『あなたは煙草 私はシャボン』(ラブリーサマーちゃん)の音域

　こんにちは。今回はラブリーサマーちゃんの『あなたは煙草 私はシャボン』(2016)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『あなたは煙草 私はシャボン』(ラブリーサマーちゃん)









【地声最低音】mid1G#(G#3)　

★m2A#[せ]っけんの[か]おりでちょっと【Cメロ】
★m1G#–2A#[セ]ン]チメン1G#[タ]ルになっても
★カレンm1G#地–m2G#[ダ[ー] 痩せて2G#[い]くだけ


【地声最高音】hiA#(A#4)　※Aメロなど全体で23回

★m2G#[背伸び]を[したっ]て[とhiA#地[ど]か]な[い]【Aメロ】
★m2G#–hiA#地{曇りが[ち]なA#–hiC#裏[あ[の]そ]らが
★今さm2A#[ら]さ [せ]つhiA#地[な]いA#–hiC#裏[よう[な]【Aメロ】
★hiC#裏–C–hiA#地[あ]め]の]匂いが染み込A#地[ん]だ【サビ(orBメロ)】
★大人のあhiA#地–C裏–hiC#[な[た[は]たC裏–C#[ば[こ]
★私はシャm2G#–hiA#[ボ[ン]玉
★ハードな夜が なm2G#–hiA#[が[れ]出]す【2番Aメロ】



　まず、『あなたは煙草 私はシャボン』についてです。この楽曲は、2016年に女性シンガーソングライターのラブリーサマーちゃんによりリリースされたアルバム『LSC』に収録されています。同曲は元は2014年頃にリリースされていた作品ですが、メジャーデビューに伴い、再ミックスされました。

　『あなたは煙草 私はシャボン』はダウナーなスローロックです。同曲はアルバムのリード曲で、非シングルですが、SNSなどをきっかけに知名度が大きく上昇し、YouTubeで公開されている音源などは1000万回近い再生回数に達しています。2025年末には、フル尺でMVが公開されました。


　『あなたは煙草 私はシャボン』の音域的な特徴についてです。同曲は女性の音域の範囲内（やや低めか）で歌メロが作られています。一般的な音域の女性が原曲キーで歌唱しやすい楽曲です。
　今回の楽曲は全体的にしっとりした作品であり、気だるげに歌唱されています。地声最高音はhiA#程度であり、柔らかな発声が特徴的です。地声の中高音としてはmid2G#～hiA#辺りが多く、J-POP女性曲としてはやや控えめの高さです。低音についても大よそ標準的であり、一般的な音域の女性が歌いやすい曲です（Cメロが一番低い）。ただ、ボーカルが気だるげですので、そうしたニュアンスを上手く表現したいです。また、「高音域が非常に得意な女性」などは若干キーを上げてもよいと私は推定しています。

　男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから３～５つ程度下げてみてください。「高音域が非常に得意な男性」については原キーでも歌唱しうるかもしれませんが、若干キーを下げた方がより安定するのではないかと私は推定しています。



　最後に『あなたは煙草 私はシャボン』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G#(G#3)～【地声最高音】hiA#(A#4)、【裏声最高音】hiD#(D#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域としては標準的（orやや低め）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1G#はCメロで登場します。この辺りは女性の音域の範囲内で比較的歌いやすい低音になります。ただ、「高音域が非常に得意な女性」などは少し歌いにくい可能性もあるため、場合によっては少しキーを上げてもよいかもしれません。

　次に、地声最高音hiA#はAメロサビと広く登場します（登場回数は23回程度）。このhiA#は女性の地声高音としては標準的です。ただ、今回はしっとりした柔らかな発声であるため、低音寄りの声域の女性だと少し高く感じるかもしれません。「標準より低めの音域の女性」などは、hiA#等も裏声を上手く駆使して歌うのもよいと思います。


　『あなたは煙草 私はシャボン』は低音域に余地があるため、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。今回は地声音域がそこまで広くはないため、ビギナー向けの調整も可能だと私は分析しています（裏声が多用されており、慣れていない人だと難しい可能性がある）。
　今回の楽曲はメロやリズムなどは比較的わかりやすいです。音域がマッチするのであれば練習曲やカラオケにもよいと思います。同曲は、地声と裏声の器用な使い分けがなされているため、そうした発声の練習に非常によいのではないかと思います。

　『あなたは煙草 私はシャボン』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G#～hiA#(裏声はhiD#まで)といった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はこれらの地声高音が多いですが、J-POPの女性曲としては高音が若干控えめです。低音はmid1G#と標準的ですが、低音が苦手な人だと歌いにくい可能性もあります。
　こうした点を考慮すると、「標準よりやや低め～標準よりやや高めの音域の女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、「標準より低めの音域の女性」についても裏声をより多用すれば原曲キーがマッチする可能性があります。一方、「高音域が得意な女性」などはいくらかキーを上げるとより歌いやすいと私は分析しています。

【まとめ】

①女性曲としては標準的。気だるげな雰囲気が魅力
②原キーだと「標準よりやや低め～やや高めの音域の女性」に合いそう
③裏声が多い。地声との器用な使い分けが不可欠
④メロは分かりやすく、練習曲向き（キー調整もしやすい）
⑤盛り上がる曲ではないが、気だるげな雰囲気を練習するのに良い