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『ランニングアウト』(yama)の音域[2021年の作品]

こんにちは。今回はyamaさんの『ランニングアウト』(2021)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。yamaさんの作品を取り上げるのは、『春を告げる』(過去記事)以来、2回目となります。


『ランニングアウト』(yama)、Running Out(yama)
『ランニングアウト』(yama)の音域






【地声最低音】mid2B(B3) 

★m2G[十]八才 m2C#[ぼ]m2B[く]は時のG[何]かを知C#[ら]B[ず]【Bメロ】


【地声最高音】hiD(D5)  ※サビで複数回登場

hiA#地[気付け][歴]hiC#[史]hiD地[に]C#[なっ]hiB[てい]D[く]【サビ】
hiA[最]hiB[終]hiD[僕]hiC#[等は] [Lo][ser]B


【裏声最高音】hiD(D5) ※サビで登場

★言葉じゃ足hiA[り]hiD裏[な]hiC#[い]僕の感情を 歌える筈が無かった【サビ】
★屹度 言いたいことhiA[ば]かり言hiC#裏[え]hiD[ない]A地[よう]
★唯 晒されてhiA[朽]hiD[ち]hiC#[る] だけのC#地[毎][日]hiA#[が]


【補足】hiAhiB辺りを含むフレーズ一覧

★屹度 胸の奥が満hiA[たさ]れていくんだろう A[なん]て冗hiB[談じゃ]hiA#[な]いが【Aメロ】
★確かに僕等はいつだって五十音hiA[だっ]
★逆さになったってhiB[の]hiA#[が]れられないから

★(屹度 言いたいことばかり言えないような)心は枯れhiA[て]hiB[い]A[た]【サビ】
hiA[こ]hiB[と]が怖くて耐え切れないんだ

★m2G[取り]残されたようなそんな気[がし]てhiA#[い]hiB[た]【2番Bメロ】

 まず、『ランニングアウト』についてです。この楽曲は、女性歌手のyamaさんによりリリースされたアルバム『the meaning of life』(ザ・ミーニングオブ・ライフ)に収録されております。アルバムの1曲目に収められており、リード曲にあたります。アルバムの発売に先立ち、同曲のMVが公開され、2021年11月現在、150万回の再生回数を記録しております。

 2021年9月にリリースされたメジャー初のフルアルバム『the meaning of life』は、今回取り上げる『ランニングアウト』の他に、アニメ『2.43 清陰高校男子バレー部』の主題歌になった『麻痺』、ネットドラマの主題歌『真っ白』、出世作『春を告げる』といった楽曲が収められております。様々なアーティストが楽曲を提供しておりますが、BCNO(ぼくの)さん、TOOBOEさん、におさん、くじらさんといったボカロPとして活躍される方からの作品が多くなっております。


 『ランニングアウト』はアップテンポのバンドナンバーです。同曲は作詞作曲をボカロPとして活動されるBCNO(ぼくの)さんが担当しております。BCNOさんは、『ルナ・エクリプス』、『情もわかない』、『背景を断つ』といった楽曲が人気を集めております。2021年11月現在、ニコニコ動画で殿堂入りを果たした楽曲はありませんが、今回の抜擢となりました。今後の益々の活躍が期待される若手のボカロPであります。私自身も、今回の『ランニングアウト』はアレンジ、メロ、歌詞ともに非常に素敵な作品だと感じました。

 ちなみに、タイトルの『ランニングアウト』とは「〈在庫品・補給などが〉尽きる、足りない」、「〈忍耐などが〉尽きる」といった意味があり、必ずしもポジティブなものではありません。私自身も好きなフレーズですが、【十八才 僕は何を為すにも不器用で】とあり、物事がうまく前に進まない苦悩する姿が描かれます。全体として暗さを感じさせますが、こうした楽曲の方が共感できるという方もおられるのではないかと思います(私自身もそうです)。


 『ランニングアウト』の声域的な特徴についてです。同曲は、女性の声域としてはやや高めのレンジで歌メロが作られております。hiE,hiFといった滅茶苦茶に高い音は登場しませんが、声域がやや高めである分、曲全体も比較的高めの音が多く登場します。原曲キーでも歌える人もいると思いますが、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいのではないかと思います。音域自体はそこまで広くないですので、キー調整は行いやすいです。



 最後に『ランニングアウト』の音域についてですが、【地声最低音】mid2B(B3)~【地声最高音】hiD(D5)、【裏声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の声域よりやや高めです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid2BはBメロで登場します。この辺りは女性でも比較的発声しやすいと思います。ただ、このmid2B辺りが最低音に来る女性曲は、「曲全体で比較的キーが高め」に分類される曲が多いです。今回の『ランニングアウト』もそうした傾向を備えております。

 一方、地声最高音hiDはサビで登場します。各サビで2~3回程度であります。このhiD辺りは一般的な女性の声域としてはやや高い(もしくは高い)レンジになります。
 同曲は、Aメロから全体的に高めのレンジが続き、1番サビの後半でhiD,hiC#といった高めの音が登場します。ここで息切れをして、苦戦を強いられる人も多いのではないかと思います。一般的にはキーを少し下げた方が歌いやすいと思います。目安として、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。


 『ランニングアウト』は低音部分に余裕があり、キー下げはしやすいです。歌い慣れた人の調整はもちろん、歌い慣れてない人向けの調整も可能なのではないかと思います。yamaさんのように歌いこなすのは練習が必要ですが、キー調整含めると比較的アプローチしやすいです。

 一方で、同曲は歌メロが断続的に続き、「息継ぎ」をするタイミングは取りにくい部分もあります。その点で少し難しく感じられる方もおられるかもしれません。歌の練習をする際などに、「ここで息継ぎを入れる(意識する)」みたいな決まり事を作っておくとよいと思います。


 『ランニングアウト』を原曲キーで歌唱する場合、サビでhiDなどが歌いこなせることが求められます。また、曲全体の声域が比較的高めであるため、スタミナもある程度必要です。声域的には、ある程度高音域が得意な方向けです。その辺りも踏まえて練習に励んでください。

 『ランニングアウト』は原キーだと少し大変かもですが、キー下げなどを考慮すると、比較的挑戦しやすいです(息継ぎなどは大変かもですが…)。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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