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『結』(Saucy Dog)の音域 [2020年の作品]

こんにちは。今回はSaucy Dogの『結』(2020)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『結』(Saucy Dog)、Yui(Saucy Dog)
『結』(Saucy Dog)の音域






【地声最低音】mid1D#(D#3) 

★手を繋いだのm1F#[は]m1D#[き]F#[み]の方F#[か]【Aメロ】
★ちょっと慣m1F#[れた素振]りに なんかm1D#[く]F#[や]しくなっF#[た]

★焦ってたんだm1F#m1D#[ぁ[ぁ]ぁ が][に]もなく[ぅ]【Bメロ】
m1F#[着か]ざってみ[た]り [き]ずついてみ[たり]m1D#[ぃ]


【地声最高音】hiC#(C#5)  ※サビとラストサビ

hiC#地[いっ]hiA#[そ]このままふたりだけの世界をm2G#[生]A#hiB[き[て][た]いよ【サビ】
hiC#[もっ]hiA#[と]近くで m2G#[こ]A#hiB[れ[か]ら]C#[僕]BA#[た][の]【ラストサビ】


【裏声最高音】hiD#(D#5) ※サビとラストサビで登場

hiB[ずっ]hiA#[と]hiD#裏[見]hiC#[て]A#[い]m2G#[た]いよ 君の全部[を]【サビ】

★(この手紙には)hiA#[け]hiC#hiD#[つ[まつ]は無][く]ていい【ラストサビ】
hiC#[き]hiA#[み]hiD#[と]C#{の]A#地[未]来にまだ取っておくよ


【補足】mid2G#hiC#を含むフレーズ一覧

★そのm2F#[手]F#m2G#[は[な]し]たら【Bメロ】
★終わっhiB[ちゃ]hiA#[いそ]m2G#[う][さ]

hiA#[Ah Ah] m2G#[Ah] Ah Ah もうし[ん]hiA#hiB[ぱ[い]しょう]【サビ】
★果てしないm2G#[きょ]うからhiA#[の][日]hiBA#[々]を]
★過m2G#[ご]hiA#[そう][く]A#[ろう] [も]A#[ろ]

★その分たくさんはhiA[な]m2G#[せ][良い]【2番Bメロ】
hiA#[そ]hiB[れ]hiC#裏[さ]A#[え言]えた[ら](何度すれ違っても構わないさ)【ラストサビ】

 まず、『結』(ゆい)についてです。この楽曲は、2020年に3人組ロックバンドSaucy Dogによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルとしてリリースされ、同じ年にミニアルバム『テイクミー』に収められました。同アルバムには、当ブログでも取り上げた『シーグラス』(過去記事)も収められております。
 『結』はシングルのリリースとともにSaucy DogのYouTube公式チャンネルでMVが公開され、2022年1月現在、約870万回の再生回数を記録しております。Saucy Dogの作品群の中ではアクセスが伸びている楽曲であり、ここ1~2年の中では特に人気の高い1曲といえます。THE FIRST TAKEのライブ動画でも披露されました。

 ここ1~2年はコロナ禍でバンド活動が制限される中でありますが、その中でもSaucy Dogは少しずつ知名度が上昇し、テレビメディアなどにも取り上げられたりすることが増えた印象です。当ブログでも、人気曲『いつか』(過去記事)『シンデレラボーイ』(過去記事)などにアクセスが集まっており、ブレイクの兆しを感じます。


 さて、『結』はゆったりとしたバンドナンバーであります。BPM的にはバラードなどになると思います。歌メロについては、AメロBメロサビといった形で作られております。ただ、2番は、Bメロに少し変化が加えられており、そのままラストサビへと向かいます。そのため、バラード曲でありながら、演奏時間が4分半弱程度なっております。
 当ブログでもよく言及しますが、これまでJ-POPにでは「Aメロ(Bメロ)サビ×2⇒Cメロ⇒ラストサビ」といった展開がよく見られました。しかし、最近は、「AメロBメロサビ×1⇒AメロBメロ(もしくはCメロ)⇒ラストサビ」といった形が増え、2番のサビが省略される形が増えているように感じます。今回の『結』もその形に当てはまります。
 
 『結』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性としては相当高いレンジで歌メロが作られております。そのため、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。ただ、同曲は、音域自体がかなり広いため、キー調整を行ったとしてもある程度高音域が得意な方が合いやすいのではないかと思います。
 また、同曲はAメロBメロが低く、Bメロ後半とサビで大きく盛り上がる作品です。そのため、低音域も低めであり、女性が原曲キーで歌うのは少し大変なのではないかと思います(個人差はありますが、女性はキーを上げた方が歌いやすいと思います)。


 最後に『結』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3)~【地声最高音】hiC#(C#5)【裏声最高音】hiD#(D#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高い(もしくは「かなり高い」)です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1D#についてはAメロBメロで多く登場します。このmid1D#は男性の声域の範囲内ですが、一緒にmid1Fなどの回数も多く見られます。そのため、男性でも高音域が得意な人は、逆に低音部分で苦戦するかもしれません。
 また、女性についてはmid1D#が連続する曲はかなり辛いです。そのため、女性はキーを上げた方が歌いやすいです。

 一方、地声最高音hiC#はサビで登場します。このhiC#も高いのですが、『結』はサビを中心にmid2F#~hiB辺りが非常に多く登場します。そのため、サビ全体が相当高いです。一般的な男性はキーを上げた方が歌いやすいです。ただ、最高音自体が非常に高いので、一般的な男性の声域に合わせると、違和感が出る方も多いかもしれません。


 『結』は低音部分に余裕があり、キー下げは可能です。ただ、同曲は歌メロが2オクターブあるため、キーを下げたとしても、ある程度歌い慣れた人でなければ大変な楽曲ではないかと私は分析しました。そのため、ビギナー向けとの練習曲しては使いづらいといえます。サウシーの楽曲は、どちらかといえば音域が広いものが多く、初心者などにはハードルがあります。

 『結』を原曲キーで歌唱する場合地声最高音hiC#やhiB,hiA#辺りをしっかり歌いこなせる力が求められます。とりわけサビではmid2G#以上の割合が多く、男性曲としてはかなり高いです。また、終盤はサビの尺が長いですので、スタミナも必要不可欠です。原曲キーの場合は、高音域が非常に得意な男性に合いやすいと思います。

 私自身、ボーカルの石原慎也さんと歌手のaikoさんとのラジオ対談を拝見したのですが、石原さんはaikoさんの楽曲を声変わりする前から原曲キーで歌唱したりしていたそうです。当然、声変わりの過程で高音域は出にくくなるのですが、石原さんのそうした生い立ちが、高音域を歌いこなすきっかけになっているのかもしれません。

 『結』は音域が広く、原曲キーだと相当高いです。ただ、歌詞やメロディーもよく、カラオケ等で歌いこなせると楽しいのではないかと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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