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『あーーっす!』( きただにひろし ) の 音域

 

 こんにちは。今回はきただにひろしさんの『あーーっす!』(2024)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『あーーっす!』(きただにひろし)
『あーーっす!』(きただにひろし)の音域







【地声最低音】mid1D(D3) 

★海の果て m1G[行きたい]場所m1D[は]それGm1F#[ぞ[れ]だ]【Aメロ】
m2G[All] m2F#[of] us 旅人に告ぐG[そ]の]夢はまだ 濁っちゃm1G[い]ない[か]【サビ】
m1E1G[変わり]つ][けm1F#[て]る]
★小賢かしい m1F#m1E[知[恵]を] 纏ったく[らE[い]じゃ]【サビ(転調−3)】


【地声最高音】hiG(G5) ※ラストで1回

★あーーっす m2G[All] hiA[of] hiDhiG[u[s]【ラスト】


【裏声最高音】hiD(D5) ※イントロやAメロでみられる

hiA[あーっ]す あーっす m2G[All] A地[of] hiD裏[us]【イントロ】
m2G地hiD裏[でんせ[つ]を] GF[ぶち上げ]て]からm1G[だ]【Aメロ】


【補足】mid2G(一部略)hiC#を含むフレーズ一覧

m1E[だ]けどひm2E[と]つ かm2GhiB地AG[が[や]け]る]【Aメロ】
hiB[バ]B[バ]B[No li]mit B[こ]hiA[か][が] BhiC[ONE [PIECE!]【Bメロ】
★(眠れない細胞が) hiAm2GF#[く]す]ぐ]られ hiBAG#[ハ]ジけ]てく]【サビ】
m2F#E[い]まも]All of us 冒険の途[中]
2Gm2F#[お]れ]たちとともにせm1G[い]
hiB[ビ][ビ][Elec]tric  [ギ]ア上[げhiC#[ろ] ChiC#[ONE [PIECE!]【ラストBメロ】

 まず、『あーーっす!』についてです。この楽曲は、2024年に男性歌手のきただにひろしさんによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルとして発表された後に、4月にCDシングルとしてリリースされました。この記事を執筆時点で最も新しいシングルであり、アルバムには未収録です。

 さて、『あーーっす!』は、尾田栄一郎さんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『ONE PIECE』(「エッグヘッド編」)のオープニングテーマとして書き下ろされました。ONE PIECEのYouTube公式チャンネルで公開されているオープニング映像は1500万回近い再生回数を記録しており、多くのファンにとって思い入れのある楽曲なのではないかと思います。
 きただにひろしさんは、これまでに『ウィーアー!』(過去記事)『ウィーゴー!』(過去記事)といった人気曲を担当しております。


 『あーーっす!』はアップテンポのバンド曲です。全体的に元気のいい作品であり、ホーンセクションなども印象的です。歌メロはAメロBメロサビといった構造があり、多くの人に親しみやすそうです。同曲は作詞を藤林聖子さん、作曲は田中公平さん、編曲は中村博さんが担当しています。藤林さんと田中さんは、『ウィーアー!』などにもお馴染みです。


 『あーーっす!』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域と比べ、「高め~高い」(終盤は特に高い)レンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
 同曲は低音域としてはmid1E-mid1G等が見られ、特にmid1G辺りはサビでも登場します。一方、高音域についてはBメロでhiC#等も見られますが、個人的にはhiB辺りがしっかり歌えることが重要になるのではないかと私は推測しました。hiG,hiC#などの高音域に目が行きがちですが、全体的にメロのアップダウンが激しいため、地声ではmid1E~hiB辺りを安定して歌唱することを心掛けた方がよさそうです。Bメロについては個人的にはリズム感の方が重要だと考えています。

 ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回はmid1E等が要所で登場するため、いくらかキーを上げた方が女性にとっては安定しやすいのではないかと思います。ただ、「標準より低めの音域の女性」などは原キーが合う可能性もあります。その辺りは各々実際に歌唱してみてください。



 最後に『あーーっす!』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)~【地声最高音】hiG(G5)、【裏声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域としては「高い」(終盤だけはかなり高い)です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1DはAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、私個人としては、もしmid1Dを落としたとしてもミスは目立ちにくいのではないかと推測しました。低音域としてはmid1E辺りを一つの目標にしてもよいと思います。

 次に、地声最高音hiGは最終盤で登場します。登場回数は1回です。このhiGについてはヘッドボイスなどが得意な方はそちらで歌唱するのもよいと思います(きただにさん自身はかなり地声感のある発声のため地声最高音としました)。 
 hiGに次ぐ地声高音としては、hiC#がピークとなる場面が全体で3回、 hiCが2回、 hiBが21回程度(16回はBメロ)見られます。こうしたことから、男性の音域としては高く、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいと私は推測しました。一つの目安ですが、原曲キーから3つ程度下げてみてください。

 ※ちなみに、今回のBメロについては、個人的にはあまり厳密な音程にこだわりすぎなくてもよいと判断しました(リズム感の方がより重要そう)。原曲のように歌えるのが理想ですが、hiC#がしっかり発声できなくてもある程度形になりえると私は推測します。


 『あーーっす!』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することができると思います(ラストのhiGは難しいかもですが)。一方、今回は大ざっぱに見ても音域がそれなりに広く、音程を取るのが難しそうな場面もあります。そのため、キー調整を考慮しても歌い慣れた人向けの楽曲であると私は推測しました。
 同曲はメロディー自体は比較的わかりやすそうです。ただ、今回はメロのアップダウンが意外と激しく、サビ辺りでも意外と低音が登場します。そのため、低音~高音まで安定した歌唱が求められます。楽曲の勢いに目がいきがちですが、繊細な音程のコントロールを気にかけていきたいです。

 『あーーっす!』を原曲キーで歌唱する場合、地声高音としてはmid2F#~hiC#(一部でhiG)といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回は終盤で最高音hiGが登場しますが、全体でみるとmid2F#~hiBなどをしっかり歌いこなしていきたいです。一方、低音域ではmid1Eが登場します。mid1Gなども意外と多いです。
 こうしたことを踏まえると、「高音域が得意(or非常に得意な男性)」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。ただ、今回はmid1Gなどの低音が意外と多いため、「高音域が非常に得意な男性」の中には低音が少し歌いにくく感じる可能性もありえます。
 女性については、「標準より低めの音域の女性」などは原キーが合う可能性があります。カラオケなどでも試してみてください。

 ※終盤のhiGについては、きただにさんはロックのような声を張る歌唱で歌われております。ただ、個人的にはMrs. GREEN APPLEなどに代表されるヘッドボイス(強い裏声)で歌うのもよいと考えております。コツをつかむまでが難しいですが、少しずつチャレンジしてみてください。


【まとめ】

①Aメロ~サビまで満遍なく盛り上がる
②原キーだと「高音域が得意(or非常に得意な男性)」に合いそう
③メロのアップダウンが意外と激しい。音程に注意したい
④Bメロは、個人的にはあまり音程にこだわり過ぎなくてもよいと感じた

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