『すごい速さ』( andymori ) の 音域

　まず、『すごい速さ』についてです。この楽曲は、２００９年にロックバンドandymoriによりリリースされたLP『都会をすごい速さで走るベンガルトラ』に初収録されました。アルバムとしては、同じ年に発表された1stフルアルバム『andymori』に収録されております。同アルバムには、『FOLLOW ME』、『everything is my guitar』、『ベンガルトラとウィスキー』、当ブログでも以前取り上げた『誰にも見つけられない星になれたら』（過去記事）といった楽曲が収められております。

　さて、『すごい速さ』は非シングル曲でありますが、ミュージックビデオも制作されるなど人気が高い1曲です。また、最近はTik Tokで話題になっており、バンド解散から１０年が経ったにも関わらず、再び注目が集まっております。同バンドは私自身非常に好きなのですが、いい機会だと思い今回記事にしてみました。


　『すごい速さ』はアップテンポのバンド曲です。３人のバンドサウンドが活きたロックらしいサウンドアレンジとなっており、疾走感があります。歌メロについてはAメロとサビから構成されておりシンプルです。演奏時間が2分弱と短く、全体的に密度の濃い楽曲です。こうした点が、最近のブームの一旦を担っているのではないかと私は推測しています。作詞作曲はボーカル＆ギターの小山田壮平さん、編曲はバンドによりなされました。

　『すごい速さ』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としては高めのレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲はAメロ⇒サビと歌メロが盛り上がります。Aメロでもやや中高音に寄っており、mid2E辺りが見られ、サビではmid2F#～hiAなどの中高音域が連続します。こうしたことから相対的に「中高音域が得意な男性」の方がマッチしやすい曲といえそうです。

　女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回は低音域については体感的には高く、女性でも原キーで歌えなくはないレンジです。ただ、女性の得意なレンジを考慮するといくらかキーを上げた方がよりマッチしやすいと私は推測しています。一方、「標準より低い音域の女性」などは原キーが合う可能性もありますので、その辺りは各々実際に歌唱してみてください。



　最後に『すごい速さ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)～【地声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1Eは２番Aメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。今回は見た目の音域以上に高く、男性だと問題は少ないのではないかと思います。また、女性にとっては若干低い可能性がありますので、はmid1Eを別の高い音で置き換えてもよい思います（キーを上げてもよい）。

　次に地声最高音hiAはサビで登場します。登場回数は１２回程度です。この辺りは男性の音域としては高く、また連続して登場します。こうしたことから、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすそうです。一つの目安ですが、原曲キーから２～３つ程度下げてみてください。


　『すごい速さ』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。今回の楽曲は、体感的には低音域が高く、キー調整などは比較的しやすいと私は推測しています（その分原キーで高く感じやすい）。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することができると思います。音域的にはビギナー向けの調整も可能なのではないかと思いますが、今回の楽曲は歌メロが比較的速いため、慣れていない人などは注意したいです。
　今回の楽曲はメロディーは分かりやすいです。ノリの良いバンド曲ということもあり、カラオケなどにも向きやすそうです。一方、今回は、歌メロがやや速く、息継ぎなどがしにくそうな場面もあります。そのため、歌詞などをしっかり覚えた上で、息継ぎを入れる場面などを確認しておきたいです。

　『すごい速さ』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E～hiAといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はサビを中心にこれらが登場しますが、Aメロでもmid2Eが見られます。低音域については最低音がmid1Eですが、体感的には高く感じやすいのではないかと私は推測しました。
　こうしたことを踏まえると、おおまかに「高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、「標準より低い音域の女性」なども原キーが視野に入る可能性があります（一般的にはキー上げを推奨します）。


【まとめ】

①Aメロもやや中高音寄りで、サビはそれなりに高い（低音は見た目より高い印象）
②原キーだとざっくり「高音域が得意な男性」等に合いやすそう
③女性はキー上げ推奨だが、「標準より低い音域の女性」は原キーが合う可能性もある
④メロは分かりやすくカラオケ向き。息継ぎなどがしにくそう場面があるので、注意