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『ラブ・ストーリーは突然に』(小田和正)の音域

 こんにちは。今回は小田和正さんの『ラブ・ストーリーは突然に』(1991)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲です。年末にたまたま耳にして、調査したくなりました。


『ラブ・ストーリーは突然に』(小田和正)
『ラブ・ストーリーは突然に』(小田和正)の音域








【地声最低音】mid1E(E3) ※聞き取りにくい

★浮かんm2Am1G[で[は]消えて[ゆG[く]【Aメロ】
★ふたり m1Em2F#E[た[そ]がれ]
★いm2A[ま]ぁ君[のここm1F#[ろ]が] [動]1F#[た]【Cメロ】


【地声最高音】hiB(B4) ※全体で7回(ラスサビが特に多い)

m2F#[ぼ]hiBA[ぅ]ら]は] [いつ]hiA[で]も]【サビ】


【補足】mid2E(一部略)hiAを含むフレーズ一覧

m2D[何からつ]たえ[れ]ばい[い]のか【Aメロ】
★分からないまm2E[ま]時はm2A[な]がれ2A[て]
m2E[ありふれ]たこm2F#E[と]ば]だけ[ぇ]
F#m2G^[あ[め]も] E[止][でm2GF#[ふ]たり]
m2F#GhiA[あ[の[日]あ]の][きGA[あ[の][場]所で【サビ】
★君m2E[に]会えなかっ[たm2F#[ら]
★見知らぬふたm2E[りの] m2F#[まま]
★君を誰m2E[にも] [わ][さm2F#[ない]【Cメロ】

 まず、『ラブ・ストーリーは突然に』についてです。この楽曲は、1991年に男性シンガーソングライターの小田和正さんによりリリースされたシングル作品です。同曲は小田さん自身はシングル曲『Oh! Yeah!』のカップリングとして発表したいと考えていましたが、シングルとして発表したいレコード会社との折衷案として両A面という形が取られたそうです。

 『ラブ・ストーリーは突然に』は、フジテレビ系の月9ドラマ『東京ラブストーリー』の主題歌・挿入歌として書き下ろされました。ドラマ記録的な大ヒットに伴い、楽曲も大きな注目を集め、270万枚を超える爆発的なCDセールスを達成しました。また、この楽曲のヒット以降、ドラマ主題歌による爆発的なヒットが続出し、200万枚を超えるCDヒットも生み出されました。テレビドラマと主題歌という関係性においても1つの大きな起点となった楽曲と言えそうです。


 『ラブ・ストーリーは突然に』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としては高いレンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。
 同曲は、男性曲としては中高音寄りの歌メロになっており、サビはもちろん、Aメロでもmid2D~mid2F#といった中高音が登場します。一方、低音域についても男性曲としては高いため、その点でも中高音域が得意な男性の方がマッチしやすい曲といえます。また、今回の楽曲は、ギターソロなどの間奏が短いため、体力的にもしんどくなりやすい曲です(ただしイントロは長め)。

 女性が同曲を歌唱する場合、通常は少しキーを上げた方が歌いやすいです。今回は低音域としてmid1F#~mid1G等が見られます。男性曲として高めの低音ですが、女性の得意な声域などを考えるとキーを上げた方がより歌いやすいといえそうです。一つの目安ですが、原曲キーから1~3つ程度上げてみてください。同曲は、2024年にアニメのED曲として声優の上坂すみれさんが原キーより2つ高いキーでカバーしております。一方、「標準より低めの音域の女性」などは原キーがマッチする可能性もあるので、その辺りは実際に歌唱して微調整を加えてください。



 最後に『ラブ・ストーリーは突然に』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1Eは1番Aメロで登場します。このmid1Eについてはかなり聞き取りにくく、私自身も判断に迷いました。今回は低音域としてはmid1F#辺りがしっかり歌えると形になりやすいと私は分析しています。こうした点を考慮すると、男性曲の低音としては高いことが分かります(女性曲としては低い声域です)。

 次に、地声最高音hiBはサビで計7回登場します(ラストサビで特に多い)。こおhiBに次ぐ地声高音としては、hiAがピークとなる場面が全体で21回程度登場します。こうした点を考慮すると、男性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから3~5つ程度下げてみてください。


 『ラブ・ストーリーは突然に』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。また、ビギナー向けの調整も可能といえば可能ですが、多くのキー調整が必要になるため、違和感などを感じる人も多いかもしれません。キー調整を考慮しても、歌い慣れているか、高音域が得意である人の方がマッチしやすい曲といえます。
 同曲のメロディーは比較的わかりやすく、リズムなども取りやすそうです。また、息継ぎなども比較的しやすいため、音域がマッチするのであれば練習曲に向きやすいと私は推測しています。ただ、同曲は、間奏が短いため、見た目より高音感があり、体力的にも辛くなりやすいです。その点は留意しておいてください。

 『ラブ・ストーリーは突然に』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E~hiBといった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はAメロでもmid2E~mid2Gが登場し、サビではhiAやhiBがよく見られます。また、低音域についても男性曲としては高く、女性曲と近似する声域です(ただ、女性曲としてはやや低い)。
 こうした点を考慮すると、「高音域が得意(or非常に得意)な男性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、限定的ではありますが、「標準より低めの音域の女性」なども原キーがマッチする可能性があります(一般的にはキーを上げた方が歌いやすい)。


【まとめ】

①男性曲としては中高音に寄った曲(Aメロもそれなりに高い)
②原キーだと「高音域が得意(or非常に得意)な男性」向け
③「低めの音域の女性」も原キーがある可能性がある(通常はキー上げ推奨)
④メロがよく、息継ぎもしやすいため練習曲向き
⑤間奏が短いため、体力的にしんどくなりやすい。注意

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コメント

  1. 名無し より:

    待ってました

    こんなに高いのに本人はまだ原キーで歌えるのが凄いとしか…
    個人的に低めの女性曲って感じの曲だと思います。(小田さんの声質も相まって)

    • もりっしー より:

      この曲は凄くいいですよね
      小田和正さんの作品は、以前から取り上げたかったのですが
      ちょうどこの曲を耳にする機会があったので
      今回記事にしました
      この曲は何気にかなり高いのですが、小田さんはそこまで声も張らずに
      安定して歌われてる気がします

  2. 匿名 より:

    息継ぎしやすい,との評ですが,
    私はいつも
    「あの日あの時あの場所で君に会えなかったら V 僕らは何時までも V 見知らぬ二人のまま」
    とブレスしているのですが「あの日~」のところ結構息苦しくなりませんか?
    (もしかしたらブレスの位置違う?)
    更にラスサビの
    「誰かが甘く誘う言葉に心揺れたりしないで」(ノンブレス)
    もきつかったりする。

    いかがでしょうか?

    • もりっしー より:

      少し慣れが必要かもですが
      「あの日あの時あの場所で Ⅴ 君に会えなかったら」
      とここにも少しブレスを入れてます
      ブレスが入れられなくても、声を伸ばし過ぎずに切ることを意識すると
      少し歌いやすくなります
      確かに最後の「誰かが甘く誘う言葉に心揺れたりしないで」の部分はすこし入れにくいかもです

  3. 匿名 より:

    今度意識して歌ってみます。