『真夜中遊園地』( チャットモンチー ) の 音域

　まず、『真夜中遊園地』（まよなかゆうえんち）についてです。この楽曲は、２００７年に３人組ロックバンド・チャットモンチーによりリリースされたアルバム『生命力』に収録されております。同アルバムには、『シャングリラ』(過去記事)、『とび魚のバタフライ』、『世界が終わる夜に』、『橙』などのシングルが収録されております。アルバムは１３万枚を超えるセールスを記録し、日本レコード協会よりゴールド認定がなされました。

　『真夜中遊園地』はアルバムの1曲ですが、楽曲自体は人気が高く、チャットモンチーのストリーミングランキング、カラオケランキングでも上位に位置しております。私個人としても非常に好きな1曲であり、今回記事にしたいと感じました（音域としては歌いやすいわけではないですが）。


　『真夜中遊園地』はアッパーなバンドナンバーです。アルバムの中でもロック色が強く、バンドサウンドが耳を惹きます。アルバム曲ということもあってか、歌メロはAメロサビとシンプルであり、2番サビの後、Cメロで歌メロが終了します。サビではジェットコースターを思わせるようなメロのアップダウンが見られ、そうした点も聴きどころかもしれません（どことなくボカロ曲などに通じるものを感じす）。作詞はドラム担当の高橋久美子さん、作曲はボーカル＆ギターの橋本絵莉子さんによりなされました。

　『真夜中遊園地』の音域的な特徴についてです。同曲は女性の音域としては、高いレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいのではないかと思います。
　同曲は全体としては中高音寄りのメロディーになっています。一方、サビはアップダウンが激しく、高音域では瞬間的にhiG,hiFといった音階が登場します。そのため、どちらかといえば、高音域が得意な人の方がマッチしやすいといえます。ただ、hiE以上の音階が登場する場面は限定されるので、「地声最高音hiG」の楽曲の中では取っ付きやすい方なのではないかと私は分析しました（メロのアップダウンに対応でいる音程キープは必須ですが）。



　最後に『真夜中遊園地』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A#(A#3)～【地声最高音】hiG(G5)、【裏声最高音】hiF(F5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid2A#はAメロで登場します。この辺りは女性の音域の範囲内です。高音域が得意な女性などでも歌唱可能であり、比較的取っ付きやすいと思います。一方、最低音がやや高い分、そう大的に中高音域の登場頻度は高くなります。

　次に、地声最高音hiGはサビで登場します。登場回数は４回程度です。このhiGは女性の音域としてもかなり高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。
　ただ、今回の楽曲では、【ジェットコースター はhiC–hiD–hiD#^[し[り[つ[づ]け][た]hiG地–hiD#–hiC[ヘッ]ドラ]イ]トの先】と、瞬間的にhiGが登場します。そのため、歌い慣れた人であれば、瞬間的に発声することができうるのではないかと私は推測しました。「地声でhiD,hiD#などがしっかり歌いこなせる女性」であれば、原曲キーで試してみてもよいのではないかと思います。


　『真夜中遊園地』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。ただ、今回は音域自体が広い作品であるため、キー調整をしても難しいと感じられる方も多いかもしれません。その点は留意しておいてください。私なりの印象ですが、声を強く張るロック系の曲を歌い慣れている人だと、マッチしやすいのではないかと推測しております。

　『真夜中遊園地』を原曲キーで歌唱する場合、hiC～hiGといったレンジをしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はhiGが求められる場面は少ないですが、地声でhiD#辺りがしっかり歌えると合いやすいのではないかと私は推測しました。こうしたことを踏まえると、「（ある程度）高音域が得意な女性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。


　『真夜中遊園地』はアッパーなロック曲であり、カラオケでも歌いやすいと思います。また、私自身はサウンド面以外に、メロや歌詞も非常に印象に残った曲です（特に歌詞が好きです）。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。