『NOISE』(Wurts)の音域 / 映画『ブルーピリオド』主題歌

2025/1/24 Wurts

こんにちは。今回はWurtsさんの『NOISE』(2022)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。

『NOISE』(Wurts)

【地声最低音】mid1A(A2)　

★m1C#[ね]むれ[ない夜を描m1B–D[き]消し]C#[て]【Aメロ】
★m1C#[君と不確か]なよm1A–B[るを]待[て]
★君とm1D–m1C#[な[ら乗]り[越]えC#–D[ら]れ[る]【サビ】

【地声最高音】mid2E(E4)　※全体で８回程度

★m2E[ぼ]くならどんな不安m2C#[な]夜も【サビ】
★m2E–m2C#[どう]して] E[どう]塗り替えて]ぇ【Cメロ】

【補足】その他の中高音を含むフレーズ一覧

★m2C#[ま]だか？不[たし]かな[よ]るを抜け【サビ】

　まず、『NOISE』についてです。この楽曲は、２０２４年に男性シンガーソングライターのWurtsさんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年に発売された『元気でいてね。』に初収録されました。同アルバムには、『ソウルズ(feat. suis from ヨルシカ)』などの楽曲が収められています。

　さて、『NOISE』は山口つばささんの同名漫画を原作とした実写映画『ブルーピリオド』の主題歌としてタイアップが付きました。歌メロはAメロサビCメロからなり、最近のJ-POP人気曲と比べるとシンプルな構成になっています。ただ、全体的にキャッチーであり、カラオケなどで歌って気持ちよさそうだと私は感じました。作詞作曲編曲はWurtsさんによりなされました。

　『NOISE』の音域的な特徴についてです。同曲は大よそ一般的な男性の音域の範囲内で歌メロが作られています。標準的な音域の男性が原曲キーにマッチしうる曲です（歌いこなすには練習が必要）。
　同曲は地声最高音がmid2E程度であり、J-POP男性曲としても中高音が控えめです。一方、低音域についてはmid1Aやmid1B等が登場します。男性の音域の範囲内ではあるものの、J-POPの男性曲としてはそれなりに低音感がある印象です。そのため、音域的には「中低音域が得意な男性」の方がマッチしやし曲だといえます。「高音域が得意な男性」などは少しキーを上げてもよいかもしれません。

　女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。ただ、今回の楽曲は低音がかなり低いため、キーを上げるよりも「キーを２～３つ程度下げて、１オクターブ上のレンジを歌う」方がマッチするかもしれません。また、「高音域が非常に得意な女性」などは「原キーのまま１オクターブ上」を歌うこともできる可能性があります。

　最後に『NOISE』の音域についてですが、【地声最低音】mid1A(A2)～【地声最高音】mid2E(E4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内（J-POP男性曲としては低め）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1AはAメロで繰り返し登場します。この辺りは男性の音域の範囲内ですが、それなりに低音感があり、人によってはかなり歌いにくい可能性があります。「高音域が得意な男性」などはキーを上げてもよいと思います。

　次に、地声最高音mid2EはサビやCメロで登場します。登場回数は８回程度です。この辺りは男性の音域の範囲内ですが、mid2Eは歌い慣れていない男性だとスムーズな発声が損なわれうる可能性があります。ただ、J-POPの男性曲としては控えめの高音であり、比較的克服しやすい音階でもありますので、少しずつ練習を重ねてみてください。歌い慣れた人であれば、原キーでの歌唱しやすいレンジといえます。ただ、「高音域が得意な男性」などは少しキーを上げた方がより歌いやすいと思います。

　『NOISE』は低音域が低くキーを下げる余地はあまりありません。反面、今回は中高音域がそこまで高くないため、キーを上げる余地はいくらかあります。そのため、歌い慣れた男性であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。一方、今回は低音域の登場頻度などを考慮すると、ビギナーは一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません（歌えなくはないと思いますが）。音域的には比較的取っ付きやすそうですが、雰囲気ある歌唱をするためには練習が必要ですので、弛まぬ練習を重ねてください。
　同曲はメロディーは分かりやすく、リズムなども取りやすそうです。音域がマッチするのであれば練習曲に向くと思います。最近のJ-POP男性曲はどうしても中高音寄りの曲が多いです。その点で、個人的にはこの『NOISE』は一般的な音域の男性（「標準より低めの声域の男性」も含む）にもおススメしやすい楽曲だと感じました。

　『NOISE』を原曲キーで歌唱する場合、mid2C#～mid2Eといった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はサビを中心にmid2C#等が多く登場しますが、最近のJ-POP男性曲としては高音域が控えめです。一方、低音についてはmid1A辺りが多く、それなりに低音感があります。
　こうした点を考慮すると、「標準より低め～標準よりやや高めの音域の男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。「標準より高め～高音域が得意な男性」などは少しキーを上げてもよいと思います。

【まとめ】

①最近のJ-POP男性曲としてはやや「中低音」寄り
②原キーだと「標準より低め～標準よりやや高めの音域の男性」に合いそう
③「高音域が得意な男性」などはキーを上げてもよい
④メロは分かりやすく、カラオケ向き