なお、『埠頭を渡る風』は松任谷由実さんのYouTube公式チャンネルではライブの映像が公開されております。このライブについては、原曲キーよりも半音高いキーで歌われております(カラオケでいうと#1)。その辺りも踏まえて、ご視聴ください。
『埠頭を渡る風』(松任谷由実)、Futou wo Wataru Kaze(Yumi Matsutouya)
【地声最低音】mid1E(E3)
★m1G#[埠]頭m2E[を]渡G#[る か]ぜを見たG#[の]m1E[は]【Aメロ】
★m1E[い]つか二人がただm2E–m2F#[の[友]だ]ちだった日ね
【地声最高音】hiA(A4) ※最後のラララ…も含めると8回程度
★悲m2G#–hiA[しい[よ]る]はわたm2E[しをとな]りに乗せて【サビ】
【裏声最高音】hiC#(C#5) ※曲全体で2回
★(やさしくなんて)m2G#[しなくて]hiC#[い][いの]よ【Bメロ】
【補足】mid2F#~mid2G#を含むフレーズ一覧
★青m2E[いと]ばりが道の果てに続いてる か
★m2G#[もうそれ]m2F#[い]じょ[う] G#[もうそれ][い]じょ[う]G#
★いつでm2G#[も]強がG#[る]姿うそになる
まず、『埠頭を渡る風』(ふとうをわたるかぜ)についてです。この楽曲は、1978年に女性シンガーソングライターの松任谷由実さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年の『流線形’80』(りゅうせんけい はちじゅう)に初収録されており、ベストアルバムなども収められました。活動歴が長く、代表曲も多い松任谷由実さんですが、カラオケランキングでも上位に位置する人気曲です。
ちなみに、『埠頭を渡る風』、『流線形’80』は発売当初はいずれもレコードとしてリリースされ、1980年代にCDとして再リリースされているようです。
さて、『埠頭を渡る風』はアップテンポのマイナーナンバーです。ストリングスやホーンセクションなどが用いられており、哀愁が漂う作品となっております。作詞作曲は松任谷由実さん、アレンジは夫の松任谷正隆さんによりなされております。
ちなみに、同曲は、歌メロの展開が非常に特徴的であります。まず、頭サビで歌メロが始まり、AメロBメロと続きます。その後は間奏を挟んで、再びAメロBメロを経て、ラストサビへと展開します。まとめると、「サビ⇒AメロBメロ⇒間奏⇒AメロBメロ⇒ラストサビ」となります。AメロとBメロも非常にメロディアスであるため、サビの回数が少なくても存在感があるように私は感じました。もしかしたら、今後J-POPでも似たような展開をする楽曲が増えていくかもしれません。
『埠頭を渡る風』の音域的な特徴についてです。同曲は、おおよそ一般的な女性の音域の範囲内(やや低め)のレンジで歌メロが作られております。そのため、一部低音が歌いにくい部分があるかもしれませんが、サビなどは比較的チャレンジしやすい音域ではないかと思います。最近のJ-POP楽曲と比べるとかなりアプローチしやすく、高音域が苦手な女性などにもお勧めです。
ちなみに、同曲は、高音域が得意な男性であれば原曲キーでも歌唱可能だと思います。ただ、一般的な男性の場合はやはりキーを下げた方が歌いやすいです。
同曲は、2021年にロックバンドのDEEN(ディーン)によりカバーがされております。DEENは1990年代の『このまま君だけを奪い去りたい』など大きなヒットを記録したバンドです。このバージョンだと地声最高音がmid2F、裏声最高音がhiAに設定されております(原曲キーより4つ程度低い[♭4])。男性が歌う場合は、このレンジなどが合いやすいかもしれません。
最後に『埠頭を渡る風』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】hiA(A4)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内(やや低め)です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1EはAメロで登場します。このmid1Eは女性としてはかなり低めになります。人によってはキーを上げた方が歌いやすいのではないかと思います。一般的な歌い慣れた女性の場合はキーを上げるということも念頭に置いてください(高音域が得意な女性なども同様)。
次に、地声最高音hiAについてはサビで登場します。登場回数はラララなどの部分も含めて8回です。この辺りは一般的な女性の音域の範囲内です。このhiAは人によってはスムーズな発声が損なわれやすい音階ですが、比較的克服しやすい音域になります。その点で、高音域が得意でない女性にもチャレンジしやすい楽曲だと言えます。
『埠頭を渡る風』を原曲キーで歌唱する場合、地声でhiA,mid2G#辺りがしっかり歌いこなせる力が求められます。この辺りは女性の音域の範囲内であり、最近のJ-POPの人気曲などと比べると高くないレンジになります。よって、「標準より少し低めの音域の女性」、「高音域が得意な男性」などが合いやすいのではないかと思います。一般的な女性のであっても原曲キーでの歌唱は可能だとは思いますが、通常は少しキーを上げた方が歌いやすいのではないかと私は分析しました。
私なりのイメージですが、松任谷由実[旧姓・荒井由実]さんの楽曲は女性としてはやや低く、歌いやすいものが多いです。「最近のJ-POPの女性曲は高すぎて歌えない」という方などにはお勧めしやすいです。
『埠頭を渡る風』は最近のポップスと比べるとテイストが少し異なるサウンドアレンジかもしれません。ただ、歌詞内容などは情景描写が頭に浮かび、個人的には印象に残った作品です。高音域が苦手な女性にも合いやすいですので、興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。
コメント
リクエストに応えて頂き、ありがとうございます。是非、安藤裕子さん“のうぜんかつら(5分23秒ver)”の調査をお願いしたいです。よろしくお願いいたします。
リストアップしておきます。
安藤裕子さんはまだ取り上げてませんでしたよね。