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『Hello,my friend』(松任谷由実)の音域と感想

こんにちは。今回は松任谷由実さんの『Hello,my friend』(1994)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。久しぶりに1990年代の作品です。松任谷由実さんは、以前に『ひこうき雲』を取り上げて以来、2回目の登場です。


『Hello,my friend』(松任谷由実)、(Yumi Matsutouya)


【地声最低音】mid1D#(D#3) 

★君に恋した夏がm1D#[あ]ったね(Aメロ)


【地声最高音】mid2G#(G#4)  

★かえりみm2E[ち さ]m2F#[が]m2G#[した](サビ)
★もう二度m2E[と 会]m2F#[え]m2G#[なく]m2F#[て][も]



【補足】mid2Emid2F#等の箇所

★みじm2E[か]くて 気ま[ぐ]れな夏だった(Aメロ)
m2E[と]もだm2F#[ち][と]呼ば2E[せて](サビ)
m2E[ぼ]E[が 生]m2G[い]m2F[そ]E[ぐ]ときには(Cメロ)

『Hello,my friend』(松任谷由実)









 まず、『Hello,my friend』についてです。この楽曲は1994年に、シンガーソングライターの松任谷由実によりリリースされたシングル作品です。タイアップとして、フジテレビ系月9ドラマ『君といた夏』の主題歌となり、ミリオンセールスを記録しました。90年代のフジテレビ月9ドラマは非常に勢いがあり、多くのヒット曲を生み出しています。
 ちなみに、2019年8月末に、松任谷由実さんのYouTube公式チャンネルで、自身の1980年代以降のシングル作品のMVが公開されました。今回、松任谷由実さんを取り上げようと思ったのは公式のMVが公開されたということもあります。松任谷由実さんは多くのミュージシャンに影響を与えております。最近勢いがあるミュージシャンだと、米津玄師さんやあいみょんさんなどもそうだと思います。日本のポップスの歴史に大きな影響を与えてきたシンガーソングライターです。

 『Hello,my friend』のサウンドについてです。作詞作曲は松任谷由実さん自身が行っておりますが、編曲は夫である松任谷正隆さんにより行われております。緩やかなテンポのポップナンバーです。個人的にはドラムが非常に耳に残りました。
 歌メロディーについては元々『Good-bye friend』というカップリングの楽曲があり、ドラマの主題歌として『サビ以外の部分を作り直した』そうです(Wikipediaより)。『Good-bye firend』と比べて、全体的にポップで明るいアレンジになっています。

 『Hello,my friend』の歌詞についてです。別れた恋人を思う歌詞になっています。「今年もたたみだしたストアー 台風がゆく頃は涼しくなる」とフレーズにあるように、時期としては暑さの和らぐ9月ごろだと推測されます(当ブログで取り上げようと思ったのも、ちょうど今の時期が想定される楽曲だからです)。「夏の終わり」と「恋人との別れ」がリンクしたような歌詞になっており、熱さが和らぎ去っていく夏の季節が、恋人との別れを思い起こさせます。

 個人的に面白いと思った点は、恋人との別れに対して、「もう二度と会えなくても 友達と呼ばせて(でいさせて)」と歌っていることです。単に恋人としてだけでなく、人間同士の付き合いとして非常に良い関係であったのではないかと私は想像してしまいます。一方で、「恋人との別れ」を「悲しいもの」、「思い出したくないもの」としてではなく、良い思い出として記憶したいという想いもあるのかもしれません。決して難しい言葉や比喩が使われているわけではないですが、聴き手の想像を喚起させ、共感を呼び起こすような歌詞だと思いました。



 さて、最後に『Hello,my friend』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3) ~【地声最高音】mid2G#(G#4) でメロディーが構成されております。一般的な女性の音域のよりもやや低めと言えます。

 まず、地声最高音のmid2G#ですが、声が低い女性はこの辺りを最高音にすることもあります。よって、女性の中で「女性ボーカルの歌だと歌えないので、カラオケなどでは男性ボーカルの曲を歌う」といった人は、この『Hello,my friend』は視野に入ってきうると思います。
 松任谷由実さんや中島みゆきさんなど大御所と言われるシンガーソングライターの作品には、比較的キーが低めな有名曲があります。高音域が苦手な女性は、男性ボーカルの曲や、J-POPが『歌謡曲』と言われていた時代のやや古めの楽曲に当たってみると良いかもしれません。

 一般的な音域の女性や、高音域が得意な女性の場合、『Hello,my friend』の原曲キーでは歌いにくいかもしれません。その場合はキーを上げてください。一つの目安として、原曲キーから3~4つ上げると、mid1F#~hiB(mid1G~hiC)といった音域に調整されます。

 ちなみに、『Hello,my friend』は声の高い男性でも歌いこなせる可能性が高いです。高音域に自信がある男性はチャレンジしてみても良いと思います。

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