『通り恋』(indigo la End)、Toorikoi(indigo la End)
【地声最低音】mid1E(E3)
★聞かれm2E–m2F[た[ら]こ]まる話だm1F–m1E[け[ど]【Aメロ】
★m2E[わ]かってるって 言ったかもm1F–m1E[し[れ]ない[けど]【2番Aメロ】
★m1F[得]意料理も知らF–m1E[ない[まま]だっ[た]
【地声最高音】hiB(B4) ※曲全体で1回
★いm2G[ちぶとはい]hiA–hiB[え[ない]【ラストサビ】
※若干裏声っぽくも聞こえますが、今回は地声判定としました
【裏声最高音】hiC(C5) ※サビ等で登場
★hiC裏–hiB–hiA[あ]い]し]てることだけ うA裏–m2G[た]うよ]【サビ】
★hiB–hiC裏[大き[な]あ][いを]hiA 叫び続けるよ【ラストサビ】
【補足】mid2E(一部略)~hiBを含むフレーズ一覧
★ 2人m2E–m2F[い[が]い]にとっちゃどうm2G裏[でも]い[い]【Aメロ】
★もうm2E[泣いても]いい [み]m2F[だれても][いい]【サビ】
★こm2G地[われても]いい だhiB裏–hiA[けどあな]たを]
★m2E[ぜ]ん[ぶ]ぬE–m2F[ぐい[去]る[ま]えに]教えて欲しかった【Cメロ】
★砂てm2E[つ]ぅみたいに吸い寄せられたから m2G裏[冷たい]m2E地[部]分も知ってた
★同じ言葉でまやかしm2E[合っ]た そんな結[果]で[終]わり[な]の?
★m2G–hiA[あなたがして[た]ゆ[びわのサ]イズを]【大サビ】
★m2G–hiA[靴のサイ[ズ]だ[け]直]せm2F[つ]聞[い]ちゃっ[て]
★(靴のサイズだけ直接聞いちゃって)m2G–m2F[わ]ら[われたこ]と]も
★m2E[で]も[さ]、m2G[やっぱ][り] 好きなんだ
まず、『通り恋』(とおりごい)についてです。この楽曲は、2019年に4人組ロックバンドindigo la End(インディゴ・ラ・エンド)によりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年にリリースされたアルバム『濡れゆく私小説』(ぬれゆくししょうせつ)に初収録されました。同アルバムには、『ほころびごっこ』、『はにかんでしまった夏』といったシングルが収録されております。また、私個人としては、先行配信された『小粋なバイバイ』という楽曲が特にお気に入りです。
『通り恋』はアルバムのリード曲として先行配信されましたが、後にイベント限定でカセットシングルとしてリリースされました。同曲は、indigo la EndのYouTube公式チャンネルでミュージックビデオが公開されており、500万回を超える再生回数を記録しております。ストリーミングやカラオケでも『夏夜のマジック』(過去記事)、『チューリップ』などに次ぐ順位にランクしており、バンドの中でも人気のある楽曲の1つとなっております。
最近はレトロブームなどの影響もあり、アナログレコード盤などが人気です(インディゴも2021年のアルバムでアナログ盤が出てます)。そうした流れの中で、インディゴのように、あえてカセット盤をリリースするミュージシャンも増えております。8月にはB’zのアルバムにも特典としてカセットテープ盤が付属することで話題となりました。
『通り恋』はスローテンポのバンド曲です。歌詞の内容もそうですが、サウンドも切なさが強調されております。歌メロはAメロサビCメロ大サビといった形で作られており、比較的シンプルなのではないかと思います。作詞作曲はボーカル&ギターの川谷絵音さん、編曲はindigo la Endによりなされております。
ちなみに、『通り恋』は造語であり、おそらく「通り雨」等から来ているのではないかと思います。「得意料理も知らないままだった」などの歌詞からも想起されるように、パッと始まって、パッと終わってしまった通り雨のような恋が描かれていると私は解釈しております。
ちなみに、私個人として強く印象に残ったことは、「主人公の性別」についてです。同曲の歌詞内容の中の、「得意料理も知らないままだった」という場面は、保守的な見方だと、男性から女性に向ける感情であります。反面、歌詞の口調などは女性が主人公のようにも捉えることができます。ただ、今の時代、これだけで性別を限定するのは難しく、どちらにも取れるような絶妙なバランスで歌詞が描かれているように感じました。テンポがゆったりしている分、より歌詞が耳に入ってくる楽曲です。
『通り恋』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域と比べて高めのレンジで歌メロが作られております。よって、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。同曲は、曲全体を通して、mid2E~mid2F辺りの頻度が高く、安定した中高音域が要求されます。その点でも、原キーではしんどいです。
ちなみに、同曲はmid1E,mid1F#辺りがAメロで複数回登場します。この辺りは女性の音域としてはかなり低いです。よって一般的な女性が原曲キーで歌うのはかなり大変なのではないかと思います。原曲キーも不可能ではないですが、女性の場合は、通常は少しキーを上げた方がよいと私は判断しました。
最後に『通り恋』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hiC(C5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べて高めです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1EはAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内ですが、低音域が苦手な方は少し歌いにくいかもしれません。また、mid1Eは女性の音域としてはかなり低いです。今作ではmid1Eが複数回登場しますので、女性の場合は通常はキーを上げた方が歌いやすいです。
次に、地声最高音hiBはラストサビで1回だけ登場します。この場面を除くと、hiAが大サビの部分で比較的多くみられます。hiBやhiAは男性の音域としては高めであるため、一般的な男性は通常はキーを下げた方が歌いやすいと言えます。一つの目安ですが、原曲キーから2つ程度を下げてみてください(カラオケでいえば♭2程度)。
『通り恋』は低音域に若干の余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに合わせることができるといえます。ただ、男性曲としては音域がやや広めであるため、歌い慣れていない人向けには難しい部分があるかもしれません。その点は留意しておいてください。
同曲は歌メロ等も比較的シンプルであり、難しいリズムなども多くありません。そのため、音程が合うのであれば、練習曲として使いやすいかもしれません。
『通り恋』を原曲キーで歌唱する場合、大まかな目安ですが、hiA辺りを地声でしっかり歌いこなせる力が求められます。また、mid2E~mid2G辺りの中高音域も多いです。更に、同曲は裏声も比較的多くみられます。そうした器用な発声も不可欠になります。
よって、原曲キーの場合は、「標準より高めの音域の男性~ある程度高音域が得意な男性」などが合いやすいと私は分析しました。先述のように、女性の場合は原キーでの歌唱が難しいです。あえて例示するならば、「標準より低い女性」などは合いやすいかもしれません(「J-POPの女性曲はどれも高すぎる」という女性には合う可能性があります)。
『通り恋』は切ないスローナンバーです。盛り上がる曲というわけではないですが、歌メロや歌詞などもよく、音域が合う人には練習曲としても使いやすいと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。