『恋人じゃなくなった日』( 優里 ) の 音域

　まず、『恋人じゃなくなった日』についてです。この楽曲は、２０２３年に男性シンガーソングライターの優里さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年にリリースされた『弐』に収録されております。同アルバムには、『メリーゴーランド』(過去記事)、『ビリミリオン』(過去記事)、『クリスマスイブ』(過去記事)といった人気のシングル曲が収録されております。とりわけ、『ビリミリオン』今もなおストリーミングランキングで上位に位置しており、日本レコード協会からプラチナ認定がなされました（２０２３年７月時点）。

　さて、『恋人じゃなくなった日』はスローなバンド曲です。優里さんが得意とするバラードであり、ＡメロＢメロサビと展開します。1番サビでは若干裏声の回数が多く、2番サビ以降は地声の比率が増えます。歌唱する際はそうした微妙な表現まで頭に入れておくと良さそうです。全体的にメロディアスな作品であり、多くの人に届きうる楽曲だと思います。作詞作曲は優里さん、編曲はCHIMERAZによりなされました。


　『恋人じゃなくなった日』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としては、やや高め～高めのレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があり、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいと思います。
　同曲は低音域はmid1D#が1回程度であり、やや高めです。そうしたこともあってか、相対的にmid2D#～mid2Fといった中高音域が多く登場します。そのため、地声最高音は滅茶苦茶には高くないですが、中高音域が得意な人の方が歌いやすい楽曲だといえます。

　ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいと思います。今回は最低音がmid1D#であり、またmid1F辺りも複数回登場します。こうしたことを踏まえると、原曲キーから３つ程度上げるとより歌いやすくなると思います。

　

　最後に『恋人じゃなくなった日』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3)～【地声最高音】mid2G#(G#4)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、「やや高め～高め」です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1D#はBメロで登場します。登場回数は1回程度です。その他、Aメロ等でmid1F,mid1F#といった低音域が複数回見られます。この辺りは男性の音域の範囲内です。

　次に、地声最高音mid2G#は2番サビ以降で登場します。登場回数は全体で５回程度です。このmid2G#は男性の音域としてはやや高めです。今回は全体的にmid2F～mid2F#辺りの回数も多いです。こうしたことを踏まえると、標準的な音域の男性は少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください。
　今回は1番サビではmid2G#が裏声で歌われており、2番サビでは地声の発声に切り替わります。ここは原曲のように歌ってもよいですし、高音域が苦手な方はmid2G#を裏声で統一してもよいと思います。


　『恋人じゃなくなった日』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、自分が得意なレンジに調整することができると思います。一方、ビギナー向けの調整もある程度可能だと思いますが、人によっては一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。キー調整をしても難しいと感じた場合は、別の易しめの曲と並行して練習してください。
　同曲は、メロディー自体は分かりやすく、音域が合うのであれば、練習曲に良さそうです。優里さんはボーカルの良さが活きやすいミドル～スローな人気曲が多いですが、今回の『恋人じゃなくなった日』もそうした作品です。

　『恋人じゃなくなった日』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D#～mid2G#といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はmid2D#～mid2F#辺りが比較的多く、中高音域が得意な男性の方が有利に歌えそうです。
　こうしたことを踏まえると、「標準より(やや)高め～ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。


【まとめ】

①地声最高音はそこまで高くないが、中高音寄りの曲
②原キーだと「標準より(やや)高め～ある程度高音域が得意な男性」に合いそう
③高音域が得意でない方は、mid2G#を裏声で統一して歌うのよい
④全体的にメロディアスで、ボーカルの良さが活きやすい（カラオケ向き）