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『チルドレンレコード』(じん[自然の敵P])の音域

こんにちは。今回はじんさんの『チルドレンレコード』(2012)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『チルドレンレコード』(じん)
『チルドレンレコード』(じん[自然の敵P])の音域








【地声最低音】mid2B(B3) 

m2B[し]ろいイhiB[ヤ]ホンを耳にあて【Aメロ】
★合図m2B[が終]わる【ラストサビ[1オクターブ下]】

【最高音】hihiF#(F#6) ※ラストサビで登場(通常サビではhihiE)

hihiD#[最善]策はその目を見ひhihiF#F[らい]た]【ラストサビ[転調₊2]】


【補足】その他の印象的な場面

★染み込んだこの温度が ドアをノックしたhiD[瞬間に]【Aメロ】
★溢れそうhihiBhihiAhiG[に]な]る]よ  [ま]だ視えない?
hiDhiE[い[と]し]くて 辛くて 世界を嫌ったヒED[ト]の]【Bメロ】
hiGF#[ひ]ど]く理hiE[不]尽なEhiG[構[成]
hiG#[少年しょ]う女hihiB[前]を][く]【通常サビ】
★目を開き手を取hiGhihiA^-hihiB[り[合][た])[ら]【Dメロ】
★「合い言葉だ」って言hihiBDhihiE[い[合[え][る]
★少しhihiABhihiD[だ[け[ま]えを向hihiED[け]る]
hihiA#[少年しょ]う女hihiC#[前]を][く]【ラストサビ[転調₊2]】
★暮れるhihiA#[炎天さ]え希hihiD#C#[望]論]だっ]
★ツカミhihiA#[ト]レ ツカミhihiC#[ト]レ]
★三hihiC#G#[日]づ]きがあ[か][燃][上B[が]る]
hihiEB[た]い]ようがあ[か][燃][上hihiD[が]る]
hihiD#[さぁさぁ]hihiA#[コー]ルだ 最後にし[よう]
hihiA#[オー]バーな妄想戦線 感情性[のhihiD#[メ]ビ]ウスの先へ

 まず、『チルドレンレコード』についてです。この楽曲は、2012年にボカロPのじん【自然の敵P】さんによりリリースされました。同曲は、じんさんの主催するマルチメディアプロジェクト『カゲロウプロジェクト』のテーマソングのような位置づけにある曲であり、じんさんの作品群でも特に人気の高い楽曲の1つです。この楽曲が収録されたアルバム『メカクシティレコーズ』はアルバムチャートで1位を獲得し、日本レコード協会よりゴールド認定(売上10万枚)がなされています。

 『チルドレンレコード』はアップテンポのボカロ曲です。歌メロはAメロBメロサビといった親しみやすい構成になっています。Aメロ後半から1オクターブ上で歌メロが展開されるなど、人間だと歌いにくいようなボカロ曲らしい展開が見られます。また、ラストサビは通常サビよりも2つ高いキーとなっています。こうした構造故に、音域がかなり広い曲です。


 『チルドレンレコード』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性の音域としては極めて高いレンジで歌メロが作られております。音域がかなり広いため、ソロで歌唱するのが極めて大変な楽曲です。
 同曲はAメロ前半だけは「mid2B~hiD」といった大よそ一般的な女性の音域で歌メロで展開されます。ただ、それ以外の大部分についてはhiE以上の高音階が歌メロに含まれており、hihiA(A5)以上の音階も頻出するようになります。こうした点を考慮すると、原曲と同じ声域で歌唱をするのが非常に困難な楽曲です。

 ※今回の楽曲を歌唱する上では、①【にじさんじカゲプロ】よりカバーされているバージョン、②伊東歌詞太郎さんによるカバーのバージョンが参考になるのではないかと思います。2つのカバーはいずれも原曲よりも1オクターブ低いレンジ【mid1B~hiF#】で歌唱されており、低音域を男性が担当しています。


 最後に『チルドレンレコード』の音域についてですが、【地声最低音】mid2B(B3)~【最高音】hihiF#(F#6)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、極めて高いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid2BはAメロおよびラストサビ(1オクターブ下)で登場します。この辺りは女性の音域の範囲内です。今回は地声最低音で歌いにくいということは少ないと思います。

 次に、最高音hihiF#(F#6)はラストサビで登場します。登場回数は1回のみです。同曲は、サビやDメロ等でhihiA以上の音階が非常に多く登場します。こうした点を考慮すると、女性の音域としては極めて高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。


 『チルドレンレコード』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。ただ、今回の楽曲は音域自体が極めて広いため、歌い慣れた人であっても歌いにくい曲です。息継ぎなどもしにくいため、ソロで歌唱するのが非常に困難な作品です(歌メロ自体は比較的わかりやすい)。
 ちなみに、同曲はVtuber・バーチャルアイドルのときのそらさんがカバーしており、そちらは原キーよりも2つ低いキーで歌唱されています(mid2A~hihiE)。ただ、このレンジであっても一般的には極めて困難な声域です。ときのそらさんは声域的にもかなり高音寄りであることに加えて、大学で声楽を学ばれていたそうです。

 『チルドレンレコード』を原曲キーで歌唱する場合、hihiA超の高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。この辺りは女性の音域としては極めて高く、このレンジでメロを展開するのはあまり現実的ではないと思います。
 今回はhiG以上が含まれる歌メロについては、一般的には1オクターブ下のレンジで歌唱するのと歌いやすいのではないかと私は考えています。

【まとめ】

①hihiA(A5)以上の高音域が登場する場面が多く、極めて高い
②原キーで歌うのが非常に困難な曲(ソロは特に難しい)
③また、歌メロが速く、息継ぎなどもしにくい
④歌メロ自体は比較的覚えやすい
⑤男性をメンバーに含め、複数人で1オクターブ下のレンジで歌うとよいかも

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コメント

  1. ああ より:

    リクエストに応えて頂きありがとうございます!
    オク下でもHiF#てとんでもないですね、ボカロならではって感じです

    • もりっしー より:

      コメントありがとうございます
      この曲は原キーだと異次元に高いですね
      女性でも「オク下が合う曲」というのは珍しいと思います

  2. クロ より:

    取り上げていただきありがとうございます。原キーがhihiF#ということには驚きましたww ボカロはそこまで詳しくないですが、これより高いボカロ曲は高音厨音域テストくらいしか知らないですw あのまふまふでさえ(天月さんとのデュエットとはいえ)オク下で歌ってるのでそのヤバさが分かりますね。ときのそらさんは2下げとはいえ、流石に凄まじい高さですね。最初から最後まで地声混じりの裏声で歌ってるので、裏声主体の発声でボカロの繊細さを残しながらも細くなりすぎないように地声を混ぜてるのは凄いと思いました。個人的には「メビウスの先へ」のhihiC#ぐらいまでは混ざってるように感じました。