『Forget-me-not』(尾崎豊)

【地声最低音】mid1B(B2)
★m1F#[ち]い[さ]な[あ]さ[のひ]かm2D[り]は【Aメロ】
★疲れて眠るm1D–m1B[愛[にこ]ぼれm1E[て]
★うなずく様にm1D–m1B[より[そ]うふE–m1D^[ぅ[た]り]
★幸せm2D–m1F#[か]い] 1F#[ゆ]うべのぬくもり1F#[に]【Bメロ】
【地声最高音】hiA(A4) ※全体で5回(各サビ2回ずつ、ラスサビは1回)
★m2F#[初めて] F#–m2G^-hiA–G[君と出[会った]日])[ぼ]く]は【サビ】
【補足】mid2E~mid2F#を含むフレーズ一覧
★そっとさm2F#–E[さ]や]いて F#[強くき]み]を F#[抱きし]め]た【Bメロ】
★ビm2E[ル]のm2F#–E[むこ]う[の]そ])らを【サビ】
★いつまm2E[でも] さm2F#[が]し]て[た]
★行くあてm2D–m2F#裏[の[ない]【ラストBメロ】
★2D–m2F#–E[ま[ちかどに]たた]ず]み
まず、『Forget-me-not』についてです。この楽曲は、1985年に男性シンガーソングライターの尾崎豊さんによりリリースされたアルバム『壊れた扉から』に初収録されました。アルバムはLPとしては16万枚のヒットとなり、また、1994年にはCDとしても40万枚を超えるヒットを記録し、日本レコード協会よりプラチナ認定がなされました(旧基準)。
さて、『Forget-me-not』はアルバムの1曲でしたが、2001年に映画『LOVE SONG』の主題歌として使用されたため、両A面として初めてシングル化されました(「OH MY LITTLE GIRL」との両A面)。楽曲は配信でもロングヒットを続け、2014年には10万ダウンロードを達成、日本レコード協会よりゴールド認定がなされています(ランキングデータブログBillion Hits!より引用)。カラオケなどでの人気も高く、尾崎さんの代表的な1曲だといえます。
『Forget-me-not』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高め(体感的には明確に「高い」でもよいかも)のレンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいです。
今回の楽曲は、Aメロは中低音中心であり、男性の音域としては若干低いです。一方、Bメロ後半~サビにかけて中高音域が多く登場するようになります。そのため、音域は広めですが、頻度としては中高音の割合が高い曲です。これらを踏まえると、おおよそ高音域が得意な男性向けです(「高音域が非常に得意な男性」の一部はキーを上げてもよい)。
女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回は低音域としてmid1Bが見られるため、女性の音域としては極めて低いです。一つの目安ですが、原曲キーから3~5つ程度上げてみてください。ただ、今回の楽曲は音域がかなり広いため、女性にはハードルになりやすいです。
最後に『Forget-me-not』の音域についてですが、【地声最低音】mid1B(B2)~【地声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高め(体感的には高いでもよいかも)。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1BはAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内ですが、低めです。頻度としては多くないですが、しっかり練習しておきたいです。「高音域が非常に得意な男性」の一部は少しキーを上げてもよいかもしれません。
次に、地声最高音hiAはサビで計5回登場します。このhiAに次ぐ地声高音としてはmid2Gがピークとなる場面が全体で7回、mid2F#が30回登場します。サビでは特にmid2E~mid2F#が断続的に登場します。こうした点を考慮すると、男性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから2~3つ程度下げてみてください。ちなみに、男性シンガーの清水翔太さんは原キーから1つ低いレンジで歌唱しています。この辺りも参考になると思います。
『Forget-me-not』は低音域に余地があるため、キー下げは可能です。ただ、今回は音域が広いため、人によっては一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。メロディー自体は比較的やすいですが、音域が広い分、ビギナーなどにもハードルになりやすいです。
今回の楽曲は歌のよさが活きたバラードであり、メロディーがわかりやすいです。ただ、今回は尾崎豊さんの歌唱がエモーショナルであり、高音域などは少し取っ付きにくい可能性があります。私個人の経験ですが、男性シンガーの槇原敬之さんが同曲を歌唱しており、ストリーミングなどでも配信されております(がなりが得意な人だと合いやすい)。槇原敬之さんはクリアな声質で歌われているため、人によってはこちらの方が参考になりやすいかもしれません。その辺りは実際に視聴して判断してください。
『Forget-me-not』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E~hiAといった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はBメロ~サビでこれらが登場し、サビはmid2F#辺りが頻出します。低音域については一部でmid1Bが登場しますが、頻度は多くありません(男性の音域としては標準的かやや低め)。
こうした点を考慮すると、「(ある程度)高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。
【まとめ】
①Aメロは中低音中心、サビは中高音が連続する(回数を考慮すると中高音が多い)
②原キーだと「(ある程度)高音域が得意な男性」向け
③メロ自体は分かりやすい。歌のよさが活きやすい曲
④原曲のサビは若干クセが強い(カバーの方が取っ付きやすいかも)