J-POPの音域を調べる

J-POPを中心にボーカルの音域を調べていきます。楽曲の感想なども述べています。

J-POPを中心に歌メロディーの音域を調べ、楽曲の感想なども述べていきます。カラオケや歌ってみたなどに役立てて頂ければ幸いです。

『orion』『かいじゅうのマーチ』(米津玄師)の音域


 こんにちは。今回は米津玄師さんのアルバム『BOOTLEG』(2017)から、『orion』、『かいじゅうのマーチ』(2017)の2曲を取り上げます。よろしくお願いします。(※『かいじゅうのマーチ』については、音源の添付はありません)

  ※米津玄師さんの音域について、当ブログではこれまでに、『アイネクライネ』『爱丽丝(アリス)』『打上花火』(DAOKO×米津玄師)『打上花火』(米津玄師ソロver.)『馬と鹿』『海の幽霊』『orion』、『かいじゅうのマーチ』『恋と病熱』『春雷』『Nighthawks』『ナンバーナイン』『灰色と青 ( + 菅田将暉)』『飛燕』、『LOSER 』『ピースサイン』、『砂の惑星』米津玄師作詞作曲『パプリカ』(Foorin)『パプリカ』(米津玄師セルフカバー)『Flamingo』『フローライト』、『メトロノーム』『マトリョシカ』を取り上げています。興味を持たれた方は参考にどうぞ。

①『orion』(米津玄師),orion(Kenshi Yonezu)



【地声最低音】mid1D(D3) ※Cメロ部分

★真っ白でいる 陶器みいな 声をしいた 冬の匂いだ


【地声最高音】hiA#(A#4)  ※ラストのサビの中での最後1か所のみ

あの座のように(む欲しくて hiA#(A#4),mid2G#



【裏声最高音】  hiA#(A#4) ※通常とラストサビ含め計6か所

あの座のように(む欲しくて hiA#(A#4),mid2G#


『orion』(米津玄師)









 
まずは、『orion』についてです。この楽曲はアニメ『3月のライオン』のエンディング曲としても起用され、話題を呼びました。楽曲としてはエレクトロポップフューチャーベースのような趣向が凝らしてあります。
 歌詞についてはサビで繰り返される「あの星座のように結んで欲しくて」も独特ですが、
真っ白でいる 陶器みたいな 声をし ていた 冬の匂いだ」というフレーズが特に気になりました。『冬の寒々しさや乾いた感じ』、『夜の時間』、『コンクリートの造りをしたあまり物の置いてない部屋』、『女性の透き通る声』を想起させます。非常に秀逸な言い回しだと思いました。ミュージックビデオはそうしたイメージを意識しているのではないかと勝手に想像しています。





 さて、『orion』の音域についてですが、
地声最低音 mid1D(D3)~地声最高音hiA#(A#4)、裏声最高音hiA#(A#4)で構成されています。サビの部分が独特であり、そこがとっつきにくい部分だと思います。ラストの大サビの部分ではそれまで裏声だった発声が地声になり難易度が上がりますが、普通にカラオケなどで歌う場合はあまり気にしなくても良いと思います。

 
声に余裕がある方はサビの部分は伸びやかに歌うことを心がけると、メロディーの美しさや詩の美しさが活きると思います。特に女性が歌う場合は、そう感じます。




②『かいじゅうのマーチ』(米津玄師) ,Kaijuu no March


【地声最低音】mid1B(B2)

★喜んでくれるのかな そうだと嬉(うれ)しいな(Aメロ)
★そのま超えて 海の向こうへ
★友達でいよう 信じ合う喜びから もう一度始めよう mid2G#(G#4)  、mid1B(B2)
(2番のAメロで地声の最高音と最低音が混在する)

【地声最高音】mid2G#(G#4)  

★いつまでも絶えることなく 友達でいよう
★あなたと迎えたい 日(あした)のために 涙(なみだ)を隠しては
★胸に(こ)る一番星(んぼし)寂しいのに眩しいのに hiA(A4)裏声最高音



【裏声最高音】 hiA(A4) 

★今あなたと 出会えて
★胸に(こ)る一番星 寂しいのに眩しいのに
★また目覚めた朝に あなたと同じ 夢を見てすように(ラストサビのみ)


『かいじゅうのマーチ』(米津玄師)











 次に『かいじゅうのマーチ』についてです。この楽曲はアルバム『BOOTLEG』に収録された作品で、シングル曲ではありません。しかし、非常に美しいギターサウンドと歌メロディー、空に抜けるようなシンセサイザーが象徴的で隠れた名曲といえると思います。アルバム『BOOTLEG』は好セールスを記録した作品ですが、この『かいじゅうのマーチ』はいずれ再発見される楽曲になるかもしれません。

