『GO! GO! MANIAC』(放課後ティータイム)の音域

　まず、『GO! GO! MANIAC』（ゴー・ゴー・マニアック）についてです。この楽曲は、２０１０年にテレビアニメ『けいおん!!』の劇中で登場するバンド・放課後ティータイムによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、２０１３年の『K-ON! MUSIC HISTORY’S BOX』に初収録されました。

　さて、『GO! GO! MANIAC』はかきふらいさんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『けいおん!!』(第２期)のオープニングテーマとして書き下ろされました。『けいおん!』はこの時期に非常にヒットしたアニメでありますが、楽曲の質とアニメの人気が相まって、『GO! GO! MANIAC』も大きなヒットを記録します。CDシングルとしては15万枚近いセールスを記録。また、着うたフルで25万ダウンロード、配信でも10万ダウンロードを記録しました。


　『GO! GO! MANIAC』は劇中に登場する放課後ティータイムの楽曲としてリリースされました。そのため、メインボーカルを平沢唯役を担当する豊崎愛生さんが担当しており、バンドのメンバーを担当した4人の声優がコーラスで参加しております。
　同曲は、アッパーなバンド曲であり、作詞を大森祥子さん、作曲編曲をTom-H@ckさんが担当しております。全体として演奏が非常にテクニカルな作品であり、ボーカルの歌い回しもかなり速いです。同曲を歌唱する際は、歌詞などはしっかり覚えておいた方が良いと思います。

　『GO! GO! MANIAC』の音域的な特徴についてです。同曲は女性の音域としてはかなり高いレンジで歌メロが作られております（裏声を器用に使い分けたとしても「高い」）。低音域には余地が多いため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいと思います。
　同曲は、最低音がmid2Dとかなり高いです。そのため、中高音域登場回数が多く、体力的にしんどくなりやすいです。また、歌メロが速く、息継ぎなどもしにくいため、スタミナがゴリゴリ削られる楽曲だといえます。私なりの印象ですが、複数人で歌唱するのもよいのではないかと感じました。

　ちなみに、同曲を男性が歌う場合、人によってはオク下げで歌唱することも可能です。ただ、原曲に近いようなニュアンスを出したい場合、「キーを２～３つ程度上げて、オク下げで歌う」と良いのはないかと思います（歌い慣れた一般的な音域の男性の場合）。



　最後に『GO! GO! MANIAC』の音域についてですが、【地声最低音】mid2D(D4)～【地声最高音】hiF#(F#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域としてはかなり高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid2DはAメロで登場します。このmid2Dは女性曲の最低音としてはかなり高いため、相対的に中高音域が登場する頻度が高くなります。この『GO! GO! MANIAC』も明確にそうした傾向が当てはまります。ただ、音域が広くない分、キー調整はしやすいです。

　次に、地声最高音hiF#はサビ等を中心に登場します。登場回数は全体で8回程度です。このhiF#は女性の音域としてはかなり高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから３～４つ程度下げてみてください。
　ちなみに、私なりの印象ですが、このhiF#について、場面によっては「裏声」を使って歌ってもよいではないかと思います（例えばサビの【hiF#[Shout Shout] 】など）。裏声が器用な方はそうした歌唱も試してみてください（ただ、裏声を駆使するとしても標準よりは高い声域の楽曲です）。


　『GO! GO! MANIAC』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。同曲は音域自体はそこまで広くなく、キー調整はしやすい方です。そのため、大きなキー調整に抵抗が無ければ、ある程度自分にマッチした音域に調整することができそうです。
　一方、同曲は歌メロ自体がかなり速く、息継ぎなどもしにくい作品です。そのため、キー調整をしたとしても難易度は高いと思います。歌詞やリズムをしっかり覚えた上で、「どこで息継ぎを入れるか」、「どこで妥協するか」といったことを整理しながら練習してください。また、複数人で歌唱するのも選択肢だと思います（複数人で歌うとかなり楽になる）。

　『GO! GO! MANIAC』を原曲キーで歌唱する場合、hiB～hiF#といった中高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。同曲は全体的に中高音域の割合が高く、体力的にしんどくなりやすいです。それに加え、メロが速く、息継ぎもしにくい典型的な「酸欠曲」の傾向を持っております（間奏もあまり長くないため、休憩ポイントも少ない）。こうしたことを踏まえると、「高音域が非常に得意な女性」向けの楽曲だと私は判断しました。ただ、高音域が得意な女性であっても、スタミナは不可欠になります。繰り返し申しておりますが、複数人で歌唱するのもよいと私は思います。


　『GO! GO! MANIAC』はアッパーなバンド曲であり、女子高生らしいキラキラ感が表出された作品です。難易度はえげつないですが、1人でカラオケなどで歌いこなせると達成感があると思いますし、複数人でパート分けをして歌唱するのも楽しそうです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。