『ゴミ人間、俺』( ヤングスキニー ) の 音域

★しゅm2F#地–hiB裏–hiA[う[でんで]か]え]さなかったこ[と]【Bメロ】
★(無理やり唇) うhiB裏–hiA–m2G–hiA地[ば]っ][たこ[と]
★思ってもm2F#–m2E[い]ない]のF#[に]好きっF#[て]言っ]たこ[と]ぉ

★hiA地–m2F#[騙さ]れたあ[な]たがわ])るいんだF#[よ]【サビ】
★まあだましm2F[たお]れも少しはわm2F#[るい]かもF#[ね] F#–hiA地[す[こし]は]ね
★m2F#{あ]い[な]い[セックス]中[に] な[か]みの[ない]好[き]を[言ってhiA[み]る]【2番Aメロ】
★m2F#–hiA地[あ[な]たはそ]れが好[き]だったんで[しょ]【ラストサビ】
★あなたが勝手に好m2E–m2F#[きに[なっ]ちゃっ]たんでF#[しょ] hiA–F#[ね]ぇ]

※地声hiAをピークとする場面が全体で20回超

　まず、『ゴミ人間、俺』についてです。この楽曲は、２０２３年にロックバンド・ヤングスキニーによりリリースされたフルアルバム『歌にしてしまえば、どんなことでも許されると思っていた』に収録されております（アルバムの発売に先立ち、先行曲として配信リリースされました）。同アルバムは、バンドのメジャー初のアルバムであり、メジャー初のシングル『らしく』、インディーズ時代の人気曲『本当はね、』(過去記事)などのシングル曲が収録されております。


　さて、『ゴミ人間、俺』はフジテレビ系の深夜ドラマ『クライムファミリー』の主題歌としてタイアップが付きました。ヤングスキニーは２０２３年２月にメジャーデビューしており、タイアップ曲も少しずつ増えております。楽曲の質も相まって、同曲はバンドのYouTubeチャンネルで363万回の再生回数を記録しております。また、ストリーミングランキングでもチャートインするなど、メジャー以降で特に人気の高い1曲になっております。


　さて、『ゴミ人間、俺』はアッパーなバンド曲です。歌メロはAメロBメロサビと展開し、多くの人にとって親しみやすい展開なのではないかと思います。サウンド面では、人気曲『本当はね、』と比べても、ギターなどバンドサウンドが強調されております。あと、正確に調べたわけではないですが、メロディーはいわゆるヨナ抜き音階を基本として作られているのではないかと思います。作詞作曲はかやゆーさんによりなされました。
　同曲は、タイトルにもあるように歌詞が特徴的な作品でもあります。歌詞内容は交際相手をもてあそぶ主人公がテーマとなっており、そうした内容がミュージックビデオにも反映されております。MVでは最終的に浮気がバレて、かやゆーさん演じる主人公の男性がゴミ捨て場に捨てられます。


　『ゴミ人間、俺』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高いレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲は低音域が男性曲としては高く、相対的にmid2E以上の中高音域が多く登場します（hiAも全体で２０回超と多い）。そのため、どちらかといえば高音域が得意な人の方が歌いやすい楽曲です。中高音の割合が高い分、スタミナも要求されます。

　『ゴミ人間、俺』を女性が歌う場合、通常は少しキーを上げた方が歌いやすいと思います。最低音がmid1F#であるため、「標準より低い音域の女性」の中には原曲キーで歌える人も一定数おられるかもしれませんが、女性の得意な声域などを考量すると少しキーを上げた方がより歌いやすいのではないかと私は推測しました。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度上げてみてください（#１～２程度）。



　最後に『ゴミ人間、俺』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F#(F#3)～【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1F#はAメロで登場します。ただ、今回は歌い出しの瞬間的な音であるため、あまり厳密な音程にこだわらなくてもよいと思います。今回は男性曲としては低音域が高いため、相対的に中高音域の割合が増えます。低音域が高い曲については、「一般的な男性にとってはキーが高い曲（スタミナも不可欠）」となることが多く、今回の『ゴミ人間、俺』についてもこの傾向が明確に当てはまりそうです。

　次に、地声最高音hiBはラストサビの後半で登場します。登場回数は２回程度です。また、このhiBに次ぐ高音として、hiAが全体で２０回以上登場します。こうしたことを踏まえると、男性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから３つ程度下げてみてください（♭３程度）。


　『ゴミ人間、俺』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することが可能そうです。一方、同曲は音域がやや広いため、ビギナーなどの場合、もしかしたら歌いにくい場面が出てくるかもしれません。音域的な側面でみると、以前取り上げた『本当はね、』(過去記事)の方が取っ付きやすいと私は分析しております。

　『ゴミ人間、俺』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F#～hiBといった地声高音をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回は最低音が高い分、mid2E～hiA辺りの音階が非常に多いです。そのため、ある程度高音域が得意な男性でもスタミナが不可欠になりそうです。
　こうしたことを踏まえると、「(ある程度)高音域が得意な男性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、「標準より低い～標準より低め音域の女性」の中には原曲キーがマッチする人もおられるかもしれません。


　『ゴミ人間、俺』はノリの良いバンド曲であり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。個人的には歌詞の個性も光る作品だと感じました。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。