『バンザイ～好きでよかった～』( ウルフルズ ) の音域

　まず、『バンザイ～好きでよかった～』についてです。この楽曲は、1996年にロックバンド・ウルフルズによりリリースされたシングル作品です。元々は、同じ年にリリースされたフルアルバムの『バンザイ』の1曲として収められておりましたが、シングルカットされました。その後、ドラマ『勝利の女神』の主題歌としてタイアップが付き、ファン以外にも広く知られるようになります。週間最高位は13位にも関わらず、最終的に50万枚を超える大ヒットとなりました。また、ウルフルズのYouTube公式チャンネルでも2000万回の再生回数を記録しており、バンドの中でも特に人気の高い1曲となっております（2022年8月現在）。
　ちなみに、アルバム『バンザイ』はバンドの出世作である『ガッツだぜ!!』、『SUN SUN SUN’95』などのシングル曲が収められており、100万枚を超える大ヒットとなりました。バンドとしては最大のアルバムヒットです。

　『バンザイ～好きでよかった～』はミドルテンポのバンドナンバーです。頭サビで歌メロが始まり、AメロBメロサビと展開します。タイトルからも想起されますが、ポジティブなラブソングであり、結婚披露宴などでも歌われることが多いようです。
　ちなみに、同曲は比較的易しめのコードで作られており、ビギナーの弾き語りなどにも良さそうだと私は感じました。


　『バンザイ』の音域的な特徴についてです。同曲は、大よそ一般的な男性の音域の範囲内、もしくは若干高めのレンジで歌メロが作られております。終盤にmid2Gが連続的に登場する場面がありますので、人によってはキーを下げるのもよいと思います。同曲は低音域には余地があるため、キー下げは可能です。
　ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすそうです。ただ、標準より低いレンジで、「女性曲では歌える曲があまり無い」という方は原曲キーでも良さそうです。



　最後に『バンザイ～好きでよかった～』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)～【地声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりやや高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1EはAメロで登場します。この辺りは一般的な男性の音域の範囲内です。ただ、女性にとってはかなり低いレンジになるため、一般的な女性はキーを上げた方が歌いやすそうです。ただ、低音寄りの声域を持った女性だと意外と原曲キーで歌えるかもしれません。mid1Eを含め、この曲を原曲キーでしっかり歌える女性はかなり低音寄りであり、男性曲の方がレパートリーになりやすそうです。

　一方、地声最高音hiAについてはラストサビで1回だけ登場します。この辺りは男性としては高めのレンジになります。ただ、私なりの印象ですが、このhiAについては余り厳密にこだわらなくてもよいような気がします。
　このhiAを除くと、高音階としてはmid2Gが登場します。とりわけ、ラストサビでは繰り返し何度も登場しますので、一般的な男性は少しキーを下げて歌った方が合いやすいかもしれません。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください。


　『バンザイ』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することが出来そうです。一方、ビギナーの場合も可能といえば可能ですが、もしかしたら低音域が少し歌いにくくなるかもしれません。
　同曲は1990年代のヒット曲ということもあり、今の時代の人気曲より高音がやや低く、またメロディーやリズムが覚えやすいのではないかと思います（高いレベルで歌いこなすには力が必要ですが）。


　『バンザイ』を原曲キーで歌唱する場合、私なりの印象ですが、高音域はmid2G辺りをしっかり歌いこなせると形にやりやすそうです。ただ、先述のように、mid2Gは終盤で特に登場頻度が高いです。そのため、「標準よりやや高め～ある程度高音域が得意な男性」が原曲キーに合いやすそうです。

　『バンザイ』はポジティブなバンド曲であり、カラオケなどでも歌いやすそうです。また、最近の曲と比べるとメロディーなどは取っ付きやすそうです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。