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『Grenade』(ブルーノ・マーズ[Bruno Mars])の音域

 こんにちは。今回はブルーノ・マーズの『Grenade』(2010)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。

 ※なお、今回は洋楽曲ということもあり、英語詞で歌われております。以前、[Alexandros]の楽曲などの時に話したかもしれませんが、当ブログのような音域表記をする場合、英単語を細かく分解し難いために、厳密にいうと、音程の位置が僅かにずれている部分もあります(音程そのものは合ってます)。そうした点を踏まえた上で、ご参照ください。


『Grenade』(ブルーノ・マーズ[Bruno Mars])
『Grenade』(ブルーノ・マーズ[Bruno Mars])の音域







【地声最低音】mid2A(A3) ※ここ以外にも登場

m2F[Easy] m2A[come] F[easy] A[go] [that’s just how you live] m2G[Oh]【Aメロ】
★m2E[take take take] it [all but ]you ne[ver give]m2A


【地声最高音】hiD(D5)  ※ラストサビで2回

hiAhiC[But [darl]ing, [I’d]  still [catch] a] ChiD[gre][nade] [for ya]A【ラストサビ】


【裏声最高音】hiD(D5) ※アウトロで1回

★No, you won’t do the same You wouldn’t do the hiA[sa][me]hiD裏【アウトロ】


【補足】hiAhiC#辺りを含むフレーズ一覧

hiA[Gave you] m2G[all I] m2F[ha]d and you G[tossed it] F[in the] trash【Bメロ】
★’Cause what you m2G[don’t un]der[sta][nd iis I’d catch]hiAG a gre[nade]A [for] ya【Bメロ~サビ】

★I’d jump in hiC[front] hiA#[of] hiA[a] A#A[tra][in] for ya【サビ】
★I would hiA[go through a][l]m2G this [pa][in]A 
★Take a hiC[bullet straight] hiC#[through] hiA[my] brain
m2G[Yes, I] would hiA[die] [for] you, [ba]by A[But you] [won’t do] the [same]A

★You m2G[tossed it in] the [trash, yes], you [did]hiA【2番Bメロ】
★To hiA[give me] m2G[all your] love is [all I] hiC[ever] A[a]sked

m2G[If] my [bo]dy [was] on hiA[fire]【Cメロ】
hiCm2G[Oo][h, you’d watch] me hiA[burn] [down] in flames
★Cause you hiA[never, ever], hiC[e][ver] did, [baby]

★ hiChiA[Take] a [bu]llet [straight] through] my b[ra]in【ラストサビ】
hiC[Ooh], you never do the same No, no, no, no【アウトロ】

 まず、ブルーノ・マーズ[Bruno Mars]さんについて少し説明します。ブルーノ・マーズさんは2010年に米国でデビューした男性シンガーソングライターです。デビュー作となったシングル『Just the Way You Are』が大きなヒットを記録、アルバム『Doo-Wops & Hooligans』(ドゥー・ワップス&フーリガンズ)も世界的なヒットを記録します。これまでに3枚のフルアルバムをリリースしておりますが、いずれも記録的なヒットとなっております。これまでにグラミー賞を10回以上受賞しております。

 ブルーノさんのジャンルとしては、R&B、レゲエ、ファンク、ヒップホップ、ロックなどにあたります。R&Bやヒップホップなどブラックミュージック色が強いですが、若いの頃はエルビス・プレスリーの真似をしていたなど様々な音楽的な背景があり(自身も楽器を担当する)、他のミュージシャンとのコラボも盛んに行われております。2014年には『Uptown Funk』などヒットしております。これまで、ブルーノさんが関わったシングル曲の総売り上げは1億8000万枚を超えております。2010年代を代表する男性シンガーソングライターの1人であります。


 さて、『Grenade』(グレネード)についてです。この楽曲は、2010年に男性シンガーソングライターのブルーノ・マーズ[Bruno Mars]さんによりリリースされたシングル作品です。アルバム『Doo-Wops & Hooligans』の先行シングルとしてリリースされました。

