『ワールドアパート』(ASIAN KUNG-FU GENERATION)の音域

こんにちは。今回はASIAN KUNG-FU GENERATIONの『ワールドアパート』(2006)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『ワールドアパート』(ASIAN KUNG-FU GENERATION)








【地声最低音】mid1B(B2)　

★m2E–D#[せ]か]いのm1E–F#[果てからま]ち]へ飛ぶ【Aメロ】
★m1E[か]ぎりないm1E–m1B[時代[の]アイ[デ]ア])
★ぼ1F#–m1E[く[のりょ]う[手E[にはこ]れ] [だ]け[だE[よ]【Bメロ】


【地声最高音】hiB(B4)　※サビで計１２回

★hiB–2E[と]おく]向[こうm2F#[で]ぇ]【サビ】


【補足】midF#～hiAを含むフレーズ一覧

★ここm1E[ろの]なかE[にかくm2G#–F#–2E[め]ぇ]いを]【Bメロ】
★君も全部なm2F#[く]して わm2G#–hiA[かっ[た]よ]ぉ]ぉ【サビ】

　まず、『ワールドアパート』についてです。この楽曲は、２００６年にロックバンドASIAN KUNG-FU GENERATIONによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年に発売された『ファンクラブ』に初収録されました。同アルバムには、『ブラックアウト』、『ブルートレイン』といったシングル曲が収録されています。アルバムは２５万枚を超えるCDセールスを記録し、日本レコード協会よりプラチナ認定がなされました。

　『ワールドアパート』はアップテンポのバンド曲です。アルバムの先行シングルとして発売されました。歌メロはAメロBメロサビと盛り上がっていきます。サビのボーカルは後藤正文さんのがなり声が印象的です。シングルはアルバムの先行曲でありながらロングヒットを続け、最終的には１０万枚を超えるヒットになりました。


　『ワールドアパート』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高め～高いレンジで歌メロが作られています。低音域に若干の余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。
　今回の楽曲は中低音が中心のABメロと、中高音が中心のサビメロから構成されます。そうしたこともあり、低音～高音まで音域が広いです。ただ、最低音mid1Bに次ぐ低音がmid1Eであるため、見た目よりは若干歌いやすいと推測しています。高音域についてはhiBがよく登場する点などを考慮すると、「高音域が得意な男性」の方がマッチしやすいといえます。ただ、高音についてはhiAやmid2G#の回数は多くないため、最高音hiBの曲としては歌いやすいと私は推測しています（原曲のようながなりは難しい）。

　女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回は最低音がmid1Bと低く、mid1Eなども多く見られます。そのため、女性の音域としてはかなり低く、キーを上げた方が歌いやすいといえそうです。一つの目安ですが、原曲キーから３～５つ程度上げてみてください。ただ、今回は音域がかなり広いため、歌える人が限定されるかもしれません。



　最後に『ワールドアパート』の音域についてですが、【地声最低音】mid1B(B2)～【地声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高め～高いです、。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1BはAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲ですが、それなりに低音感があります。今回はmid1Bに次ぐ低音がmid1Eであるため、見た目よりは歌いやすいと私は推測しています。ただ、「高音域が非常に得意な男性」などは歌いにくい可能性もあるため、場合によってはキーを上げてください。

　次に、地声最高音hiBはサビを中心に計１２回登場します。このhiBに次ぐ地声高音としてはhiAがピークとなる場面が全体で２回、mid2G#が２回、mid2F#が計１４回登場します。この辺りは男性の音域としては高めであるため、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから３つ程度下げてみてください。
　今回はhiBに次ぐ高音hiA、mid2G#がピークとなる場面が計４回程度です。そのため、最高音hiBの曲としては少し歌いやすい可能性があります（それでもそれなりに高い高音である）。その辺りは実際に歌唱して、微調整を加えてください。


　『ワールドアパート』は低音域に余地があるため、キー下げは可能です。ただ、今回は音域がかなり広いため、歌い慣れた人であっても一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。
　今回の楽曲はメロディー自体は比較的わかりやすく、リズムなども取りやすそうです。ただ、サビの高音ではボーカルの後藤正文さんはがなり気味に歌っています。その点で、原曲のニュアンスを表現しにくいかもしれません（ちなみに、私自身もがなり声が上手く出せず、初期アジカンの曲は苦戦することが多いです）。


　『ワールドアパート』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F#～hiBといった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はサビおよびその周辺でこうした音階がよく見られます。反面、低音域はAメロでmid1Bがよく見られ、それなりに低音感があります。
　こうした点を考慮すると、「（ある程度）高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。

【まとめ】

①ABメロは中低音中心で、サビは中高音が多い
②原キーだと「（ある程度）高音域が得意な男性」向け
③音域が広いため、人によっては歌いにくい部分が出てきやすい
④メロ自体は分かりやすく、カラオケ向き
⑤サビの高音で登場するがなり声は難しいので注意（私個人も不得手です）