『極彩色』( Reol ) の 音域

　まず、『極彩色』（ごくさいしき）についてです。この楽曲は、２０１５年に女性歌手のReol（旧名義れをる）さんによりリリースされたシングル作品です。アルバム『極彩色』の先行シングルとして配信リリースされました。同アルバムは、ボカロPを中心としたクリエーターにより楽曲が制作され、『ロジックエージェント』などの楽曲が収録されております。また、Reolさん自身も作詞作曲編曲を担当している作品もあります。
　『極彩色』はシンセアレンジが効いたポップ・EDMナンバーです。歌メロはAメロBメロサビと展開します。同曲の作詞はれをるさん、作曲編曲はGigaさんによりなされました。ReolさんとGigaさんはインディーズ時代より縁が深く、音楽ユニットREOLとして一緒に活動していた時期もありました。当ブログで取り上げた『第六感』(過去記事)も作曲編曲をGigaさんが手掛けております。


　『極彩色』の音域的な特徴についてです。同曲は女性の音域としてはかなり高いレンジで歌メロが作られております。そのため、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲は最高音の高さも目立ちますが、全体的に高音寄りの曲であり、AメロでもhiC#やhiD#といった高音が登場します。そのため、ある程度高音域が得意な人でも体力的にも辛くなりやすい楽曲であると推測されます。
　ちなみに、男性が同曲を歌唱する場合、当然キーを下げた方が歌いやすいです。ただ、カラオケなどの際は、「キーを少し上げて、オク下げで歌う」というやり方のが合うのではないかと思います。同曲は音域自体が広いため、歌い慣れた人向けの作品になります。



　最後に『極彩色』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G#(G#3)～【地声最高音】hiF#(F#5)、【裏声最高音】hiF#(F#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、かなり高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最高音hiF#についてはサビで登場します。登場回数は全体で4回程度です。このhiF#以外には、サビでhiFが5回前後登場します。このhiF,hiF#は女性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから３～４つ程度下げてみてください（これでも結構高いはずです）。

　『極彩色』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。ただ、今回は、高音域が非常に高い分、音域も広くなっております。そのため、歌い慣れた人がキー調整をしたとしても、一部難しく感じられる部分が出てくる可能性があります。
　よって、『極彩色』は「キー調整をしたとしても、ある程度高音域が得意な女性向け」の楽曲であると私は分析しました。同曲はメロディー自体はある程度分かりやすいのですが、音程が急に上がったり下がったりする場面があり、その点でビギナーにも向きにくいです。この辺りは、作曲をボカロPのGigaさんが担当しているということもあると思います（GigaさんはAdoさんの人気曲『踊』(過去記事)も担当している）。

　『極彩色』を原曲キーで歌唱する場合、hiB～hiF#といった高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。先述のように、同曲は全体的に高音寄りですので、スタミナも不可欠になります。これらを踏まえると、「高音域が非常に得意な女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。

　ちなみに、同曲はメロディーとメロディーの間隔が短いところがあり、息継ぎがしにくいです。歌う際に、「どこで息継ぎを入れるか」、「どこかで妥協する必要があるか」といったことまで整理しておくとよいと思います。また、歌詞やメロをしっかり覚えておくことも必須です。


　『極彩色』はダンサブルなポップであり、聴いていて心地よい楽曲です。難易度は高いですが、カラオケで歌いこなせると楽しいと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。