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『平成ペイン』(go!go!vanillas)の音域[ 2017年 ]

こんにちは。今回はgo!go!vanillasの『平成ペイン』(2017)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『平成ペイン』(go!go!vanillas)、Heisei Pain(go!go!vanillas)
『平成ペイン』(go!go!vanillas)の音域






【地声最低音】mid1D(D3) 

m1E[か]がやく炭酸の泡ハジけて 夢から醒めた大人の群れ【Aメロ】
★ m1E[く]だらなくm1D[て]もいいm2E[さ]【ラストサビ[転調-2]】


【地声最高音】mid2G(G4)  ※ラストサビで登場

m2G[平成]m2F[ペイン] hiA#hiC[く[ち][ら]出]hiF[ま]hiD[か]A#[せ]【ラストサビ[転調+1]】
m2G裏[だ]m2F[まし]F[ま]ぁしで行けばいい

※通常サビではmid2F#(裏声はhiC#)が最高音になります。

【裏声最高音】hiF(F5) ※ラストサビで登場

★★m2G[平成]m2F[ペイン] hiA#hiC[く[ち][ら]出]hiF[ま]hiD[か]A#[せ]【ラストサビ[転調+1]】
★(この暗闇に目が慣れているのは僕らだぁぁ)hiD[だ]hiF[あ]hiA#[あ]


【補足】mid2EhiDを含むフレーズ一覧

★輝く炭酸の泡ハジけて ゆm2F#[め]m2E[か]ら醒めたm1E[おと]なの群れ【Aメロ】
★そこで迎えた冷めた夜明け m2E[凍え]m2F#[ちゃ]うから丸くなる

★簡単じゃないよ 戦m2E[ばっ]かだし【Bメロ】
★どんどん負けて昨日もべそかきゃさm2F#[と]m2E[り]もするさ
★甘い蜜探しもm2E[と]m2F#[め] 遊びまた 疲れた[日][々]F#[な][添]えて

m2D[隠]してた痛み こ[え]m2E[に]出したら【Cメロ】
★集いだす想い かm2E[た]m2D[ち]を変えはE[じ][ま]りを告げてく

m2E[ヘイヘイ]m2D[ヘイ] これからの話をしようラストサビ[転調-2]
m2F[こ]m2F#[の]暗闇[に 目]が慣れてF#[るの][ぼ][く]hiD[だ]hiC[あ]hiA#[あ]【ラストサビ[転調+1]

 まず、go!go!vanillas(ゴーゴーバニラズ)について少し説明します。バニラズことgo!go!vanillasは、2010年に大学の同級生を母体として結成され、2014年にメジャーデビューしました。小気味のいいバンドサウンドが魅力的であり、私自身はこの頃パワープッシュとなっていた『マジック』という曲が非常に印象に残っております。
 go!go!vanillas人気曲としては、『エマ』、『SUMMER BREEZE』、今回取り上げる『平成ペイン』などが人気なのではないかと思います。カラオケなどでもこれらの曲が上位に来ております。バニラズのジャンルとしては様々なものがありますが、個人的にはウエスタン・ロック、カントリーロックなどの要素がよく見られる気がします。古典的なロックファンなどにも刺さるものがあるのではないかと思います。また、最新のアルバムでは、『倫敦』、『アダムとイヴ』といったこれまでのバニラズにはあまり見られなかったようなサウンドワークになっております。


 さて、『平成ペイン』(へいせいぺいん)についてです。この楽曲は、2017年に4人組ロックバンドのgo!go!vanillasによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては同年にリリースされた『FOOLs』に収められております。同アルバムには『おはようカルチャー』というシングル曲も収められ、また『ラッキースター』という楽曲も人気が高いようです。
 『平成ペイン』はバニラズの作品としても特に人気の高い1曲であり、レーベルのYouTubeチャンネルに公開されたMVは500万回を超える再生回数を記録しております(Spotifyの再生回数やカラオケランキングでもトップになっております)。個人的には歌詞などが素晴らしく、MVともよくマッチしていると思います。

 『平成ペイン』はアップテンポのバンドナンバーであります。カントリーロックっぽいフレーズなども盛り込まれております。バニラズは日本のバンドなのですが、どことなくアメリカの荒涼とした乾燥地帯の風景が思い浮かぶ瞬間があります。
 同曲の歌メロはAメロBメロサビといった形で作られております。その点で親しみやすいと思います。一方、ラストのサビでは複数回転調が行われ、やや音が取り辛いかもしれません。ラストサビは最終的に通常のサビより1つ高いキーで展開されます(#1)。

 『平成ペイン』は歌詞が特徴的であり、平成時代に思春期・青年期を迎えた比較的若い世代の嘆きが描かれております。歌い出しが「炭酸の泡ハジけて 夢から醒めた大人の群れ」と1990年初頭のバブルの崩壊から始まり、「ゆとり・さとり」、「氷河期」といった平成以降に若者を象徴したキーワードが登場します。個人的には、サビの終わりの「この暗闇に目が慣れているのは僕らさ」というフレーズが非常に好きです

  『平成ペイン』の声域的な特徴についてです。同曲は、地声レンジについては大よそ一般的な男性の声域の範囲内で作られております。地声レンジだけを見ると、最近のJ-POPの男性曲では手を付けやすいです。
 反面、「裏声」についてはサビを中心に登場するのですが、意外と高く、器用な発声が求められます。hiF辺りは慣れていないとスムーズに発声できないと思うのですが、地声はmid2E~mid2G、裏声はhiB~hiF辺りを練習するのに良いのではないかと思います。曲自体のテンポが速いため、歌詞の暗記などはしっかりしておいた方がいいです。


 最後に『平成ペイン』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)~【地声最高音】mid2G(G4)、【裏声最高音】hiF(F5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の声域の範囲内であり、裏声が広いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1Dはラストサビのところで1回だけ登場します。ここは通常サビよりキーが2つ低く、その分、低音が低くなっております。Aメロなどではmid1Eが登場します。男性にはそこまで低さを感じないと思いますが、女性だと原キーが少し辛いかもしれません。

 一方、地声最高音mid2Gについては、ラストのサビで登場します。この辺りは一般的な男性の声域の範囲内でありますが、裏声でhiFなどを伴っているため、器用な発声が求められます。通常サビではmid2F#であり、滅茶苦茶には高くないのですが、裏声を歌い慣れていない人は少しキーを下げてもよいと思います。


 『平成ペイン』は低音自体はそこまで低くないので、キー下げなどは可能です。歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに調整しやすいと思います。ビギナー向けの調整も可能であると思いますが、低音がやや低く感じるかもしれませんし、また、裏声の部分がスムーズに行かないかもしれません。その辺りは留意しておいてください。

 『平成ペイン』を原曲キーで歌唱する場合、地声はmid2Gまで、裏声はhiF位までスムーズに歌いこなせる必要があります。裏声の声域は地声より伸びやすいので、努力の甲斐はあるのではないかと思います。男性がhiFまで歌いこなすのは、人によってはかなり大変ですが、少しずつ練習を重ねてください。ボーカルの牧達弥さんはやや地声感のある裏声を使っております。

 『平成ペイン』はノリの良いロックナンバーであり、カラオケなどでも歌いやすいと思います(難易度が低いというわけではない)。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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