カテゴリー

『I LOVE YOU』( 尾崎豊 ) の 音域

 こんにちは。今回は尾崎豊さんの『I LOVE YOU』(1983)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『I LOVE YOU』(尾崎豊)
『I LOVE YOU』(尾崎豊)の音域







【地声最低音】mid1E(E3) 

m1E[I] love you いm2Dm2E[ま[だ]け]は悲しい歌【Aメロ】
★かhiA裏[な]しいうA[た]に愛がしらけてm1EF#[しま]わ]ぬ様に【Cメロ】


【地声最高音】mid2F#(F#4) ※全体で9回

m2F#m2E[この部屋]は落葉に埋]もれた空き箱みたい【Bメロ】
m1Em1F#[き]し]むベッドの上で優2Em2F#[しさを持ち[より]ぃ]【Cメロ】


【裏声最高音】hiA(A4) ※BメロやCメロで多い

★(だからおまえは小猫の様な泣き声で) m2F#[Uh] G#[uh] hiA[uh]【Bメロ】
★きhiA裏[つ]く躰 抱きm2Em2D[し]めあ]えば【Cメロ】


【補足】mid2Eを含むフレーズ

m2E[何もか]も許[さ]れた恋じゃないから【Bメロ】

 まず、『I LOVE YOU』についてです。この楽曲は、1983年に男性シンガーソングライターの尾崎豊さんによりリリースされたアルバム『十七歳の地図』に収録されております。同アルバムは、『I LOVE YOU』、『十七歳の地図』、『OH MY LITTLE GIRL』、『僕が僕であるために』といった尾崎さんの代表的な楽曲が多く収められております。
 アルバムは、当初はLP、カセットなどで約13万枚のセールスを記録しました。その後、CDでのリリースが行われますが、1992年の尾崎さんの逝去に伴い、爆発的にヒットしました。1990年代末には日本レコード協会よりクワドラプル・プラチナ(160万枚)の認定がなされております。

 さて、『I LOVE YOU』は元々アルバムの1曲でしたが、リリースから8年を経てシングルとして発表されました。既存曲のシングルではありますが、約80万枚のCDヒットを記録し、生前の尾崎さんの作品としては最大のヒットのとなりました(日本レコード協会よりダブル・プラチナ認定[旧基準])。
 同曲はCD曲としても何度もタイアップを受けており、カバーも多くなされております。2010年代には配信、2023年にはストリーミングでもそれぞれゴールド認定がなされており、今も長く愛され続けていることが分かります。尾崎さんの代表的な楽曲の1つです。


 さて、『I LOVE YOU』はピアノを基調としたスローナンバーです。元々は、アルバムの曲数が足りなかったため、急遽制作された作品だそうで、全体的にシンプルなラブソングとなっております。歌メロはABCメロからなり全体的にメロディアスです(J-POPで多く見られるようなAメロBメロサビといった形とは少し異なる)。作詞作曲は尾崎豊さん、編曲は西本明によりなされました。


 『I LOVE YOU』の音域的な特徴についてです。同曲は大よそ男性の音域の範囲内で歌メロが作られております(体感的には「やや高め」)。低音域に余地があるため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいではないかと推測されます。
 同曲はAメロBメロCメロいずれも地声レンジはほぼ共通しており、mid2E,mid2F#といった中高音が比較的多く登場します。そのため、標準的な音域の男性にとっては体感的に少し高く感じるかもしれません。どちらかといえば中高音に寄っており、「標準より高め~高音域が得意な男性」には比較的マッチしやすい曲といえます。また、最近のJ-POP男性曲と比べると、高音が控えめであるため、練習曲にもよいと思います(カラオケなどでも人気が高い)

 女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。過去に、宇多田ヒカルさんが同曲を原曲よりも7つ高いキー(mid2B-hiC#(裏声hiE))カバーしております。この辺りが1つ参考になりそうです。私なりの印象では、宇多田さんよりも少しキーを下げた方がより歌いすそうだと感じました。



 最後に『I LOVE YOU』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】mid2F#(F#4)、【裏声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内(もしくはやや高め)です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1EはAメロとCメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内ですが、「高音域が非常に得意な男性」だと若干低く感じるかもしれません。場合によっては少しキーを上げるのもよいと思います。

 次に、地声最高音mid2F#はAメロBメロCメロと全体的に登場します。登場回数は全体で9回程度でありますが、mid2Eとのコンボで連続的に登場する場面があります。このmid2F#は男性の音域の範囲内ですが、歌い慣れていないとスムーズな発声が損なわれやすいです。ただ、比較的克服しやすい音階でもありますので、少しずつ練習を重ねてください。原曲キーで歌いやすい人も多いですが、場合によってはキーを調整するのもよいと思います。


 『I LOVE YOU』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することができそうです。今回の楽曲は地声音域はそこまで広くないため、ビギナー向けの調整も可能だと私は判断しました。ただ、尾崎さんのように歌いこなすには当然力量が求められるため、キー調整を考慮してもしっかり練習を重ねてください。
 同曲は、メロディーも覚えやすく、練習曲に向きやすいと私は分析しました。カラオケでも未だに多く歌われており、比較的おすすめしやすい1曲です。

 『I LOVE YOU』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D~mid2F#(裏声hiAまで)といった中高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。今回はmid2F#,mid2Eなどが連続的に登場するなどし、登場場面もAメロ~Cメロまで広いです。そのため、見た目の音域よりも体感的に少し高いのではないかと私は推察しております。低音はmid1Eまでであり、そこまで低くはありません。
 こうしたことを踏まえると、「標準的(orやや高め)~高音域が得意な男性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。「高音域が非常に得意な男性」については、場合によっては少しキーを上げるのもよさそうです。


【まとめ】

①地声最高音はそこまで高くないが、要所要所で中高音が登場する(やや中高音寄り)
②原キーだと「標準的(orやや高め)~高音域が得意な男性」に合いそう
③キー調整もしやすく、ビギナーの練習にもよさそう(歌いこなすには力量が必要)
④最近のJ-POP男性曲と比べると、高音が控えめ。メロもよく、カラオケ向き

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 名無し より:

    これぞ名曲ですね。ただ意外と低い曲ってわけでもないですよね。尾崎さんの楽曲はそういうのが多い気がします。

    • もりっしー より:

      コメントありがとうございます。
      ですね。最高音自体はmid2F#程度のですが
      意外と高音感がありますね。
      あと、やっぱり尾崎さんの声の良さというものを感じます。