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『BOY』(King Gnu)の音域 / アニメ『王様ランキング』OP曲

こんにちは。今回はKing Gnuの『BOY』(2021)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲ですが、私もリストアップしていた作品です。


『BOY』(King Gnu)
『BOY』(King Gnu)の音域






【地声最低音】mid1G(G3) 

m1G[そ]のなm2E[み]m2F[だ][が] m2G[が][に]じんだ【サビ】


【地声最高音】hiA(A4)  ※AメロやBメロで登場

m2Gm2F[微][に]hiA地[気]hiC裏[だ]hiB[る]A[い]G[日][々]に溶けた【Aメロ】
★近道ばm2G[か]hiA地[り]じゃ 味気がないm2F[で]しょ【Bメロ】

※サビの地声高音はmid2G(ラストサビはmid2G#)

【裏声最高音】hiF(F5) ※Bメロで登場

hiC[でも辿]hiEhiF[り[着][なく]て]hiD[ぇ]【Bメロ】
hiC[また]hiEhiF[何[度]だっ]hiD[て] [う][れ]を追いEF[か[け]る]D[の]


【補足】mid2F(一部のみ)hiD#を含むフレーズ一覧

★気の抜m2G[け]m2E[た 炭]m2F#[酸み][た][い]G[に]【Aメロ】

m2E[彷徨うく]m2G[らい]m2F[な][ら][層味わい尽]G[くし]F[ま][しょ]【Bメロ】
★道草を食っhiA[て  泥濘み]hiC[飲ん]hiD[で] 

m1G[今日も そ]のなみm2F#[だ]m2G裏[が 汗]hiA[が][に]じんだ【ラストサビ[落ちサビ]】

★走れ遥かm2FF#[さ[き]へ] m2G#地[れ][た]靴と【ラストサビ[転調+1]】
★あしあとm2G#[は] hiC#[た]hiC[し]hiA#[か]G#[に]未来へと
★(今駆けてゆく)息hiA#[を切]hiC[らし]hiC#[た]
hiC#[き]hiA#[み]C#[だ]れより[す]C#-hiD#[て[き]さ]

※ラストのフェイクは一番高い部分がhiF#です。

 まず、『BOY』(ボーイ)についてです。この楽曲は、2021年に4人組ロックバンドKing Gnuによりリリースされたシングル作品です。2021年10月現在、配信限定ですが、12月にはCDシングルとしてのリリースが予定されております。新曲ですので、フルアルバムには収録されておりません。
 『BOY』はKing GnuのYouTube公式チャンネルでMVが公開されております。公開から1週間程度でありますが、既に300万回を超える再生回数を記録しており、注目を集めております。

 『BOY』は、フジテレビ系の『ノイタミナ』枠で放送されるアニメ『王様ランキング』の主題歌として書き下ろされました。同アニメは、十日草輔さんによる漫画が原作となっており、2021年8月現在は、累計発行部が130万部に達しております。同漫画は、2018年頃から注目を集め始め、漫画好きの間などで話題となっておりました。


 『BOY』はミディアムテンポのバンドナンバーです。King Gnuは元々、クラシックなどの要素も兼ね備えたバンドであり、ストリングスなども目立っております。私自身は、ストリングスアレンジもですが、常田大希さんのギターサウンド等も非常に耳に残りました。2番サビ直後のギターソロなどは非常に目立ちますが、それ以外の場面でもサイケ感のストロークや、ソウルっぽいコードワークが心地よいです。
 歌メロについては、頭サビでメロが始まり、AメロBメロサビへと展開していきます。ラストサビでは転調が行われ、キーが1つ上がります(#1)。カラオケなどの際はお気を付けください。


 『BOY』の声域的な特徴についてです。この楽曲は、一般的な男性の声域よりも高めのレンジで歌メロが作られております。地声最高音hiAやmid2G#といった高音のみならず、曲全体で中高音域が多く登場します。そのため、地声レンジだけを見ても比較的高めです。
 地声音域に加え、King Gnuでは裏声を多用したボーカルが特徴的です。そうした傾向は今作でも如実に見られます。私なりのイメージですが、地声から裏声の切り替えなどの際は、ボーカルがリラックスして、適度に力が抜けていることが求められます。地声で歌っている際も声を張り過ぎないことを意識するとよいと思います。


 最後に『BOY』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G(G3)~【地声最高音】hiA(A4)、【裏声最高音】hiF(F5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高めです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1Gについてはサビ等で登場します。このmid1G辺りは一般的な男性の場合は、発声すること自体はあまり難しくないのではないかと思います。
 一方で、このmid1G辺りが最低音となる男性曲は、かなり高い確率で「曲全体でキーが高めの作品」となります。今作の『BOY』もそうした作品となっております。今回は、メインボーカルが井口さん一人となっており、その分歌メロも高音寄りとなっております。


 一方、地声最高音hiAはAメロやBメロで登場します。この辺りは一般的な男性の音域よりも高めです。また、同曲は曲全体を通してmid2E~mid2G辺りの中高音域が多く登場します。よって、一般的な男性の場合は、少しキーを下げた方が歌いやすいのではないかと思います。目安として、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください(♭1~2)。

 『BOY』は、低音部分に余裕があり、キー調整はしやすいです。よって、歌い慣れた人であれば、ある程度自分が歌いやすいレンジに調整できるのではないかと思います。一方で、同曲は、比較的低めのレンジでも裏声が使われております。そのため、キーを下げ過ぎると低音の裏声が出しにくなりうるかもしれません(この辺りは歌い慣れていない間はあまり考えなくてもよいかもですが)。キー調整を考慮に入れても歌い慣れた人向けの作品だと私は考えております。

 『BOY』を原曲キーで歌唱する場合、先にも述べたように、mid2E~hiA辺りの地声レンジを安定して歌いこなせる力と、ある程度のスタミナが必要不可欠になります。それに加え、今回は裏声が多用されております。そうした裏声と地声の器用な使い分けという点でも力量が求められます。
 私なりのイメージですが、同曲は、Bメロの部分のリズム、裏声などが特に大変なのではないかと感じました(裏声最高音hiFはこのBメロで登場し、密度も高いです)。

 『BOY』はボーカルが井口さん一人ということもあり、比較的高めのレンジが多く使われた楽曲であります。King Gnuの作品は難易度が高いものが多く、しっかり歌いこなすためには努力が必要ですが、興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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