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『涙くん、今日もおはようっ』( ano ) の 音域

こんにちは。今回はanoさんの『涙くん、今日もおはようっ』(2023)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『涙くん、今日もおはようっ』(ano)
『涙くん、今日もおはようっ』(ano)の音域






【地声最低音】mid2A#(A#3) ※ABメロで頻出

★きm2A#[み][ひ][り]にさせないhiA#m2G#[音]楽]があるから【Aメロ】
★あm2A#[た][は][ニ]ックm2G#[状]態 人混みの中で
m2A#[ノイ]ズ纏って[存]在をみせつけてやm2G#[る]
m2A#[だけど][全]むて[きじゃ]ないって 凹みまhiA#2G#[くっ]て]今日も【Bメロ】


【地声最高音】hiF#(F#5) ※ラストサビで1回

hiDB[い]ま] B[僕が]hiF#hiED[ぶ]から]ぁ]【ラストサビ[転調₊1]】


【補足】hiAhiDを含むフレーズ一覧

★必死にm2F#GhiA[叫んで[ぇぇ[ええ]【ラストサビ[転調直前]】
hiAhiB[そ[ら見]上げ]ればB[天]気が]ほら【ラストサビ[転調₊1]】
hiD地BA[雨]降りから]光]が差すよ
m2F#[朝5]時の[日が差]すよ なみ[だくhiA[ん]きょ]うもおはようっ

 まず、『涙くん、今日もおはようっ』についてです。この楽曲は、2023年に女性歌手のanoさんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同年12月にリリース予定のフルアルバム『猫猫吐吐』(読み:ニャンニャンオェー)に収録が見込まれております。同アルバムには、『AIDA』、『普変』、『スマイルあげない』、『ちゅ、多様性。』(過去記事)などのシングル曲が収められる予定です。

 さて、『涙くん、今日もおはようっ』はバンダイの電子ゲーム「たまごっち」シリーズ最新機種「Tamagotchi Uni」のCMソングとしてタイアップが付きました。また、同曲は作詞作曲を神聖かまってちゃんのフロントマンの子さんが担当されております(作詞はあのさんとの共同)。そうした点でも話題になりました。


 『涙くん、今日もおはようっ』はアッパーなデジタルポップです。全体的に親しみやすいメロディーで作られており、歌メロもAメロBメロサビと展開します。また、ラストサビでは転調が行われ、キーが1つ上がります。作詞はあのさんとの子さん、作曲はの子さん、編曲はTAKU INOUEさんによりなされました。
 ちなみに、同曲のタイトルは、1965年にリリースされた坂本九さんの楽曲『涙くんさよなら』のパロディになっております(作詞作曲は浜口庫之助)。2曲は全く異なるタイプの音楽ではありますが、両曲の「涙」のとらえ方について聞き比べてみるのもよいかもしれません。


 『涙くん、今日もおはようっ』の音域的な特徴についてです。同曲は女性の音域としてはやや高めレンジ(一部は明確に「高い」)で歌メロが作られております。個人差はありますが、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいのではないかと私は推測しております。
 同曲の中高音域としては、mid2G#~hiA#(転調後hiB)辺りが見られます。一方、地声最高音としてhiF#が登場しますが、hiD以上の音階が登場する場面は限定されます。そのため、私個人としては「声を強く張って、hiD~hiF#といった高音域を発声する練習」によい曲ではないかとも感じました。ただ、メロが速く息継ぎはしにくいので、その点は注意が必要です。

 ちなみに、男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。また、「高音域が非常に得意な男性」についても、私個人としては原キーは少し大変なのではないかと推測しております。今回はhiD以上の場面は少ないのですが、mid2G#~hiA#辺りは頻度が高いです。そのため、高音域が得意な男性であってもは負担になりやすいのではないかと推測しています



 最後に『涙くん、今日もおはようっ』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A#(A#3)~【地声最高音】hiF#(F#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、やや高め(一部は「かなり高い」)です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid2A#はAメロやBメロで登場します。この辺りは女性の音域の範囲内です。ただ、登場頻度が高いため、「高音域が非常に得意な女性」だと、若干低く感じられる可能性もあります。

 次に、地声最高音hiF#はラストサビで登場します。登場回数は1回のみです。このhiF#を除いた高音としてはhiFがピークとなる場面が全体で2回(1番2番のサビで1回ずつ)、hiDがラストサビで2回登場します。この辺りは女性曲の音域としては高いです。ただ、全体のメロの割合で考えるとhiD以上の場面は回数は少ないです。高音域としてはhiA#などが多く見られるため、これらを総合すると「標準よりやや高め」くらいではないかと推測しました。一つの目安ですが、一般的な音域の女性は原曲キーから1つ程度下げるとより歌いやすくなるのではないかと思います。


 『涙くん、今日もおはようっ』は低音域には余地があるため、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができると思います。一方、今回の楽曲は頻度こそ少ないものの「声を強く張って、高い音階を使いこなす」場面があります。そのため、ビギナーなどは少し歌いにくい部分が出てくるのではないかと推測されます。
 今回の楽曲はメロディー自体はかなり分かりやすいです。一方、歌メロのテンポ速いため、歌詞などはしっかり覚えておいた方がよさそうです。また、息継ぎもややしにくそうなので、どこでブレスを入れるかについても想定しておきたいです。

 『涙くん、今日もおはようっ』を原曲キーで歌唱する場合、hiA#~hiF#といった中高音域がしっかり歌いこなせる力が求められます。今回は、hiD以上が登場する場面は多くないですが、「声を強く張って高い声を出す」歌い方が不可欠になると思います(ロック系の曲に歌い慣れていると有利そう)。ラストサビではキーが1つ上がり、hiBやhiAの回数が多くなります。
 こうしたことを踏まえると、「標準よりやや高め~高音域が得意な女性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。

 ※今回の楽曲はhiF,hiF#といった女性としては高い音階が登場します。ただ、これらは各サビで1回ずつであり、登場する場面が限定されます。そのため、「声を強く張って、短い間(1~2小節程度)高い音を出す」という練習にはよいのではないかと私は分析しました。高音域が得意でない女性でも高い音を発声する感覚をつかみやすい曲かもしれません。


【まとめ】

①全体でみると標準的だが、一部で高い音階が登場する
②原キーだと「標準よりやや高め~高音域が得意な女性」などに合いそう
③メロは分かりやすいが、テンポがやや速いので歌詞などは覚えておきたい
④「声を張ってhiF(F5)などの高い音を発声する」という練習によい曲かも

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