『Have a nice day』(imase) の 音域

　まず、『Have a nice day』についてです。この楽曲は、２０２１年末に男性シンガーソングライターのimaseさんによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルであるため、現在フィジカルでのリリースはなく、アルバムなどには未収録です。

　『Have a nice day』はimaseさんのデビューシングルで、元々はデビュー前から披露されておりました。『Have a nice day』はSpotifyのバイラルチャートで１位を記録し、またTik tokでも多くの再生回数を獲得、imaseさんの知名度上昇に大きく貢献します。また、テレビ番組の「関ジャム完全燃SHOW」の企画「プロが選ぶマイベスト10【2022年】」にて、いしわたり淳治さんが選ぶ7位の楽曲としてもピックアップされました。


　『Have a nice day』はミドルテンポのポップナンバーです。打ち込みのチルなポップで、韻を踏んだ歌メロが印象的です。歌メロはAメロBメロサビと展開し、AメロBメロは地声、サビDメロは裏声が主体となります。以前の『NIHGT DANCER』でもそうでしたが、従前のJ-POPと比べると地声レンジが低めとなっております。同曲の作詞作曲はimaseさん自身、編曲はHANO＋7Mによりなされました。

　『Have a nice day』の音域的な特徴についてです。同曲の地声レンジに関しては、男性の音域の範囲内で歌メロが作られております。そのため、一般的な音域の男性でも原曲キーでの歌唱が可能です。
　一方、サビやDメロでは裏声（もしくはウィスパーボイス）が主体となっております。裏声の器用な発声が不可欠となり、その点で力量が求められます。

　同曲を女性が歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。『Have a nice day』は「AメロBメロが地声」、「サビDメロが裏声」と声の使い分けがパートごとに異なります。こうした表現を再現する場合、女性の得意声域を考えると、キーを上げた方がよいと私は考えました。一つの目安ですが、原曲キーから４～５つ程度上げるとよいのではないかと推測しております（個人差があるので、各々試してみてください）。



　最後に『Have a nice day』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)～【地声最高音】mid2C(C4)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1DはAメロBメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内ですが、mid1Eとコンボになっている場面もあり、低音域が苦手な方だと少し歌いにくいかもしれません。高音域が得意な男性などはキーを上げてもよいと思います。
　また、mid1D辺りは女性の音域としてはかなり低いです。そのため、女性の場合、一般的にはキー上げを推奨します。

　次に、地声最高音mid2CはBメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内であり、J-POPの男性曲としてはあまり高くありません。普段あまり歌い慣れていない人でも比較的取っつきやすいと思います。ただ、練習して歌い慣れておくに越したことはありません。
　一方、同曲は、サビDメロは裏声で歌メロが歌われております。そのため、器用な裏声の発声が不可欠となります。地声音域だけを見ると取っ付きやすい声域ですが、裏声の使い分けなど求められることも多いです。


　『Have a nice day』は低音域に余地がありキー下げは可能です。ただ、音域だけを見ると、ビギナーが原曲キーで歌うこともある程度は可能なのではないかと思います。高音域が得意な男性などはキーを上げてもよいです。
　同曲は、メロディー自体も分かりやすく、私は何度か聴いていると自然と口ずさめるようになりました。ただ、原曲のimaseさんのような雰囲気を出すためには、標準的な地声レンジであっても力量が求められます。毎日少しずつでも練習を重ねたいところです。

　『Have a nice day』を原曲キーで歌唱する場合についてです。同曲は地声レンジだけを見ると、mid1D～mid2Cであり、そこまで歌いにくい音域ではありません。音域だけを見ると「標準より低め～ある程度高音域が得意な男性」等、多くの方が原曲キーで歌唱可能だと私は分析しました。
　一方、サビでは裏声が多用されているため、器用な裏声の発声が不可欠になります。また、地声レンジなどもimaseさんの抑揚の付け方などに気を付けて、練習に励みたいです。


　『Have a nice day』は器用な裏声が不可欠な楽曲ですが、音域だけを見ると比較的取っつきやすそうです。また、比較的ゆったりとした楽曲でありながらも、ノリがよく聴いていて気持ちがいい作品です。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。