『SPARK』(THE YELLOW MONKEY)の音域

　まず、『SPARK』（スパーク）についてです。この楽曲は、１９９６年に４人組ロックバンドTHE YELLOW MONKEYによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、『TRIAD YEARS actI〜THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY』というベストアルバムに初収録されました。同アルバムはバンドの初期の人気曲が収録されており、出荷ベースで１２０万枚を超え、日本レコード協会よりミリオン認定がなされました。
　※ただ、１９９６年のベストアルバムはメンバーの非公認のアルバムらしく、公式としては２００４年の『MOTHER OF ALL THE BEST』がアルバム初収録となります。


　さて、『SPARK』はアッパーなバンド曲です。この頃、イエモンは前作の『JAM』が大きなヒットを記録しており、そうした中で同曲がリリースされました。大きなタイアップがあったわけではありませんが、最終的に50万枚を超えるヒットとなり、日本レコード協会よりプラチナ認定（旧基準）がなされました。作詞作曲はボーカルの吉井和哉さん、編曲はバンドによりなされました。


　『SPARK』の音域的な特徴についてです。同曲は、おおよそ一般的な男性の音域の範囲内で歌メロが作られております。そのため、歌い慣れた人であれば、原曲キーがマッチするという男性も多いと思います。
　同曲は曲全体を通してmid2C#～mid2D辺りが多く登場し、サビではmid2E,mid2F#といった音階が見られます。こうしたことから、一般的な男性でも取っつきやすい音域だといえます。
　逆に、ある程度高音域が得意な男性だと、原曲キーでの歌唱はしにくい可能性もあります。過去に同曲をカバーした秦基博さんは、イエモンよりも３つ高いキー（mid1F#～hiA）で歌唱されているため、高音域が得意な人は秦さんのレンジを参考にしてみるのもよいと思います。
　同曲は要所要所で半音の音程移動が見られます。そのため、音程を取るのが苦手な人だと少し歌いにくく感じられるかもしれません。原曲をしっかり聴き込んでおきたいです。

　女性が同曲を歌唱する場合についてです。『SPARK』は、2023年にガールズグループのBiSHによりカバーされております。BiSHは原曲よりも5つ高いキー（mid1G#～hiB）で歌唱されております。女性が同曲を歌唱する場合、この辺りが1つの目安となりそうです。高音域が得意な女性はもう少しキーを上げてもよいかもしれません。



　最後に『SPARK』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)～【地声最高音】mid2F#(F#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内です（歌い慣れた人の場合）。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1EはAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、サビではmid1F#,mid1F辺りがコンボとなっている場面もあり、高音域が得意な男性だと少し歌いにくいかもしれません。

　次に、地声最高音mid2F#はサビで登場します。登場回数は2回程度です。このmid2F#以外の場面ではmid2FがDメロで1回、mid2Eが5回程度登場します。こうしたことから、大よそ一般的な男性の音域の範囲内といえます。低音域に余地があり、場合によっては少しキーを下げるのも良さそうです。


　『SPARK』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。同曲は音域自体はそこまで広くなく、キー調整の融通は利きやすいです。そのため、高音域が得意な男性などはキーを上げるのもよいと思います。
　一方、同曲は半音の移動が多く、音程が取りにくい場面も要所でみられます。そのため、原曲をしっかり聴き込んで、慣れておきたいところです。音程を取るのが苦手な人だと、少し歌いにくいかもしれません。その点は留意しておいてください。

　『SPARK』を原曲キーで歌唱する場合、mid2C#～mid2F#といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回は最高音が高くない分、標準的な男性でもマッチする可能性があります。反面、高音域が得意な男性は少し歌いにくく感じられるかもしれません。
　こうしたことを踏まえると、「標準的～標準よりやや高めの音域の男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。イエモンは1990年代にブレイクしたバンドですが、高音域が苦手な人でも原キーで歌えそうな曲も多くあります。興味を持たれた方は、他の曲もチェックしてみてください。


【まとめ】

①おおよそ一般的な男性の音域の範囲内
②原キーだと「標準的～標準よりやや高めの音域の男性」などに合いやすそう
③音程が取りにくい場面が多いので、その点は注意