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『想い出がいっぱい』(H2O)の音域

こんにちは。今回はH2Oの『想い出がいっぱい』(1983)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『想い出がいっぱい』(H2O)
『想い出がいっぱい』(H2O)の音域







【地声最低音】mid1E(E3) 

m1E[古い] m1F[ア]ルバムの2Dm2E[なか[ぁ]【Aメロ①】


【地声最高音】mid2G(G4) ※全体で8回程度

m2EDm2G^[手に届くう](ちゅ[う]は] 限り【Bメロ】
m2E[大人の階段]m2G[ぼる] 君はまだシンF[デ]レ]ラさ【サビ】


【補足】mid2Emid2Fを含むフレーズ一覧

★隠m2E[れて][い出m2F[が]いっぱい【Aメロ】
★日付m2E[けは] m2F[か]な]メモリー
★なm2D[く]m1G[んで] 君をm2Em2F[つ[つ]ん][い]【Bメロ】
★少女だったm1G[と] m2Em2F^-D[い[つ]の]日]か 想う時が[く]るのさ【サビ】

 まず、『想い出がいっぱい』についてです。この楽曲は、1983年に2人組音楽ユニットのH2Oによりリリースされたシングル作品です。
 同曲は、あだち充さんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『みゆき』のエンディングテーマとしてタイアップが付きました。楽曲の質も相まってロングヒットを続け、最終的には40万枚を超えるフィジカルセールスを記録しました。同バンドの代表的なシングル曲であり、アニメソングとしても人気が高いです。
 また、中高生の合唱コンクールなどでも歌われております。また、最近でも多くカバーされております。アニメやオリジナル曲を知らなくても聴いたことがあるという人もおられるかもしれません。

 『想い出がいっぱい』はスローなバンド曲です。全体的にクリアな心地よいサウンドが印象的であり、歌メロも親しみやすいです。歌メロはAメロ(Bメロ)サビと展開します。作詞は阿木燿子さん、作曲鈴木キサブローさん、編曲は萩田光雄さんによりなされました。

 ※ちなみに、今回は添付している動画は、元H2Oのなかざわけんじさんによるセルフカバーバージョンの動画を添付しています。この記事を執筆時点(2024年12月)で、ストリーミングで配信されているのもセルフカバーのみです。


 『想い出がいっぱい』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としてはやや高め~高めのレンジで歌メロが作られています。低音域委余地があるため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
 同曲は曲全体を通して、ほぼ全てのフレーズにmid2E~mid2Fが含まれています。そのため、最高音がmid2Gですが、体感的には中高音寄りであり、見た目の音域以上に高く感じやすいと思います。低音についてもmid1Eと男性の音域としてはやや高めです。こうした点からもやはり中高音寄りの曲といえます。

 女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回は、最低音がmid1Eであるため、女性の低音としては低いです。また、高音レンジなどを考慮してもいくらかキーを上げた方が歌いやすいと思います。ちなみに、同曲は女性によるカバーも多くなされており、ここ1~2年でも声優の雨宮天さん、上坂すみれさん(『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』EDとして)、歌手の森口博子さんにより歌唱されています。この中では、森口博子さんが原キーより2つ高いキー(m1G~hiA#)、雨宮天さんが3つ高いキー(m1G#~hiB)、上坂さんが+6(m2A#~hiC#)のキーで歌唱されています。この辺りが1つの参考になると思います(上坂さんのキーは結構高いです)。



 最後に『想い出がいっぱい』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】mid2G(G4)で歌メロディーが構成されております。一般的な。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1EはAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、男性の曲の低音としてはやや高いため、相対的に中高音域が得意な男性向けの曲であることが示唆されます。

 次に、地声最高音mid2GはBメロやサビで登場します。登場回数は8回程度です。このmid2Gに次ぐ地声高音としては、mid2Fがピークとなる場面が全体で16回程度登場します。また、mid2Eの頻度などを考慮しても、 男性の音域としてはやや高め~高めであり、通常はキーを下げた方が歌いやすいと推測されます。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。


 『想い出がいっぱい』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。また、ビギナー向けの調整も可能だと思いますが、慣れないうちは一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。
 同曲はメロディーが分かりやすいです。一方、オリジナルのはスローテンポであり、合唱で歌われるテンポなどと比べてもゆったりしています。そのため、慣れないうちは少しテンポを上げた方が歌いやすいのではないかと私は分析しました。合唱コンクールなどで歌われることもあり、練習曲としても使いやすい印象です。

 『想い出がいっぱい』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E~mid2Gといった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はほぼ全てのフレーズでmid2E~mid2F辺りが含まれており、要所でmid2Gなどが登場します。こうした点から、男性の音域としては高めな印象です。
 こうした点を考慮すると、「標準より高め~高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は推測しました。「高音域が非常に得意な男性」についても原キーでの歌唱が可能ですが、場合によっては少しキーを上げてもよいかもしれません。

【まとめ】

①全体的に中高音寄りの曲
②原キーだと「標準より高め~高音域が得意な男性」などに合いそう
③原曲はスロー曲であるため、少しテンポを上げるとより歌いやすい
④音域が合うのであれば、練習曲向き。歌のよさが活きやすい曲



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コメント

  1. ななし より:

    この手の歌、最高音はさほど高くないけど、爽やかに力抜いてでの最高音なので意外と難易度高かったりする。

  2. 名無し より:

    高いイメージはあんまりなさそうだけど、こうやって調べてみると中高音寄りで意外と高いと分かるのも音域調査の醍醐味みたいなもんですよね