『それを愛と呼ぶなら』( Uru ) の音域

　まず、『それを愛と呼ぶなら』についてです。この楽曲は、2022年に女性シンガーソングライターのUruさんによりリリースされたシングル作品です。最新作ですので、2022年10月現在アルバムには未収録です。
　『それを愛と呼ぶなら』はテレビドラマ『マイファミリー』のために書き下ろされました。楽曲の質も相まって、UruさんのYouTube公式チャンネルでは600万回を超える再生回数を記録しております。また、ドラマが終了した現在でもストリーミングランキングにチャートインし続けております。


　『それを愛と呼ぶなら』は美しいバラードナンバーです。ストリングやピアノが基調となっており、ボーカルの良さが活きやすいです。同曲の作詞作曲はUruさん、編曲は小林武史さんが担当されました。小林さんは、Uruさんの作品については『あなたがいることで』(過去記事)でもアレンジを行っております。

　『それを愛と呼ぶなら』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性曲の音域の範囲内、もしくはやや高めのレンジで歌メロが作られております。楽曲の一部で地声感の強いhiDが登場しますが、高音域が得意でない方はhiD辺りを裏声で歌唱してもよいかもしれません。
　同曲は、サビを中心に裏声が多用されております。そのため、器用な裏声と地声の使い分けが不可欠になります。
　ちなみに、男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。高音域が非常に特異な一部の男性であれば、原曲キーでの歌唱も可能かもしれませんが、あまり一般的ではありません。



　最後に『それを愛と呼ぶなら』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)～【地声最高音】hiD(D5)、【裏声最高音】hiD#(D#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内、もしくはやや高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1Fはサビの最後で登場します。このmid1Fは歌えるに越したことはないですが、登場頻度も低いため、低音域が苦手な方は無理に歌わなくてもよいのではないかと私は判断しました。このmid1Fを除くと、mid2A#が最低音となり、少しならばキー下げが可能になります。

　次に、地声最高音hiDについてはDメロで登場します。登場回数は4回程度です。このhiDは女性の音域としてはやや高めであります。そのため、場合によってはキーを下げることも選択肢に入れてください。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度下げるとよさそうです。
　ちなみに、ゆったりめの歌モノということもあり、hiDを裏声で歌唱するというのも一つの選択肢です。同曲は通常のサビでは裏声が多用されておりますので、hiDを裏声で統一するのもよいと私は考えております。


　『それを愛と呼ぶなら』は、最低音に厳密にこだわらなければ、キーを下げることも可能です。ある程度歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに調整することができそうです。同曲が歌メロが美しく、またリズムが難しし場面なども多くありません。そのため、ビギナーなどでも音域が合うのであれば、練習曲として使いやすいと思います。キーを調整しても歌いにくい場合は、別の易しめの曲と並行して練習してください。

　『それを愛と呼ぶなら』を原曲キーで歌唱する場合、地声でhiA#～hiC(可能であれば地声hiD)辺りをしっかり歌いこなせると形になりやすいです。とりわけサビでは高めの音が多く、安定して中高音域が歌いこなせる力が求められます。そのため、「標準よりやや高め～ある程度高音域が得意な女性」などが原曲キーにマッチしやすそうです。裏声が器用に使いこなせる方であれば、「標準的なの音域の女性」でもチャンスがありそうだと私は判断しました。


　『それを愛と呼ぶなら』はバラード曲であり、ボーカルの良さが活きやすい楽曲です。カラオケなどで歌いこなせると映えますし、Uruさんの歌唱表現なども参考になりやすいと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。