『明日晴れるかな』(桑田佳祐)の音域

　まず、『明日晴れるかな』についてです。この楽曲は、２００７年にサザンオールスターズのボーカル＆ギター桑田佳祐さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、２０１２年のベストアルバムの『I LOVE YOU -now & forever-』に初収録されました。アルバムは８０万枚近いCDセールスを記録し、日本レコード協会よりトリプル・プラチナ認定がなされました。

　さて、『明日晴れるかな』はテレビドラマ『プロポーズ大作戦』の主題歌として書き下ろされました。楽曲の質も相まって、同曲は大きなヒットを記録。CDとしては３６万枚を売り上げ、年間７位のセールスとなりました。また、着うたやPC配信などでも多くのセールスを記録し、この年を代表する人気曲の1つとなりました。また、２０２３年にはストリーミングでも５０００万再生を記録し、ゴールド認定がなされており、長く愛される楽曲となっています。


　『明日晴れるかな』の音域的な特徴についてです。同曲は大よそ一般的な男性の音域の範囲内で歌メロが作られています。原キーがマッチする人も多いかもしれませんが、人によっては少しキーを下げるのもよいと思います。
　同曲は、ABメロは中低音中心、サビは中高音中心にメロが展開します。こうしたこともあり、音域は低音～高音まで広めです。ただ、今回はサビ等を中心にmid2F辺りがそれなりに多いため、やや中高音に寄ったメロであると私は分析しています。低音もmid1Cであり、そこまで低くはないため、どちらか言えば、中高音域が得意な男性の方がマッチしやすそうです。

　女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから４～５つ程度上げてみてください（高音域が得意な女性はもっと上げた方がいいかも）。今回は音域が広いため、その分力量が求められます。



　最後に『明日晴れるかな』の音域についてですが、【地声最低音】midC(C3)～【地声最高音】mid2G(G4)、【裏声最高音】hiA#(A#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内（どちらかといえば中高音寄り）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1CはAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。今回はmid1Dなども複数回見られるため、「高音域が非常に得意な男性」などは少しキーを上げてもよいかもしれません。

　次に、地声最高音mid2Gはラストサビで登場します。登場回数は１回です。このmid2Gに次ぐ地声高音としてはmidFがピークとなる場面が全体で１４回登場します。大よそ男性の音域の範囲内ですが、mid2Fの登場回数などを考慮すると、人によっては少しキーを下げてもよいかもしれません。その辺りは実際に歌唱して微調整を加えてください。


　『明日晴れるかな』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。一方、今回は音域がそれなりに広いため、歌い慣れてない人だと一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。その点は留意しておいてください。
　今回の楽曲はメロディー自体は比較的わかりやすいです。リズムもおおむね取りやすいと思いますが、サビの一部は少し難しそうなので、楽曲を聴き込んでおきたいです。全体的に歌のよさが活きやすいため、音域マッチするのであれば練習曲にもよいと思います。

　『明日晴れるかな』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E～mid2Gといった地声高音がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はサビおよびその周辺でそれらが登場します。一方、ABメロは中低音中心でmid1C～mid1F辺りが登場します。
　こうした点を考慮すると、「標準的(orやや高め)～高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。


【まとめ】

①ABメロは中低音中心、サビは中高音中心（音域は広め）
②原キーだと「標準的(orやや高め)～高音域が得意な男性」などに合いそう
③中高音が少し多いため、人によっては少しキーを下げてもよいかも
④メロがよく、カラオケや練習曲向き（歌のよさが活きやすい曲）
⑤サビの一部はリズムが取りにくそうなので、聴き込んでおきたい