『アフターダーク』(ASIAN KUNG-FU GENERATION)の音域

　まず、『アフターダーク』についてです。この楽曲は、2007年に4人組ロックバンドASIAN KUNG-FU GENERATIONによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、2008年の『ワールド ワールド ワールド』に収められ、ベストアルバム『BEST HIT AKG』にも収録されております。
　『アフターダーク』は、久保帯人さんの同名漫画を原作としたアニメ『BLEACH』のオープニングテーマとしてタイアップが付きました。この『BLEACH』のオープニング曲は、ORANGE RANGEの『*〜アスタリスク〜』をはじめ、人気曲が多く生まれた枠でもあります。

　『アフターダーク』はアップテンポのバンドナンバーです。歌メロについては、AメロBメロサビと展開しますが、2番はサビが無く、Cメロを挟んでラストサビになります。最近ではこうした展開の曲も一般的に増えておりますが、サビが1回少ない分、演奏時間3分超も短くなっており、密度が濃くタイトです。作詞作曲は、ボーカル＆ギターの後藤正文さん、編曲はASIAN KUNG-FU GENERATION自身が行っております。
　ちなみに、タイトルの『アフターダーク』は、日本語では「日没後」などの意味があるようです。同曲もサビの頭で【夜風が運ぶ淡い希望を乗せて 何処まで行けるか】と登場します。また、私自身は、当時同曲のMVを見て、何となく印象に残った記憶があります。MVは「朝起きると羽根が生えている」といったところから、物語が始まっていきます。

　『アフターダーク』の音域的な特徴についてです。同曲は、音域だけで見ると、一般的な男性の声域の範囲内もしくは若干高いといったところになると思います。ただ、同曲は短い演奏時間でありながら、地声最高音mid2G#が曲全体で20回ほど登場します。そのため、地声最高音mid2G#の曲としてはしんどく、またスタミナが求められます。他方で、キー調整の融通は利きやすいです。


　最後に『アフターダーク』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3)～【地声最高音】mid2G#(G#4)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりもやや高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1D#についてです。ここは回数としては少ないですが、フレーズの途中で登場しますので、歌えるに越したことはないです。この場面を除くと、mid1G#が低音部として登場します。

　一方、地声最高音mid2G#については、Aメロやサビで登場します。回数としては、先にも述べたように１コーラスで10回、曲全体で20回程度登場し、回数が多いです。この辺りは一般的な男性の音域の範囲内ともいえるのですが、登場回数を考えると、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいのではないかと私は分析しております。。目安として、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください（♭１～２）。

　『アフターダーク』は低音部分に若干の余地があり、キー調整は可能です。また、原曲キーの場合は、mid2D#～mid2G#辺りの中高音が多く登場します（Bメロは若干低めですが）。そのため、ある程度持久力が求められます。特に、mid2G#はサビやAメロで回数が多いですので、しっかり歌いこなせるかが試されます。

　『アフターダーク』は男声の声域としては若干高いのですが、アップテンポの作品であり、カラオケなどでも歌いやすいです。私自身は、サビの【夢なら覚めた だけど僕らはまだ何もしていない 進め】の部分が特に印象に残っております。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。