 この楽曲は英国のロックバンドThe Cure(ザ・キュアー)から影響を受けたサウンドになっています。日本だとスピッツの『群青』やラルクアンシエルの『Dive to Blue』が非常にキュアーっぽさを感じる楽曲です。
 また、歌詞については森山良子さんの『今日の日はさようなら』、合唱曲『怪獣のバラード』のオマージュになっております。そうした作品と聴き比べてみるのも面白いかもしれません。

 
 さて、『かいじゅうのマーチ』の音域についてですが、地声最低音   mid1B(B2)~地声最高音 mid2G#(G#4)、裏声最高音hiA(A4)になっております。
 注意点としては、2番途中で登場する「いつまでも絶えることなく 友達でいよう 信じ合う喜びから もう一度始めよう」というフレーズです。ここは地声の最高音と最低音が混在する場面です。

 米津さんの楽曲では節回しが速い曲が多いのですが、この楽曲はゆとりのあるメロディーになっています。丁寧な発声を心がけると、非常に報われると思います。


 





『アンサー』BUMP OF CHICKENの音域と感想

(2019/3/13)音域表記のミスがあったため修正しました


 こんにちは。今回はBUMP OF CHICKENの配信限定シングル『アンサー』(2016)を取り上げます。BUMP OF CHICKENを当ブログで取り上げるのは今回が初めてとなります。よろしくお願いします。


『アンサー』BUMP OF CHICKEN、Answer(BUMP OF CHICKEN)
2016年12月21日リリース


【地声最低音】mid1C#(C#3) Aメロに見られます

★魔法の言葉覚えてる 虹の始まった[と]ころ


【地声最高音】mid2F#(F#4)  サビで見られます

★そだけ 分かってる 僕(ぼ)だけ 分かってる



【フェイク】    hiB(B4)    楽曲のラスト(youtube公式動画の5:07辺りから)

『アンサー』BUMP OF CHICKEN















 さて、BUMP OF CHICKENの『アンサー』ですが、この楽曲は配信限定シングルとしてリリースされていますが、フィジカルでのリリースはまだありません。『アンサー』はBUMP OF CHICKENのyoutube公式チャンネルでは1800万回超再生されており、近年の楽曲では人気の高い作品になっております。次のアルバムで収録されることが期待されます。
 
 この楽曲は、テレビアニメ3月のライオン』のオープニング楽曲として書き下ろされた作品であり、私も好きなアニメであります。原作者の羽海野チカさんの漫画作品は『3月のライオン』、『ハチミツとクローバー』どちらも非常に好きな作品であります。漫画好きのBUMP OF CHICKENもこの『3月のライオン』をフェイバリットに列挙しております。

 さて、この『アンサー』ですが、サウンドの特徴としては英国のロックバンドColdplayやU2などの影響を感じます。近年のBUMP OF CHICKENの作品は非常にキラキラしたクリーンなサウンドが展開されております。活動初期やセールスの全盛期の彼らは小気味のよい若者らしいギターサウンドで多くのフォロワーを獲得してきましたが、バンド自体も少しずつ変化・進化していってるようです。
 
 サウンドで個人的に好きな点は楽曲の2番から展開されるベースギターのフレーズです。1番と2番で大きく変化しており、この楽曲の盛り上がりを縁の下で支えております。個人的にベースが存在感を示すバンドというのは非常に好みです。
 

 歌詞の点では『3月のライオン』の主題歌ということもあって、藤原基央さんの繊細な表現描写が目を引きます。個人的に印象に残ったフレーズは「鈍く残った 痛みとか しまってしまった 想いとか 滲んだって 消えないもので 町はできている」という箇所です。『アンサー』は楽曲全体を通して素晴らしいフレーズで溢れていますが、敢えて挙げるならここです。

 『鈍く残った痛み』『しまってしまった想い』というものは、観察者の鋭敏な感性が無ければ見逃してしまいますし、価値を見出すことも出来ません。それを『滲んでも消えない』と拾い上げ、『町ができている』とまで表現しています。藤原さんのセンスがキラリと光るフレーズであると思います。




 さて、『アンサー』の音域についてですが、
地声最低音mid1C#(C#3)~地声最高音mid2F#(F#4)、フェイク hiB(B4)といった音域で作られています。アニメの主題歌ともあって、「Aメロが導入で低音部、Bメロで少しずつ盛り上がり始めて、サビで一気に開けていく」という分かりやすい展開であります。
 楽曲の最後に出てくるフェイクの部分「Fu~~」は、もしかしたらカラオケ等では省略されてしまうかもしれません。特段の事情が無い限り、あまり気にする必要は無いと思います

