『ダンデライオン』( Da-iCE ) の 音域

　まず、『ダンデライオン』についてです。この楽曲は、２０２３年にダンス＆ボーカルグループのDa-iCEによりリリースされたシングル作品です。５月現在だと配信限定のシングルであり、最新作であるため、アルバムには未収録です。

　さて、『ダンデライオン』はテレビドラマ『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』の主題歌として書き下ろされました。同ドラマはドラマ『ケイジとケンジ　所轄と地検の24時』の続編にあたる作品であります。後者については主題歌が宮本浩次さんの『ハレルヤ』(過去記事)となっており、当ブログでも以前に取り上げました。
　ちなみに、Da-iCEがプライムタイム（19:00 – 23:00）のドラマ主題歌を手掛けるのは、２０２０年の人気曲『CITRUS』(過去記事)以来であり、『ダンデライオン』にも注目が集まります。


　『ダンデライオン』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としては高い（一部はかなり高い）レンジで歌メロが作られております。低音域に余地がるため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいと思います。
　同曲は、全体的にみると中高音寄りの曲であり、hiA以上の高音はサビを中心に見られます。ボーカルが2人でメロを担当しているということもあり、高音域が得意な男性でも1人の場合は体力的にしんどくなりやすいのではないかと思います。一般の方のカラオケ音源や歌ってみたなどを見てみると、女性が原曲キーで歌唱してるものもあり、私自身驚かされました（女性の場合、可能ならば少しキーを上げるのもよい）。

　ちなみに、ボーカルの花村想太さんと大野雄大さんについてですが、今回の曲では花村さんはhiC以上の高音域で「裏声」を使うことが多く、大野さんは地声ベースで歌唱することが多いように私は分析しました。大野さんはhiC#以上のレンジも地声で歌唱されております。皆さんが歌唱する際は、各人の声質などを考慮して、適宜裏声地声を使い分けるとよいと思います。



　最後に『ダンデライオン』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)～【地声最高音】hiD#(D#5)、【裏声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、かなり高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1EはAメロで登場します。登場回数は2回程度です。この辺りは男性の音域の範囲内です。一方、女性にとってmid1Eはかなり低い音階です。今回はmid1Eの回数は少ないですが、女性の場合、人によってはキーを上げた方が歌いやすいかもしれません（高音域が得意な女性などはキー上げを推奨します）。

　次に、地声最高音hiD#はDメロで登場します。登場回数は1回程度です。このhiD#は瞬間的ですのであまり厳密にこだわらなくてもよいかもしれません。ただ、hiD#を除いても、hiDが地声で2回程度登場します。そのため、男性の音域としてはかなり高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。
　今回はhiC#以上の高音域について、花村想太さんのパートでは裏声で歌唱されております。そのため、裏声が上手く歌える方はhiC#以上を裏声で歌ってもよいかもしれません。


　『ダンデライオン』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。ただ、同曲は音域自体が広いため、人によってはキーを下げても歌いにくい部分が出てくるかもしれません。キー調整をするにしてもある程度高音域が得意な人の方がチャレンジしやすい楽曲です。
　同曲はボーカルが2人であるため、終盤は特に体力が辛くなりやすいです。場合によっては2人以上で歌唱するのも選択肢ではないかと私は考えました。

　『ダンデライオン』を原曲キーで歌唱する場合、hiA～hiC（hiC#以上は裏声で歌唱するとして）辺りを地声でしっかり歌いこなせることが求められます。この辺りは男性としては高いです。また今回は全体的に中高音寄りであり、終盤は体力的にもしんどくなりやすいです。こうしたことを踏まえると、「高音域が非常に得意な男性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、先述のように、女性の中には原曲キーが合うという人もおられるかもしれません（今回は少し低音がきついかも）。


　『ダンデライオン』はボーカルの良さが活きやすいポップであり、カラオケなどでも歌いこなせると映えると思います。また、Da-iCEのお二人は、THE FIRST TAKEでも同曲を歌唱されております。そちらも練習の参考にするのも良さそうです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。