(2019/06/03)地声最低音を修正しました(mid1E→mid1C#)。画像も修正済。
(2020/07/23)歌詞にミスがありましたので、修正しております。

 こんにちは。今回は米津玄師さんの『海の幽霊』(2019)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。

 ※米津玄師さんの音域について、当ブログではこれまでに、『アイネクライネ』『爱丽丝(アリス)』『打上花火』(DAOKO×米津玄師)『打上花火』(米津玄師ソロver.)『馬と鹿』『海の幽霊』『orion』、『かいじゅうのマーチ』『恋と病熱』『春雷』『Nighthawks』『ナンバーナイン』『灰色と青 ( + 菅田将暉)』『飛燕』、『LOSER 』『ピースサイン』、『砂の惑星』米津玄師作詞作曲『パプリカ』(Foorin)『パプリカ』(米津玄師セルフカバー)『Flamingo』『フローライト』、『メトロノーム』『マトリョシカ』を取り上げています。興味を持たれた方は参考にどうぞ。


『海の幽霊』(米津玄師)、Umi no Yuurei(Kenshi Yonezu)


【地声最低音】mid1C#(C#3)  2番のBメロのみ

★あなたがどこかで笑う声が聞こえ[る](2番Bメロ) 


【地声最高音】hiA(A4)  ※サビで頻出します

mid2F#[ほ]m2G#[し]hiA[が][降][る]hiB[るに](サビ)
hiA[あ][の][よ][る][を]m2G#[わ][す]mid2F#[は]しない
m2F#[な]m2G#[つ]hiA[の][日][起]きたすべて
★おhiA[もい]m2G[が]mid2F[け][ず]  光るのは(※ここだけG#F#ではない)



【裏声最高音】hiE(E5) 楽曲全体で1箇所のみ

hiB[あ]hiC#[な]D[た]hiE[に][逢][えた](ラストサビ)


【補足】その他の象徴的な箇所

★開けm2G#[は]hiA][な][た]m2F#[た](Aメロ)
★この部屋にはだm2G#[れ]もい[な]hiA[ーい]
★何から話せばhiA[い]いのか(Bメロ) 
hiB裏[あ]hiC#[な]hiD[た][に][逢][えた](通常サビ)
★ひ[か][る]裏[の][は] [う]みの幽霊
mid2G#[な]hiA裏[は]hiB[ま][で] mid2F#[ま]た会いましょう


『海の幽霊』(米津玄師) (2)


 まず、『海の幽霊』についてです。この楽曲は2019年に米津玄師さんより発表された楽曲です。漫画家・五十嵐大介さん原作のアニメーション映画『海獣の子供』のために書き下ろされた楽曲であり、同アニメ映画の主題歌になっております。
 アニメ映画の公開、楽曲のリリースに先立ち、MVが公開されました。公開から数日で、再生回数は1000万回を超えております。米津玄師さんの知名度も相まって驚異的なペースです。

 『海の幽霊』のサウンドについてです。象徴的なオーケストラのアレンジはEnsemble FOVE(アンサンブルフォーヴ)が担当しています。Ensemble FOVEはクラシックや現代音楽の演奏家から構成される新進気鋭の音楽集団です。坂東祐大さんが中心となり、取り仕切っております。フィギュアスケートをテーマにしたアニメ『ユーリ!!! on ICE』のアレンジ演奏なども担当しています。
 私自身は最初に拝聴した際、電子音楽のような音色も含まれており、「電子音楽でこんなに壮大なアレンジができるの?凄い」と感じたものでしたが、アレンジの中心は生の管弦楽であるようです。全体として、水の浮遊感、深海へと沈んでゆく埋没感が想起される非常に心地よいアレンジです。サビの直前のアレンジが非常に耳を惹きます。また、メロディーについてはBメロの部分について一部「ヨナ抜き」の箇所があります。そうしたアレンジを含め、海を演出しております。

 歌詞についてですが、全体として素晴らしいのですが、個人的には2番のAメロ、Bメロのフレーズが特に好きです。梢(こずえ)が船を見送る」、「ねじれた道を進んだら その瞼(まぶた)が開く」などが非常に耳に残りました。情景描写が頭に浮かぶフレーズだと思います。

 

 さて、『海の幽霊』の音域についてですが【地声最低音】mid1C#(C#3) ~【地声最高音】hiA(A4) 、【裏声最高音】hiE(E5)でメロディーが構成されています。一般的な男性の音域よりやや高いです。

 まず、hiEなどの音階が目を引きますが、上の図(赤い丸の部分)が地声の箇所です。地声での最高音はhiAであり、滅茶苦茶に高いわけではありません。ただ、米津さんの作品群の中では全体としてかなり高い音域であると思います。

 地声に関しては、これまでの米津さんの作品ではhiAの音階が楽曲全体を通して連続して登場する作品はほとんどなかったと思います。一つのサビに対して1回程度、大サビで1~2回といった感じです。例えば、はラストのサビでhiBなどが1度登場し、『LOSER 』では各サビに1箇所ずつhiA#が登場していました。しかし、『海の幽霊』ではサビ全体を通して、地声のhiAという音階が何度も登場します。「hiA」はhiA#やhiBよりも低い音階ですが、何度も登場するという点を考えると難易度が高くなります。
 そうした点において、『海の幽霊』のサビは地声だけ見ても「これまでの米津作品の中でもしんどい」という印象です。

 まず、基本的な点としては、mid2F,mid2Gといった音階を確実に歌いこなせるようにしておくということです。『海の幽霊』でも頻出します。この辺の音階は努力すれば克服しやすいキーです。hiA部分が少し曖昧になってもmid2F,mid2G辺りが上手く歌いこなせると形になりやすいと思います。

 問題のhiAの部分は地声で出せるのが理想的ですが、声質的に難しい人もいるかもしれません。ゆえに、ニュアンスが崩れにくい箇所は裏声で歌うというのもアリだと思います。

 逆に、地声でしっかり歌いたい箇所はサビ冒頭の「mid2F#[ほ]m2G#[し]hiA[が][降][る]」のフレーズです。その他の部分は、mid2F#,mid2G#辺りが地声で歌いこなせるという前提で、裏声でも良いかもしれません。その辺は色々と試行錯誤してみると良いと思います。

 『海の幽霊』は最低音部に関しては、mid1Eで少し余裕があります。素直にキーを下げる(目安として♭2程度)というのも選択肢です
 
 女性がこの『海の幽霊』を歌う場合についてですが、一般的な女性の音域であれば、原曲よりも2~3程度上げた(♯2~3)方が歌いやすいと思います。