 『Grenade』はその年の米国シングル売上の2位を記録、(1位は同じくブルーノさんの『Just the Way You Are』になります)、アルバムも全世界で1500万枚以上のヒットを記録しました。ブルーノ・マーズさんの代表的な作品の1つであります。ブルーノ・マーズさんのYouTube公式チャンネルで公開されたMVも10億回を超えております。


 『Grenade』はミドルテンポのR&B、ポップナンバーであります。キーボードのイントロ・間奏のリフなどが非常に印象的であります。歌メロについてはAメロBメロサビといった形で作られており、日本の音楽ファンなどにも馴染みやすいのではないかと思います。歌メロの展開については、よく「日本と欧米では異なる」と言われますが、今回は日本のJ-POPなどとも近いように私は感じました。

 『Grenade』の歌詞については、片思いのラブソングであります。タイトルの『Grenade』(手りゅう弾)とあるように、サビで「(I’d catch a grenade for you(僕は君のために手りゅう弾だって受け止める)」と歌っております。一方で、恋の相手には心を開いてもらえずに、苦しむ姿が共感的であります。ちなみに、MVでは、ブルーノさんがピアノを引っ張って歩く姿が印象的です。


 『Grenade 』の声域的な特徴についてです。同曲は男性としてはかなり高いレンジで歌メロが作られております。一般的には原キーでの歌唱が難しく、キーを下げた方が歌いやすいのではないかと思います。レンジ的には女性の方が合いやすいと思います。また、音域自体はそこまで広くないので、キー調整はしやすいです。


 最後に『Grenade 』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3) ~【地声最高音】hiD(D5)、【裏声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりもかなり高い(女性レンジに近似)です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid2AはAメロ等で登場します。この辺りは男性の場合であれば、発声そのものは難しくないのではないかと思います。
 一方で、男性曲で最低音がmid2A辺りになると、相当高い確率で「キーの高い男性曲」となります。今回の『Grenade』もそうした傾向が如実に出ております。反面、最低音が高い分、女性にもアプローチしやすいかもしれません。

 一方で、地声最高音hiDについては、ラストのサビで2回登場します。登場回数は少ないですが、男性としては相当に高いレンジになります。また、同曲ではhiC,hiC#といった男性曲としてはかなり高い音階が曲全体で10回以上登場し(フレーズ毎に1回と数えています)、非常に多いです。よって、一般的な男性の場合は、キーを下げた方が歌いやすいです。

 『Grenade』は低音部分に余裕があり、キー下げなどは行いやすいです。音域自体も滅茶苦茶に広くないですので、その点では融通が利きやすいです。ただ、元々のレンジが女性音域と近いですので、男性が歌いやすいレンジに調整するには大きなキー変更が必要になります。その点で、歌いにくさを感じられる方がおられるかもしれません。音域的には女性の声域に近いので、女性の方が合いやすいかもしれません。

 ちなみに、同曲を原曲キーで歌唱する場合、hiCやhiC#といった高めの音階をしっかり歌いこなすことが求められます。また、AメロBメロ辺りから、m2F~hiA辺りの中高音域が頻出です。よって、スタミナなども必要不可欠です。ただ、ボーカルがブルーノさん一人ですので、複数人がボーカルを担当する歌手などと比べると、個人でも努力がしやすいかもしれません(難易度は当然高い)。
 『Grenade』は日本のアーティストでいうと、Official髭男dismなどと近いレンジになります(ヒゲダンはブラックミュージックなどの影響も濃いので、ブルーノとも共通する部分があります)。そのため、高音域が非常に得意な男性向けの作品といえます。また、先にも述べたように、女性などにも合いやすいです。その辺りも踏まえて、練習に励んでください。


 『Grenade』は男性としては相当に高いレンジで歌われており、ボーカルのテクニックなども高いです。その点で、難易度は高いですが、高音域が得意な男性などは歌いこなしたい衝動に駆られやすいのではないかと思います(カラオケなどで歌えると気持ちいいと思います)。歌メロの展開などもJ-POPに近いものがあり、親しみやすいです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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