なお、今回は歌い出しのラップパート【チート、gifted~全部生身で?】の部分は音域調査の対象から外しております。この辺りを踏まえた上で記事を読んでください。
『Bling-Bang-Bang-Born』(Creepy Nuts)
【地声最低音】mid1A(A2)
☆m1A[Bling]-Bang-Bang, [Bling-Bang]-Bang-Born【Aメロ】
☆m1A[Bling]-Bang-Bang, m1A[Bling-Bang-Bang-(⁂)Born]
★あ、キm1D[レてる]…呆れてる周り 恵まれてる家族友達
★m1E[教]科書に無い [問]題集に無い [超]BADな呪(まじな)い 1E–m1A[li[sten]
★m1E[このから]だ[tattoo]は[入っ]てm2D[無い]【2番Aメロ】
※☆の(⁂)のところは一瞬lowEを含むが、カラオケではm1Aが優先されそう
【地声最高音】mid2F#(F#4) ※全体で1場面(計3回)
★俺のままでm2E{Bling]してm2F[Bang]してm2F#[Bang]する為に[Born]して来たニッ[ポン]【2番Aメロ】
【補足】mid2E~mid2Fを含むフレーズ一覧
★It’s m2E[生身] It’s [生身 yeah] yeah yeah [yeah]【Aメロ】
★じつm2D[りょ]くを発揮し切る前m1E[に]
★2E-m2F[相変わらず脱皮してる[毎]日](Bling Bling…)
★誰のm2E[な]な光も要らないお前の[ice]よりicy
★m1E–2E–m2F[皆俺に[任せとけ[ば]良い]
★m2E–m2D#[か]が[み]よ[か]が[みこた]えちゃって【Bメロ】
★m2E[Who’s] 2D[the] best ? E[I’m] [the] best ! [Oh] E–m2F[yea[a]a]h【Cメロ】
★now sin[gin’]m2C m2E{Bling]–[Bang-Bang], m2D[Bling]-Bang-Bang
★m2E–m2D[Eydayお]れ]のままで居るだ[けE[で超flex]【Dメロ】
★学歴も無い前科も無い余裕でm2E[Bling-Bling]【2番Aメロ】
まず、『Bling-Bang-Bang-Born』についてです。この楽曲は、2024年に男性ヒップホップユニットCreepy Nutsによりリリースされたシングル作品です。この記事を執筆時点では配信限定のシングルですが、3月にCDシングルとしてのリリースが予定されております(『二度寝』との両A面です)。作詞はR-指定さん、作曲はDJ松永さんによりなされました。
さて、『Bling-Bang-Bang-Born』は甲本一(こうもとはじめ)さんの漫画を原作としたアニメ『マッシュル-MASHLE- 神覚者候補選抜試験編』のオープニングテーマとして書き下ろされました。『マッシュル-MASHLE-』は2024年1月時点で累計発行部数が600万部を超える人気作品です。
アニメの人気と楽曲の質、ダンスなどが話題となって、『Bling-Bang-Bang-Born』は日本のみならず、世界各国で多くの再生回数を獲得しております。最近は深夜アニメの主題歌・TikTokのダンスなどをきっかけに、世界的なバズを生み出す楽曲がJ-POPでも増えております。
『Bling-Bang-Bang-Born』の音域的な特徴についてです。同曲は単純な音域面だけを見ると一般的な男性のレンジですが、相対的に中高音が多い楽曲となっております。
同曲は低音域ではmid1Aなどが登場しますが、全体でみると中高音が多い楽曲であり、mid2C~mid2F辺りが非常に多く登場します。アップテンポのヒップホップということもあり、歌い回しが速く、息継ぎなどもしにくそうです。そのため、見た目の音域以上に体力的な難しさがある楽曲だと思います。
女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回はmid1Aなどが登場する場面もあるため、女性にとっては低音が辛い場面があります。ただ、今回はmid1Aなどが集中する場面が限定されています。そのため、「標準より低めの音域の女性」などは工夫次第では原曲キーで歌唱することも可能なのではないかと感じました(具体的には、上の☆【m1A[Bling]-Bang-Bang,, m1A[Bling-Bang-Bang-Born]】の場面を1オクターブ上のレンジで歌うなど)。
最後に『Bling-Bang-Bang-Born』の音域についてですが、【地声最低音】mid1A(A2)~【地声最高音】mid2F#(F#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内です(体感的には一般よりも「高め」)。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1AはAメロで登場します。このmid1Aは男性の音域の範囲内ですが、高音域が得意な男性だとかなり歌いにくいレンジだと思います。ただ、今回はmid1Aが明確に求められる場面は1か所のみです(あと1か所は瞬間的)。
今回の楽曲は全体でみると、mid1Aなどの低音が求められる場面はそこまで多くなく、低音としてはmid1E辺りが多いです。加えて、全体でみると中高音域が多い楽曲であるため、低音域よりも中高音域が得意な男性の方が歌いやすい楽曲だと思います。
次に、地声最高音mid2F#(冒頭のラップパートは除く)は2番Aメロで3回登場(1場面で3回)します。mid2F#に次ぐ地声高音としては、mid2Fがピークとなる場面が全体で3回登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、今回の楽曲は息継ぎしにくい中でメロが連続し、全体的にmid2C~mid2Eといった中高音域が多く登場します。そのため、一般的な音域の男性にとっては体力的にかなりしんどくなりやすいのではないかと推測しました。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。
『Bling-Bang-Bang-Born』は低音域が低く、厳密に歌うとキーを下げる余地はあまりありません。ただ、今回はmid1Aが登場する場面はそこまで多くないため、それなりにキー調整の余地はあると思います。一方、同曲は歌い回しが非常に速く、また息継ぎなども大変そうです(メロとメロの間隔が短い)。こうした点を踏まえると、やはり歌い慣れた人向けの楽曲だといえます。
今回はラップ曲でありテンポも速いため、正確な音程以上に「リズム」や「抑揚」が非常に重要になります。具体的にはAメロの大半はリズム感を重視したいです。BメロCメロ等はメロディアスであるため、音程の正確性にも重きを置くとよいと思います。また、歌詞はしっかり覚えておいた方が良いです。
『Bling-Bang-Bang-Born』を原曲キーで歌唱する場合、mid2C~mid2Fといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求めれます。今回は大よそ一般的な男性の音域の範囲内ですが、先述のように全体的に中高音に寄っており、メロが断続的に続きます。こうしたことから、体感よりも高く感じやすいと私は推測しました。
こうしたことを踏まえると、「標準より高め~高音域が得意な男性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、上の☆の場面を上手く歌いこなせるのであれば、「標準より低い音域の女性」なども原キーでの歌唱が選択肢に入る可能性があると思います。
【まとめ】
①一部で低音域が登場するが、全体でみると中高音寄り
②息継ぎなどが大変であり、体感的に辛くなりやすい
③原キーだと「標準より高め~高音域が得意な男性」などに合いそう
④☆の低音を上手く歌えれば「標準より低めの音域の女性」などにもおススメ
⑤Aメロは音程以上にリズムが重要。歌詞などはしっかり覚えておきたい