『I’m waiting for my dawn』(BiSH)の音域 [2020年]

★無表m2A[情] 人は こころなくしたまま 笑いあいたいのm2A[に]【Aメロ】

★hiA[so] long [や]だな 一緒[に]hiD–hiE[い[た]いや]【サビ】

【補足】hiA(一部略)～hiDを含むフレーズ一覧

★hiB[い]ろを変えてくそm2A[ら] きらりきらり 唄いB[あ]hiA[い]たいよ say yes【Bメロ】

★hiA[足りない足りない なんでもいいから言]hiB[葉][が]欲しい【サビ】
★hiA[so] long [や]だな 手と手hiD[合]hiB[わ]せ[たい]

★hiB[ひ]hiC#-hiD[か[り]の]hiA[方]へ行こう m2A[夜]明けを待ちhiA[わ]びてるよ

　まず、『I’m waiting for my dawn』（アイム・ウェイティング・フォー・マイ・ドーン）についてです。この楽曲は、2020年にリリースされたアルバム『LETTERS』（レターズ）に収められております。同アルバムは、元々シングル『TOMORROW』としてのリリースが予定されておりました。ただ、新型コロナウイルス感染症の流行でコンサートが中止され、それに伴い、シングル収録予定の3曲に加え、新曲が追加され、7曲収録されたミニアルバムとなりました。

　その中で『I’m waiting for my dawn』は新曲として録音された作品となり、ミニアルバムでは最後の7曲目に収録されており、アルバムのフィナーレを飾ります。同曲はタイアップなどはございませんが、BiSHの YouTube 公式チャンネルでライブ映像が公開されるなど、人気の高い1曲となっております。
　BiSHは近年はアルバムランキングで週間1位を記録するなど、人気が上昇しております。 また、アイナジエンドさんのやアユニ・Dさんのソロなども行われており、活躍が目覚ましいです。2021年末には紅白歌合戦への出場も決定しております。


　『I’m waiting for my dawn』はミドルテンポのバンドナンバーです。イントロのエレキギターのフレーズなどが非常に耳に残ります。ストリングスなども用いられておりますが、全体としてバンド感がある作品となっております。余談ですが、元々シングルとして予定されていた『TOMMORW』もロック色が強い作品となっております。歌メロについては、AメロBメロサビといった形で作られており、馴染みやすいと思います。メロディーも全体的に親しみやすいです。
　同曲の作詞はメンバーのセントチヒロ・チッチ、作曲はプロデューサーでもある松隈ケンタさん、アレンジは松隈さんなどを中心としたクリエーター集団SCRAMBLES（スクランブルズ）によりなされております。松隈ケンタさんおよびSCRAMBLESは、BiSHの殆どの作品の作曲編曲を手掛けており、サウンド面での核とも言えます。
　ちなみに、タイトルの「I’m waiting for my dawn」は歌詞の終盤でも登場するように「夜明けを待っている」となります。

　『I’m waiting for my dawn』の声域的な特徴についてです。同曲はサビで地声のhiEが登場するなど女性としては高いレンジで歌メロが作られております。通常はキーを下げた方が歌いやすいです。
　当ブログではBiSHの楽曲については、過去に『プロミスザスター』(過去記事)、『My landscape』(過去記事)といった作品を取り上げておりますが、いずれも女性としては高めの作品となります。また、複数人がボーカルを担当しているという点もあり、1人で原曲キーを歌うのはやや大変かもしれません。
　ちなみに、BISHの人気曲の1つでもある『オーケストラ』は最高音がhiBとそこまで高くないようです。複数ボーカルがいるので、そうした面での検討も必要ですが、BISHの作品としては『オーケストラ』を選択肢に入れてみてもよいかもしれません。

　最後に『I’m waiting for my dawn』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3)～【地声最高音】hiE(E5) 、【裏声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の声域よりも高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最高音hiEについてはサビで登場します。各サビで1回ずつ、曲全体では3回程度であり、そこまで多くはありません。ただ、hiE以外にも地声でhiDを含むフレーズが複数登場するなど、女性としてはやはり高いレンジとなります。一般的な女性の場合は、キーを下げた方が歌いやすいです。目安としてですが、原曲キーから２～３つ程度下げてみてください’（♭２～♭３）。

　『I’m waiting for my dawn』は低音部分に若干の余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに合わせることができるのではないかと思います。ただ、地声最低音のmid2Aも意外と登場回数が多いですので、キー下げすぎると、逆に低音域が歌いにくくなる可能性もあるのではないかと思います。ビギナーの方など、キーを下げても難しいと感じた場合は、別の易しい曲と並行して練習してください。

　『I’m waiting for my dawn』を原曲キーで歌唱する場合、先にも述べたように、hiE,hiDといった女性では高めのレンジをしっかり歌いこなせる力が求められます。そのため、ある程度高音域が得意な女性が合いやすいです。ただ、原曲の歌唱などを聴いてみると、hiEの部分などはかなり声を張って歌唱されております。私なりのイメージですが、ロック系、ソウル系の曲などに歌い慣れている女性は意外と出やすいかもしれません。このhiEくらいがしっかり出せる女性は、J-POPの女性曲についてもかなり幅広く歌いこなせるのではないかと思います。

　ちなみに、音域面以外の側面についてですが、サビでの歌いまわしが若干速いので、滑舌が悪いと意外と苦戦するかもしれません。全体的には難しいリズムなどは多くないと思います。歌詞やメロディーなどをしっかりと覚えておきたいです。

　『I’m waiting for my dawn』はメロディーなども比較的親しみやすく、カラオケなどでも歌いやすいと思います（原曲キーでの歌唱はやや大変）。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。