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『ダンスホール』(尾崎 豊) の音域[1983年の作品]

こんにちは。今回は尾崎豊さんの『ダンスホール』(1983)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲になります。元々は、尾崎豊さんの別の曲についてリクエストを受けていたのですが、先にこの曲を取り上げたいと思い、記事にしました。

 なお、同曲は、アーティストおよびレーベルの公式チャンネルでMVが公開されておりません。よって、当ブログにおいても添付動画はありません。


『ダンスホール』(尾崎豊)、Dance Hall(Yutaka Ozaki)
『ダンスホール』(尾崎豊)の音域







【地声最低音】mid1D(D3) 

m1E[お]まえはずっとm1D[お][どっ]たね【サビ】

※【補足】をご参照ください。

【地声最高音】mid2G(G4)  ※曲全体で8回

★子猫のような奴でm1D[ぇ な]m2F#[まいき]m2E[な]F#[奴][ぅ]m2G【サビ】
m2E[こ]m2F#m2G[い[き][ド]ラ][ね]こってとこだよ 


【補足】

★はしゃいで踊りつづけてる m2D[おま]えを見つけた【Aメロ】



 まず、尾崎豊(おざきゆたか)さんについて少し説明します。尾崎豊さんは1983年にデビューした男性シンガーソングライターです(デビュー当時は高校生でした)。1985年にリリースされた2枚目のフルアルバム『回帰線』(かいきせん)が大きなヒットを記録します。10代の頃は、『卒業』、『15の夜』、『十七歳の地図』といった「支配や社会への反抗」テーマにした作品が多くの若者の支持を集めました。1980年代当時は、中高生の非行などが横行し、学校も管理教育などを徹底しておりました。そうした中で、尾崎さんの作品は音楽という枠を超えて注目を集めていきます。

 尾崎さんは「10代のカリスマ」、「社会への抵抗」といった側面が注目されがちですが、20代以降は「贖罪」、「愛」といったテーマに取り組んでおり、生前はそちらの方がセールスも伸びていたようです。残念ながら、1992年、尾崎さんは26歳で夭折されましたが、楽曲などは今の多くの人の心に残り続けており、頻繁にカバーもされております。
 尾崎さんの人気曲としては、先に挙げた作品に加え、『I LOVE YOU』、『OH MY LITTLE GIRL』、『Forget-me-not』、『僕が僕であるために』なども人気のようです。私自身は『路上のルール』や、今回取り上げる『ダンスホール』なども好きです。



 さて、『ダンスホール』についてです。この楽曲は、1983年に男性シンガーソングライターの尾崎豊さんによりリリースされたシングル『I LOVE YOU』のカップリング曲です。アルバムとしては、1985年のフルアルバム『回帰線』に収められております。また、2011年にはバラードベストである『I LOVE YOU〜BALLADE BEST』にも収められました。
 同曲は、元々は尾崎さんのデビュー以前に制作された曲であり、レコード会社のオーディションでも披露されておりました。この『ダンスホール』は、1982年に起きた「新宿歌舞伎町ディスコナンパ殺傷事件」がテーマとなっているようです。この事件は当時、女子中学生が犠牲になったことで、大きな衝撃を与えた未解決事件です。


 『ダンスホール』はアコースティックギターを基調としたポップナンバーです。キーボードの音色なども印象的です。歌メロはAメロサビで作られており、シンプルです。Aメロサビという流れが3番まで続くため、演奏時間自体は4分半程度になっております。作詞作曲は尾崎豊さん、編曲は西本明さんによりなされております。
 尾崎豊さんを手掛けたプロデューサーは須藤晃さんであり、他にも村下孝蔵さんや玉置浩二さんなどのプルデュースで知られております。須藤さんの息子は、あいみょんさんや菅田将暉さんの編曲も手掛けたトオミ ヨウです。

 『ダンスホール』の歌詞についてですが、「ダンスホールで出会った主人公と少女とのやり取り」がテーマとなっております。作中では、少女が非行に走り、学校を中退したことが描かれており、また金銭的な苦労も示唆されております。私自身は、この曲については、尾崎さんの原曲ではなく、女声シンガーのCocco(コッコ)さんがカバーされたバージョンで初めて知ったのですが、視聴した当時、特に耳に残った1曲であります。



 最後に『ダンスホール』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)~【地声最高音】mid2G(G4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内(一部が少し高いかも)です。以下、見ていきます。

 まず、地声最高音mid2Gはサビで登場します。曲全体では8回程度になります。この辺りは一般的な男性の音域の範囲内といえますが、歌い慣れていないとスムーズは発声が損なわれやすいです。また、同曲では【m2E[こ]m2F#m2G[い[き][ド]ラ][ね]こってとこだよ】とあるように、mid2Gとmid2F#のコンボとなっており、mid2Gとしては高さを感じるかもしれません場合によっては、少しキーを下げてもよいと思います。


 『ダンスホール』は低音部分に余裕があり、キー調整は可能です。歌い慣れた人であれば自分の歌いやすいレンジに調整できると思います。ただ、高音域が苦手な方やビギナーなどはもしかしたら歌いにくい部分が出てくるかもしれません。キー調整をしても難しいと感じた場合は、別の易しめの曲と並行して練習してください。

 『ダンスホール』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D~mid2G辺りの中高音はサビに限定されます。そのため、サビでmid2D~mid2G辺りをしっかり歌いこなせると形になりやすいです。一方で、高音域が非常に得意な男性は少しキーを上げた方が歌いやすいかもしれません。
 ちなみに、先に挙げたCoccoさんのカバーはmid2A~hiDで歌メロが構成されております(尾崎さんのバージョンより7つ高い[#7])。このバージョンは、一般的な女性にはやや高いかもしれません。女性の場合は、原曲キーより5つ高いmid1G~hiC辺りがよいのではないかと私は考えております。

 『ダンスホール』は歌詞がやや特徴的であり、カラオケ等でいつも歌いやすいという曲ではないかもしれません。ただ、尾崎さんの人気曲の1つであり、私自身も好きであります。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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