 楽曲全体としては一般の男性の音域の範囲内に収まります。非常に手の付けやすい楽曲であると思います。ただ、歌詞は非常に特徴的であるためしっかり覚えておいた方がいいでしょう。特にサビの部分は音程が上がるために見た目以上に余裕が無くなります。ただ歌うだけなら問題ないかもしれませんが、『歌いこなす』にはやはり努力がある程度必要になると思います。

 この楽曲はユニセックスで男女差を超えたような歌詞やメロディーであると思います。女性が歌っても全く違和感が無いと思います。女性が原曲キーで歌うのは難しいので、キーを4~5上げる(#4~#5)といいと思います。個人差があるので、各々微調整してください。とても良い曲です。
 
 

『Taking Off』(ONE OK ROCK)の音域と感想

(20190/3/13)地声最高音の歌詞部分がズレて表記されていたので修正しました※1

 
 こんにちは。今回はONE OK ROCKのTaking Off』(2017)を取り上げます。この楽曲はアルバム『Ambitions』(2017)に収録されいる楽曲です。よろしくお願いします。

 ONE OK ROCKについては、以前に『Change』、『Stand Out Fit In』を取り上げました。これら3曲はアルバム『Eye of the Storm』(2019)に収録されいます。今回の『Taking Off』4曲目となります。


『Taking Off』(ONE OK ROCK)

2017年1月11日発売【8thアルバムAmbitions』収録



【地声最低音】mid1E(E3) ※サビのフレーズ、1オクターブ下を歌唱

We're ta king off together
★Even though we always crash and burn



【地声最高音】hiC#(C#5)  


I know I know We're taking off together [hiB]
Even though we always crash and burn ※1


『Taking Off』(ONE OK ROCK)











 さて、ONE OK ROCKの『Taking Off』。この楽曲はアルバム『Ambitions』に収録されていますが、ワーナー・ブラザーズ配給映画『ミュージアム』の主題歌としても起用され、2016年9月16日に配信シングルとして、アルバムに先立ってリリースされております。『ミュージアム』は週刊ヤングマガジンで連載されていた漫画が映画化されたものです。
 
 『Taking Off』の歌詞についてですが、いわゆる「いま続いてる退屈な現実から抜け出す」といった世界観になっております。タイトルの『Taking Off』は日常では、『(飛行機などが)離陸する』といった意味で使われることが多いです。
 歌詞の中に「Realizing, everything I love is slowly killing me」とあります。訳すると「気づき始めたんだ、自分が愛しているものがゆっくり自分を殺していることに」となります。自分が愛するものや居心地の良い場所が必ずしも素晴らしいものとは限りません。少々極端な例ですが、暖かい布団の中に入っていると、いつまでも外に出たくない気持ちになることも多いと思います。布団の中は心地いいですが、『善き自分』であるため頑張って起き上がり、私たちは行動し始めるのだと思います。

 歌詞の中では、新しい自分を探して、「一緒に飛び立とう(We’re taking off together)」、「たとえいつも墜落して炎上しても、地獄に落ちても、その手は離さない」と歌っております。ONE OK ROCKらしい前向きな歌詞だと思います。




 


 『Taking Off』の音域についてですが、地声最低音   mid1E(E3)~地声最高音 hiC#(C#5)  で構成されています。注目すべき点は最低音域のmid1E(E3)は大サビの前の部分(動画の2:34辺りから)で使われている点です。音程はサビのフレーズの1オクターブ下を歌っています。最後のサビに向けての『静寂』を演出しています。
 ちなみにその部分を除くと、最低音はmid2B(B3)で、「取り戻せない何かがあ」(海外版では「Love the way it hurts」の部分)等が該当します。
 もし女性でこの『Taking Off』を歌う場合、大サビの前の『静寂』の部分をサビと同じ音程で柔らかく歌うという方法もありえるかもしれません。低音部よりも高音部に自信があるという人はそういう演出もあり得ると思います。
 
 さて、問題は男性が歌う場合ですが、一般的な音域の男性が原曲キーで歌いこなすにはかなりの努力が必要だと思います。当ブログで取り上げたONE OK ROCKの楽曲の中では、恐らく難しい部類に入る曲だと思います。裏声やかすれ声で逃げたりするのも難しいと思います。音域的には高音部に重きが置かれているので、キーを下げるのも手だと思います。
 ただ、この『Taking Off』はONE OK ROCKの楽曲全体の中では特筆するほど難しいというわけではありません高音域が非常に得意な人の場合は、選択肢に入ってくる楽曲です。

 歌いこなせると非常にかっこいい楽曲だと思います。