『ええねん』(ウルフルズ)、Eenen(Ulfuls)
【地声最低音】mid2B(B3)
★心配m2B[せ]んで ええねん 僕を見[て]れば ええねん
【地声最高音】hiA(A4)
★mid2G[つっぱって突っぱし]hiA[る]
★mid2G[それ]hiA[だ]けで(ラスト)
【補足】mid2F#,mid2Gの箇所
★mid2G[ええ]mid2F#[ねん](コーラス)
★mid2F#[何も言わん]でも ええねん
★それでmid2F#[ええ]ねん それでmid2G[ええ][ねん]
★mid2F#[転んで転げ]まわ[る]
★m2G[時々ドキド]m2F#][キ]す[る]
まず、ウルフルズについて少し説明します。ウルフルズは1988年に結成された4人組ロックバンドです。1996年にリリースした『ガッツだぜ!!』によりブレイクしました。『ガッツだぜ!!』に加え、『バンザイ 〜好きでよかった〜』、『明日があるさ』(坂本九さんの楽曲のカバー)、『笑えれば』、『ええねん』などがよく知られた楽曲だと思います。
さて、『ええねん』についてですが、2003年にウルフルズがリリースしたシングル曲です。チャート最高位は20位とあまり伸びなかったのですが、楽曲自体の評価は高く、その後、様々な場面で楽曲が使用されてきました。また、プロ野球の阪神タイガースが日本シリーズでの優勝を逃した際に、この『ええねん』がファンの気持ちを代弁する楽曲として広まった逸話もあるようです。楽曲自体は、一度脱退していたたベースのジョン・B・チョッパーさんの復帰を祝い、歓迎する意味合いが込められているようです。MVもチョッパーさんの復帰がモチーフになっております。このように、楽曲自体はじわじわ浸透していきました。
ウルフルズのYoutube公式チャンネルではMVも公開されており、2019年6月現在、700万回超の再生回数を記録しております。ウルフルズの作品の中では上位に入る再生回数です。ちなみに、ウルフルズのトリビュートアルバムでは、シンガーソングライターの阿部真央さんがこの『ええねん』をカバー(原曲キーより1つ高い)しております。
『ええねん』のサウンドについてですが、疾走感のあふれる直球のロックンロールです。非常にかっこいいです。特徴的な点としてですが、歌メロディー自体が非常に簡単なフレーズのみで構成されております。従来のJ-POPのようにAメロ、Bメロ、サビといった構成ではなく、最初から最後まで分かりやすいフレーズで突っ走ります。上図の音域を見ても分かりますが、非常に狭く、1オクターブもありません(ただ、キー自体は決して低くありません)。当ブログが取り上げた作品の中でも最も狭い音域なのではないかと思います。
歌詞についてですが、『ええねん』というタイトルにあるように、聴き手を全肯定してくれる前向きなメッセージであふれています。無理矢理にでも元気を貰えるパワーの溢れた歌詞(とサウンド)です。個人的には、今のミュージシャンで言えばWANIMAなどが好きな人にはハマりそうな楽曲なのではないかと思います。
最後に『ええねん』の音域についてですが、【地声最低音】mid2B(B3) ~【地声最高音】hiA(A4)でメロディーが構成されています。音域自体は一般的な男性より高いです。
『ええねん』の特徴は音域が極めて狭いことです。歌メロディー自体は1オクターブもありません。原曲キーだと少し高いと思いますが、自分のキーに合ったところを探して、歌うことが可能な楽曲です。また、音程に合わせて上手く歌うこと以上に、元気に歌うことが重要な楽曲です。カラオケなどで歌う場合は、「元気さ」を意識すると良いと思います。
一応、原曲キーについて言及すると、決して低いキーではありません。楽曲で頻出する高音部はmid2F#,mid2Gといった音階です。こうした音域は努力すれば到達しうるキーです。ゆえにある程度練習すれば、上手く歌いこなすことが出来ると思います。
ただ、先にも述べたように必ずしも音程の正確さにこだわる必要はないと思います。もちろん、歌が上手く歌えることに越したことはありません。歌の上手さに加えて、元気さを強く意識した方が原曲のニュアンスが再現できると思います。hiAの箇所は少し高いですが、この辺も勢いで大丈夫です。カラオケなどで歌い慣れて、mid2F#,mid2G辺りが確実に歌えている人であれば、心配する必要はないのではないかと思います。
一方で、声が低い人などは少しキーを落としてもかまわないと思います。自分の出しやすい箇所を探してください。「原曲キーで歌えるか」とかにこだわる必要はなく、歌う楽しさ、声を出す楽しさをかみ締める楽曲です。
ちなみにこの『ええねん』をカバーした阿部真央さんは原曲キー+1(♯1)で歌唱されております。この場合、最高音がhiA#になります。