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『15の夜』( 尾崎豊 ) の 音域

こんにちは。今回は尾崎豊さんの『15の夜』(1983)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『15の夜』(尾崎豊)
『15の夜』(尾崎豊)の音域








【地声最低音】mid1D(D3) 

1E[ちょ]Em1D[こ[う]そ]D[ビル]の][えD[の]そ]【Aメロ】
★やりばのない気持の扉破m1Em1D[り[た]い]
m1Dm1E[心のひ]とつも[解りあ]えない]【Bメロ】

※厳密にいうと2番Aメロでm1Cが登場するが重要度はかなり低い


【地声最高音】mid2G(G4) ※全体で21回程度

m2Em2G[大人[た]ち]をにら[む]【Bメロ】
★とにかくもう 学校や家には帰りm2E[た]m2G[な]い]
★(自分の存在が何なのかさえ 解らず震えている) じゅm2G[うごの夜]
m2Fm2G[ぬ[すんだバ]イ][でG[は]しり]出す【サビ】
★行2E[き]先もわ[か]らぬまま [くm2F[ら]い夜の帳りのなm2G[か]へ]


【補足】midDmid2Eを含むフレーズ一覧

m2ED[そして仲間た]ち]E[こ]ん] E[家出のけい]か]くをたてる【Bメロ】

 まず、『15の夜』((じゅうごのよる)についてです。この楽曲は、1983年に男性シンガーソングライターの尾崎豊さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同時発売された『十七歳の地図』に収録されております。同アルバムは、『I LOVE YOU』、『十七歳の地図』、『OH MY LITTLE GIRL』、『僕が僕であるために』といった尾崎さんの代表的な楽曲が多く収められております。
 アルバムは、当初はLP、カセットなどで約13万枚のセールスを記録しました。その後、CDでのリリースが行われますが、1992年の尾崎さんの逝去に伴い、爆発的にヒットしました。1990年代末には日本レコード協会よりクワドラプル・プラチナ(160万枚)の認定がなされております。

 さて、『15の夜』は尾崎さんの記念すべき初のシングル曲です。セールスとしては、1990年代にリリースされたライブ版のCDが10万枚を超えるヒットを記録しました。また、2010年代には着うたフル(R)でも10万ダウンロードを記録し、日本レコード協会よりゴールド認定がなされております。『I LOVE YOU』、『OH MY LITTLE GIRL』、『卒業』などとともに尾崎さんを代表する楽曲の1つです。
 ちなみに、同曲はこれまでに他の歌手かもカバーがなされておりますが、2023年に男性シンガーソングライターの優里さんがカバーして話題となりました。


 『15の夜』はピアノやアコースティックギターなどを基調としたミドルテンポのバンド曲です。歌メロはAメロBメロサビといった構造があり、その点では親しみやすいのではないかと思います。歌詞については、10代の若者の鬱屈とした感情が描かれております。この辺りは、当ブログでも以前取り上げた『卒業』(過去記事)とも通じるものがあると思います。作詞作曲は尾崎豊さん、編曲は町支寛二によりなされました。

 『15の夜』の音域的な特徴についてです。同曲は、おおよそ一般的な男性の音域の範囲内(もしくはやや高め)で歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的には少しキーを下げてもよいと思います(当然原キーで歌うのもよい)。
 同曲は、Aメロは中低音中心、Bメロサビになると中高音の割合が増えていきます。そうしたこともあり、音域が広めの作品となっております。最低音mid1Dと最高音mid2Gいずれも登場回数が多く、見た目以上に音域が広く感じられると思います。

 ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、キーを上げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから5つ程度上げてみてください(最低音mid1G~最高音hiCに設定される)。



 最後に『15の夜』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)~【地声最高音】mid2G(G4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内、もしくはやや高めです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1DはAメロで登場します。いずれもmid1Eとのコンボになっており、見た目よりは低音感があるのではないかと思います。「高音域が得意な男性」などは少しキーを上げるのもよさそうです。

 次に、地声最高音mid2GはBメロとサビで登場します。登場回数は21回と多めです。こうしたことから、一般的な男性は少しキーを下げるのもよいのではないかと私は推測しております(原キーで歌える人も多いと思いますが)。一つの目安ですが、原曲キーから1つ程度下げてみてください。


 『15の夜』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意なレンジに調整することができると思います。ただ、同曲は最低音・最高音ともに登場回数が多いため、見た目以上に音域の広さがあります。そのため、もしかしたらビギナーなどは一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。
 同曲はAメロやサビ等は比較的メロが分かりやすいです。一方、Bメロは「語り」のようなニュアンスもあるメロであるため、リズムなどが少し取りにくいのではないかと私は推測しました。難易度が滅茶苦茶に高いというわけではないと思いますが、形にするにはある程度力量が求められそうです。

 『15の夜』を原曲キーで歌唱する場合、地声でmid2D~mid2Gといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。中高音域はBメロやサビで多く登場します。一方、Aメロではmid1D,mid1Eといった低音が多く見られます(見た目よりは低い印象)。
 こうしたことを踏まえると、「標準的(orやや高め)~ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。ちなみに、男性歌手の優里さんは原曲キーより1つ高いキーで歌唱されております。そのため、「高音域が得意な男性」などはキーを上げるのも選択肢だと思います。


【まとめ】

①Aメロは中低音中心、Bメロサビで中高音の割合が増える
②原キーだと「標準的(orやや高め)~ある程度高音域が得意な男性」などに合いそう
③「高音域が得意な男性」などはキーを上げるのもよい
④Aメロとサビは分かりやすいが、Bメロは少しリズムが取りにくいかも

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コメント

  1. 名無し より:

    (恐らくは)誰もが知る名曲ですよね。尾崎豊さんの楽曲はもう少し取り上げていただけたらと思います。
    mid2Gの回数的に、個人的には標準より若干高めという印象を受けました。そのくせAメロは低音が連発するので迂闊にキー下げできないので意外と難しい曲だと思います。この辺は記事でも説明されていましたが。

    • もりっしー より:

      コメントありがとうございます。
      記事でも言及した『I LOVE YOU』などはいつか取り上げたいですね。
      カラオケでも人気がありますし。
      この曲は、低音~高音まで広いので、見た目よりも難易度が高いともいます。