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『もう恋なんてしない』( 槇原敬之 ) の 音域

 こんにちは。今回は槇原敬之さんの『もう恋なんてしない』(1992)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲です。


『もう恋なんてしない』(槇原敬之)
『もう恋なんてしない』(槇原敬之)の音域







【地声最低音】mid1C#(C#3) ※Aメロで登場

m1C#D#{こ]う]茶のC#D#[あ]り]かがわからない【Aメロ】
m1C#m1D#E[お]も]いきり]言えE1C#[た[の]に]


【地声最高音】hiA(A4) ※全体で8回

★左に少し とm2G#hiA[ま[ど]っ]てるF#[よ]【サビ】
★言m2G#hiA[わ[な][よ]ぜ]F#[た]


【裏声最高音】mid2G#(G#4) ※サビで登場

★いつもよりなm2E[がめ][いm2G#裏[い]【サビ】


【補足】mid2Emid2G#を含むフレーズ一覧

1E[き]みがいない2E[と] m2F#D#[な]ん]にも できないわけE[じゃ]ないと【Aメロ】
★ヤカンを火にかD#m2E[け[た]け]
m2Em2F#D#[一緒[に]い]るとき[は] [きゅ]うく[つ]に思える[けE[ど]【Bメロ】
m2Em2G#F#[さよな[ら]と] 言ったきF#[み]の] 気持ちは[わ]からないけど【サビ】

 まず、『もう恋なんてしない』についてです。この楽曲は、1992年に男性シンガーソングライターの槇原敬之さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年にリリースされたフルアルバム『君は僕の宝物』に初収録されました。同アルバムには、『もう恋なんてしない』の他、『冬がはじまるよ』(過去記事)、非シングルながら人気の高い『遠く遠く』といった楽曲が収められております。アルバムは、最終的に130万枚近いCDヒットを記録し、日本レコード協会よりミリオン認定がなされました。

 さて、『もう恋なんてしない』はドラマ『子供が寝たあとで』主題歌としてタイアップが付きました。槇原さんらしい切ないミドルナンバーである同曲は、約140万枚近いCDヒットになり、ミリオン認定がなされました。その後、配信サービスとしても着うたフルの部門で10万ダウンロードを記録。YouTubeでも7000万回近い再生回数を記録する等、長く愛されている楽曲です(2023年11月現在)

 2020年代に入り、同曲は、アーティストのCHOBO CURRYさんによりヒップホップ風にリアレンジされたものがTik Tokで知られるようになります。同曲は、『MAKIHARA DRILL』(槇原ドリル)としてYouTubeチャンネルでも発表されました。ヒップホップの「ドリル」というジャンルを組み合わせた独特な世界観が、30年以上の時を経て槇原さんの楽曲に新たな解釈を与えました。


 『もう恋なんてしない』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としては高めのレンジで歌うメロが作られております(体感的には明確に「高い」といってよいかも)。
 同曲は最低音がmid1C#であり、一部低音が際立つ場面があります。ただ、AメロBメロでもmid2D#~mid2F#といった場面が見られ、全体的に中高音域が多いです。槇原さんの歌唱力なども相まって、力量が求められる楽曲だと思います。

 ちなみに女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。同曲は、過去に杏里さんやJUJUさん、BENIさんといった歌手にカバーされております。こうしたカバー曲は原曲キーよりも2~4つ程度高いキー(#2~4)で歌われております。この辺りが1つの目安になると思います。音域が広いため、男女問わず力量が求められます。



 最後に『もう恋なんてしない』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C#(C#3)~【地声最高音】hiA(A4)、【裏声最高音】mid2G#(G#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高め(一部は明確に「高い」)です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1C#はAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内ですが、mid1D#とコンボになっており、人によってはやや低音を感じやすいです。「高音域が非常に得意な男性」などはキーを上げるのも選択肢です。

 次に、地声最高音hiAはサビで登場します。登場回数は全体で8回程度です。また、今回はAメロでもmid2E,mid2F#が登場します。そのため、全体として中高音寄りの楽曲だといえ、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから2つ程度下げてみてください。

 ※通常、当ブログでは最高音hiA程度の楽曲であれば、「一般的な男性にとって明確に【高い】」とすることは少ないです。ただ、今回は槇原さんようなクリアな発声で歌うには高音域が得意である必要があると考え、「一部は明確に高い」と表記しました


 『もう恋なんてしない』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意なレンジに調整することができると思います。一方、今回の楽曲は音域自体が広いので、ビギナーだと一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。
 同曲はメロが美しく、その点で覚えやすい楽曲です。その反面、音程やリズムの少しのミスが目立ちやすいですので、その点は留意しておいてください。音域が合うのであれば、練習曲にはおススメです。

 『もう恋なんてしない』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E~hiAといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はmid2E~mid2F#辺りが多いです。また、槇原さんのような優しい歌声で歌うには力み過ぎない適切な声量が求められます。
 こうしたことを踏まえると、「(ある程度)高音域が得意な男性」が原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。


【まとめ】

①低音はAメロで登場するが、全体でみると中高音寄り
②見た目の音域よりもキーが高い印象
③原キーだと「(ある程度)高音域が得意な男性」に合いそう
④メロは分かりやすい

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コメント

  1. 名無し より:

    何か微妙な流行り方してますけど、この曲の良さが注目されたのならそれはそれでいいのかなと個人的には思ったりしてます。

    音域の割に高いってのはわかります。サビは勿論なんですが、意外とメロも高いですよね。あとは記事でも説明されてますが槇原さんの声質でより高く聞こえるんですよね。

    • もりっしー より:

      コメントありがとうございます。
      なかなか独特ですよね。ただ、メロディーも歌詞もいいと思うので
      原曲そのものの良さはこれからも残り続けると思います。

      ABメロは結構高いですよね。あと、槇原さんが滑らかに歌ってるので
      そういう原曲の雰囲気を出すという意味でも高く感じやすいともいます。
      男性だとどうしても力を入れないと歌いにくいレンジですので。

      • 名無し より:

        先ほど霜降り明星のせいやさんが歌唱されている動画を視聴してきたのですが、逆にソウルフルな感じもいいんじゃないかと思えてきました。(これに関してはせいやさんが上手いだけなのかもしれませんが)

        • もりっしー より:

          私も拝見しました。
          せいやさんは高音域のがなりがいいですよね。
          「真夏の果実」もカバーしてますが、そっちだと特に映えますよね。
          澄んだ中高音域も美しいですが、
          がなる高音はロック系とかパンク系の曲も合う可能性がありますね。

  2. てと より:

    ゲレンデがとけるほど恋したい
    もう直ぐシーズンなのでお願いします。

    • もりっしー より:

      リストアップしておきます。
      広瀬香美さんは自選曲として別の曲も考えていたんですが
      てとさんのリクエスト曲を優先します。