なお、同曲は、松任谷由実さんのYouTube公式チャンネルでライブ版の映像が公開されております。よって、そちらを添付致します。動画では原曲キーの♭1(1つ低いキー)で演奏されております。
『やさしさに包まれたなら』(松任谷由実[荒井由実])、Yasashisa ni Tsutsumaretanara(Yumi Matsutouya[Yumi Arai])
【地声最低音】mid1F(F3)
★m1F#[ち]m2F#[い]m2F[さ]い頃は神さまm1F[が]いF#[て]【Aメロ】
★m1F#[不思]議にゆF#[めを]ぉかなえてm2F#[く]れた
【地声最高音】hiA#(A#4) ※曲全体で6場面(9回)
★目にうつる全hiA#[ての]m2G#[こ]m2F#[と][は]G# メ[ッ][セ]A#[ー][ジ]【サビ】
★(きっと 目にうつる全てのことは) hiA#[メ]m2G#[ッ][セ][ー]G#[ジ]m2F#
【補足】mid2F~mid2G#を含むフレーズ一覧
★m2F#–m2F[カ]ー[テ]ン]を開いて [し]ず[か]な]木洩れ陽の【サビ】
★やm2F[さ]m2F#[し][さ]にF[つ]F#[つ]m2G#[ま][れ][た]なら
まず、『やさしさに包まれたなら』についてです。この楽曲は、1973年に女性シンガーソングライターの松任谷由実[旧姓・荒井由実]さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては同年リリースのアルバム『MISSLIM』(ミスリム)に収録されており、ベストアルバムにも収められております。同曲は、シングルバージョンとアルバムバージョンでアレンジやテンポが異なっております。一般的によく知られているのは、軽快なテンポのアルバムバージョンの方だと思います(後述)。
同曲は、元々お菓子のCM曲として書き下ろされたものですが、1989年にスタジオジブリのアニメ映画『魔女の宅急便』のエンディングテーマ曲として使用され、再び脚光を浴びました。ちなみに、『魔女の宅急便』で使用されたバージョンはアルバムバージョンの方であり、オールタイムベストなどでは同バージョンが収録されております。いずれも松任谷正隆さんのアレンジになっております。
私自身、バージョン違いが認識できずに、以前カラオケで『やさしさに包まれたなら』のシングルバージョンを歌唱したことがありました。シングルバージョンはかなりゆったりしたテンポになっており、戸惑いながら歌唱したことが今でも思い出されます。
『やさしさに包まれたなら』の音域的な特徴についてです。同曲は最近のJ-POPとしては低めのレンジで歌メロが作られており、声が低い女性でもチャレンジしやすいのではないかと思います(質の高い表現をするには練習が必要です)。同曲は多くのカバーがなされておりますが、カバーの際は大体、原曲から2~3つ上げたhiC,hiC#辺りに設定されることが多いようです。歌メロも覚えやすく、ビギナーにもお奨めです。
さて、『やさしさに包まれたなら』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)~【地声最高音】hiA#(A#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内であります。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1FはAメロで登場します。この辺りは一般的な女性の音域の範囲内でありますが、mid1F#等も伴っており、やや低いです。低音が苦手な方などは少しキーを上げてもよいと思います。ちなみに、プロの歌手がカバーする際は、原曲より3つ程度上げることが多いようです。
一方、地声最高音hiA#はサビで登場します。登場回数は6場面であり、比較的多いです。この辺りも一般的な音域の範囲内であり、歌い慣れていない人でも取っ付きやすいのではないかと思います。反面、高音域が得意な方は、もう少しキーを上げてもよいかもです。キーを上げる際は、原曲キーから2~3つ程度を目安に上げてみてください。
『やさしさに包まれたなら』は音域がそこまで広くなく、キー調整の融通も利きやすいです。ただ、低音が結構低めなので、女声の場合はどちらかといえばキーを上げる調整が多いのではないかと思います。同曲は、音域やリズムなどを考えても、声の低い人やビギナーなどにも手を付けやすいです。練習曲としてもお奨めです。
ちなみに、男性が歌う場合は、原曲キーでも良いですが、一般的には少しキーを下げた方が歌唱しやすいです。キー調整も込みですが、J-POPの難しめの男性曲よりは、ずっと手を付けやすいのではないかと思います。歌う際は、優しい発声を心がけるとよいと思います。