゅ]ん[こ]う線
【補足】mid2E~mid2Gを含むフレーズ一覧
★手を鳴らして 歌うなみm2E[だ]も【1番Bメロ】
★届いて m2E[こ]の歌 あなたは いつE[も]と同じ[よ]うに【1番サビ】
★m2E-m2F–m2G[わ[ら[い]な]が]ら 言うのでしょう
★また会えたら話をしm2F#[よ]う【2番Bメロ[転調+2]】
★届いm2E[て] m2F#[こ]の]歌 あなたが し[んF#[じ]て]くれたF#[よ]うに]【2番・ラストサビ】
★m2E[だ]いじょうぶ [ほ]ら 見ていm2E[て]
まず、『燦燦』(さんさん)についてです。この楽曲は、2022年に男性歌手の三浦大知さんによりリリースされたシングル作品です。CDシングルとしては、昨年の『Backwards』(過去記事)以来であります。また、B面(2曲目)には、NHK「みんなのうた」でも放送された『深呼吸』が収録されました。この『深呼吸』も「みんなのうた」としてはオシャレであり、私自身凄く耳に残りました。
さて、『燦燦』はNHKの連続テレビ小説『ちむどんどん』のオープニングテーマとして書き下ろされました。同作は、沖縄の本土復帰50年を記念し、沖縄本島北部が舞台となっております。
三浦大知さん自身も沖縄県出身のアーティストであり、本作の作詞作曲に携わっております(作曲は UTAさんとの共作)。楽曲制作の際に、主題となる「沖縄」もそうですが、同時に三浦さんから祖母へ向けた歌詞内容となっており、そうした点も楽曲の世界観に一役買っているように感じました。個人的には、サビの【響いて この歌 あなたは 降り注ぐ順光線】という歌詞が特に印象に残りました。
『燦燦』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性曲としては(やや)高めのレンジで歌メロが作られております。そのため、通常は少しキーを下げた方が歌いやすそうです。
一方で、同曲は低音域もかなり低めであるため、キー下げなどはしにくいです。その点で、ビギナーなどには手を付けにくいいかもしれません。また、低音が低い分、女性などもアプローチしにくいといえます。
ちなみに、同曲は、転調が特徴的な作品でもあります。まず、1番A,Bメロ⇒サビで転調が行われキーが2つ上がります(F⇒G)が、2番Aメロでは転調が行われず、そのまま展開していき、2番サビでまた2つキーが上がります(G⇒A)。その点で、慣れていないと音程迷子になりやすいかもしれません。ただ、個人的には非常に好きな展開です。
最後に『燦燦』の音域についてですが、【地声最低音】mid1A#(A#3)~【地声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高めです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1A#は1番Aメロで登場します。この辺りは男性でもかなり低いレンジになりますので、低音域が苦手な男性などは歌いにくいかもしれません。また、女性にとっては相当に低いレンジですので、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。
次に、地声最高音hiAは2番とラストのサビで登場します。登場回数は4回程度です。この辺りは男性の音域としては高めであり、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから2つ程度下げてみてください。
『燦燦』は低音域が低く、キーを下げる余地が少ないです。キー下げが不可能というわけではないですが、キー下げにはあまり向かない曲ではないかと私は分析しました。キー調整をするにしても広い音域が得意な歌い慣れた人向けであるといえます。
個人的には、同曲はメロディーが良く、転調なども気持ちよいので、歌っていて楽しい曲です。そのため、音域が合う方には、強くお奨めしたい作品です。
『燦燦』を原曲キーで歌唱する場合、hiA,mid2G#などの高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。また、低音域もmid1A#辺りが登場するなど低いため、広いレンジが求められる作品です。サビではmid2E~mid2G辺りの中高音域が安定すると形になりやすそうです。
こうしたことから、原曲キーの場合、「標準より高め~ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーにマッチしやすそうです。メロディーが良いので、音域がある方には練習曲にお奨めです。
『燦燦』はバラード曲であり、ボーカルの良さが活きやすい楽曲です。ある程度高音域が得意な男性にとっては、非常に気持ちよく歌えるのではないかと思います。また、三浦さんの歌唱表現なども参考になりやすいです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。